カカシは好きだが許さない

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ランクの低い任務ばかりで飽き飽きとしたナルトに対してカカシはいつもよりランクの高い護衛任務を受託するわけですが、途中刺客が現れたことでその任務のランクがグンと上がりました。

この時点で「はじめてのCランク任務」「戦闘経験なし」「下忍になったばかり」の3人に果たしてこの任務が適当なのか、という考察をするべきところ、依頼者の泣き落としに引っかかり任務を継続します。甘い。

次に現れた再不斬という強敵に対しても、「俺の仲間は殺させやしなーいよ」と言いつつサスケやナルトのアシストがなければ結構ピンチだったのでは?という状況になりますがまあそこは主人公であるナルトの活躍のためだろうし仮にアシストがなくてもカカシなら何とか出来たであろうと考えつつも、再不斬にとどめを刺す前に白が現れて再不斬もろとも消えていきました。

ここでまたカカシは考察をするべきでした。
再不斬レベルの敵が現れたことにより、再不斬で終わるのか、更にまた刺客が現れるのかわからない状況です。普通は最悪のパターンを想定して、下忍になりたての3人にとっては荷が重すぎる、最悪生き死ににかかわると任務の継続を断念するのが上司としてするべき判断でしたが、写輪眼を使ったことにより倒れてしまい結局波の国まで来てしまいました。

ここで適切な判断が出来ていれば、ぶっ倒れていようが何だろうが第七班だけでこの任務を継続するのは危険すぎる、ていうか自分がぶっ倒れてるからこそ危険すぎる。増援を呼ぶこともできたでしょう。しかし、再不斬が白によって回収されたことで彼は「もう安心だ」と思ってしまったわけです。甘い。

その判断の甘さがのちに「サスケが殺される」という悲劇を招きます。

再不斬と一緒にいる白が見た目若いからといってどれほどの実力の持ち主か全くわからない状態で「行け、サスケ」などとにっこり指示するカカシ。いくらサスケが優秀とはいえ、かたや相手はお尋ね者の再不斬と行動を共にしている少年。実戦経験の差がありすぎると言わざるを得ません。
サスケの能力を過大評価していたのか、白の能力を過小評価していたのか、ともかくここでもカカシは判断を誤ります。甘い。

結局サスケはナルトを守るために命を落とし、そしてナルトも九尾の力に目覚めなければ、恐らく白を倒すことが出来ず、最悪部下と依頼者全員を失っていた可能性すらあったわけです。

私はこのカカシの判断の甘さによってサスケが死んだことを物凄く根に持っているので、このサイトの小説の中でも相当な頻度で「カカシは判断を誤りがち」な人物として描写しています。

この波の国の一件で彼が自らの判断ミスを反省している様子が描かれていない為、「何とかなったようでよかった」などというぬるい言葉で総括しているものと考えますが、このように波の国編で見せたカカシは部隊長に不向きな見通しの甘いダメ上司っぷりでした。

ただ反面、個人としての能力の高さを伺い知ることはできたため、カカシは部隊長という責任ある立場よりも、駒として命令に忠実に動く方が向いているように思われます。

が、しかしわたしはこのカカシの数段階にわたる判断ミスによりサスケ、もっと言えばナルトの想定外の変化がない状態の七班3人が再不斬という強敵の部下である白によって命を落としていた可能性もあったことを根に持っているので、そういう面でカカシのことを許していません。

結果オーライ、じゃねぇよてめぇの見通しの甘さのせいで死んでんだぞサスケが!!というのがこのサイトのありとあらゆる作品の中で見られるのはそう言った理由からです。

まあ別ジャンルの某最強の人みたいに完全無欠の最強ではなく「強くて頼れる、けど完璧ではない」人物として描かれているので、それが彼の人間らしさで魅力でもあります。ぜってぇ許さんけど。

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