チャクラ実験

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成人向,短編,原作軸,カカサス小説エロ,お付き合いしてるふたり,やおい,平和IF,甘々

「医療忍術ってさ、他の人の身体に自分のチャクラを流し込むんだよね。」
 カカシの家でくつろいでいたら、急にそんなことを言い出した。しかしサスケは医療忍術についてはよく知らない。
「そうなのか? つまりチャクラを流し込んで傷病者のチャクラを増やすことで自然治癒力が高まるとか?」
 麦茶とコーヒーを持ったカカシがローテーブルにそれを置き、サスケの隣に座る。
「詳しいことは俺もよく知らないけど、大戦のとき看護室をチラッと覗いたらそんな感じのことをしてたからさ、人にチャクラを流し込むとどうなるんだろうと思って。」
「それ医療を学んでない奴がやっても大丈夫なのか?」
 麦茶を手に取って口に運ぶ。試しにクナイで腕を切ってみてカカシにチャクラを流させたらどうなるんだろう。でも自分のチャクラも十分にある状態でそれをやって意味があるんだろうか。
「だからさ、医療じゃないことにも使えないかなって思ったわけよ。」
 カカシもコーヒーに手を伸ばして口元に持ってくる。ふー、ふー、と冷ましながら少しずつ口にする。
「医療じゃないこと? 例えば?」
「キスとか。」
 サスケは麦茶でむせそうになって咳払いをした。カカシの方を見るとその目は本気だ。
「……つまり、やってみたいんだな?」
「だめ?」
「嫌ではないけど……俺も気にはなるし。」
 カカシはコーヒーを飲みながらん~と考え事を始めた。チャクラを流すと言っても色々ある。千鳥のように性質変化を伴う流し方、忍術を組む時のように練り込むやり方。人に伝わるように自分のチャクラを周囲に拡散させるやり方。
 サスケが麦茶をテーブルに置いてカカシの顔を見ていると、カカシはうん、と頷いてコーヒーをテーブルに置いた。
「色々試してみよう。」
「人体実験かよ……」
「大丈夫、何かあったらちゃんと病院連れてくから。」
「それ何て説明するつもりなんだ?」
「……その時考える。まず普通のキスをしよう。」
 カカシが口布を下ろしてサスケに迫ってくる。
「ちょっと待て」
 サスケはそれを手で制した。
「何かあったときのためにベッドでやろう。もし倒れたりしてもベッドなら安心だろ。」
「それもそうか。」
 カカシが差し出した手にサスケは自分の手を載せて二人で立ち上がり寝室に向かう。

 ベッドの中央に座って、いざ始めようとなると少しドキドキしてきた。
「じゃあ、まず普通のキスね。」
 唇が重なり合う、だけでなく、カカシの舌がサスケのそれを絡めながらちゅ、ちゅ、とキスをする。いつものキスだ。唇を離すとサスケの頬がほんのりと色づいていた。それを見て可愛いなあと思いながらカカシはもう一度触れるだけのキスをする。目が合うとサスケの頬は更に色づいた。
「じゃあ次、ちょっとチャクラを練るよ。大丈夫そうなら少しずつ量を増やす。」
 再び唇を合わせる。なんだかいつもより顔がほてっている気がする。舌を絡めるといきなり視界がぐわんと回ってふらっと倒れそうになるのをカカシが支えた。

「……っは、どんなチャクラの練り方したんだよ……。」
「分身の術と同じ感じでやってみたんだけど……これはだめだね、危ない。」
 まだ頭がふわふわしていて身体の感覚がおかしいが、これはこれで何か使い道があるような気もする。キスじゃなくて頭に直接このチャクラを送り込んだら多分同じ状態になるだろう。
「俺ばっかりやられる側は嫌だぞ。次は俺がやる。」
 身体の感覚が戻ってきて、サスケはカカシの服の首元を掴んで引き寄せる。キスした瞬間に火遁と同じ練り方をしたチャクラを少しだけ送り込んだ。
「んっ……!」
 カカシはビクッと身体を揺すったがそれ以上何も言わないので少しずつ送るチャクラを多くしてみると、カカシがサスケの胸を押す。唇が離れて、カカシは額に手を当てた。
「どうだった?」
「チャクラが流れてきた瞬間身体が熱くなって、チャクラが増えるにしたがって眩暈みたいな感じが強くなった。」
「……どうも、チャクラを練って送り込むのはやめた方がよさそうだな。」
「キスではね。でも他の事に応用できるかも。ちょっと楽しくなってきた。」
 次はどうしようか……と、カカシが顎に手を添えるのを見て、サスケが話しかける。
「普通に送り込んでみたらどうだ。」
「え……幻術も試してみたかったんだけど。」
「ダメだ。チャクラを練るのはもうやめ。次。」
 もうあの身体の自由が利かなくなるような感覚はごめんだ、手でカカシを制する。
 カカシはつまらなさそうな顔をして、座り直してから、サスケに向き合った。
「じゃあ、口からチャクラを流し込むよ。」
「普通最初にそれ試すだろ。」
 サスケの後頭部に手が添えられ唇が合わさる。舌を絡めているとカカシ以外のものを感じ取れなくなって、ぼんやりと顔が熱くなり、更にそれが全身に巡り始める。サスケは夢中になってキスをした。キスをしながら自分のチャクラもカカシに流し込むと、どうやらカカシも同じ状態になったらしい。貪り合うようにただただキスに没頭した。
 何十分もキスをし合って、その唇を離したのはカカシだった。お互いにはぁ、はぁ、と息をしながら真っ赤な顔で「これはやばい」と言い合う。
「……カカシが欲しい……」
 サスケがカカシの股間に触れると、ガチガチに勃っているそれの感覚。
「……俺もだけど、最後の実験。チャクラを放出しながら。」
 カカシを中心に部屋中がカカシの濃密なチャクラで満たされる。サスケも負けじとチャクラを放出し始めると、濃厚なチャクラ同士が混ざり合い、もうキスをしていなくてもお互いのことしか見えなくなった。
「……ッカカシ、いいだろもう……っ」
 サスケがカカシのズボンに手をかけると、カカシは逆にサスケの肩を押してベッドに沈めた。邪魔だと言わんばかりにサスケのズボンと下着を取り去ってローションを手に垂らし、ぬるるっと後ろの穴に一気に挿入する。
「っあ……! カカ、あっ、だめ、やばっ……!」
 ふー、ふー、と息をするカカシが中を指でなぞりながら、
「何がやばいって……?」
 と更に部屋の中のチャクラの濃度を上げた。
「ちょっ、あっ! ま、だめ、あぅっ! だめ、だめ出るっ、から……っ!!」
 ピクン、とサスケの身体が揺れて白濁液が腹を汚す。しかしカカシの指はまだ1本しか入っていない。このまま指を増やされたら、カカシのを挿れられたら一体どうなってしまうんだ。
 濃密なチャクラの中にいるとまるで酔っているかのように頭が回らなくなってくる。指が二本に増えてサスケのそこをなぞるとやはりサスケはまた射精した。一体どれだけ出るんだ、なんて、気持ちいいその感覚で頭がいっぱいでとても考えられない。指が3本ずっぷりと出入りを繰り返せるようになってカカシはその指を抜き、サスケの腹の上の白濁液を自分のそれになすりつけて少しずつサスケの中に挿れ始める。
「我慢できない……いいよねサスケ」
「あ、あっ、ん! はぁっ、あっ、あああっ!」
 一気に奥まで挿れたかと思うと二人とも射精していた。それでも衰えることのないそれ。カカシが腰を動かす、すぐに射精する、また動かす、少しずつ早く。そうしている内に二人とも身体中が熱くて熱にうなされているように頭はぼーっとしていてただただ目の前にいるひとりしか感じられない。
「っサスケ、サスケ、……っ、」
 射精と抽送を繰り返しながらどんどん中がドロドロになっていく。
 ……これ、サスケの中に出すときにチャクラをそこから流し込んだらどうなるんだろう……。
 カカシはチャクラの放出を止めてそこにチャクラを集め始める。しかし放出し続けたチャクラはまだ濃厚な密度で二人を覆っていた。
「ぅあ、熱いっ、あっ! あ、カカシっのが、っぁあ! やっ、だめ、あああっ! だめ深いのがっ!」
 ふーっ、ふーっ、と息を吐いて興奮する頭をどうにか冷静に保ちながらカカシは抽送を早める。
「あああっ! あ、ああっ! いく、い、あっ! カカ、ああああっ!!」
 サスケはビクン、ビクンと背を反らして中を痙攣させた。カカシは精と一緒にチャクラをその奥に流し込む。
「ああああっ! ぅあ、あっ! い、あああっ! 止まら、ああっ!!」
 チャクラを流し続ける間、サスケはいき続けた。キュウキュウに中が閉まってその度にカカシも射精してチャクラを流し込む。それは カカシのチャクラが尽きるまで、すなわち夜までずっと続いた。

 寝室はまだカカシとサスケのものが混ざり合った濃厚なチャクラで満ちていた。
 ベッドの中心で息を切らしながらぐったりとして動けないふたりはまだ繋がったままだったが何か言おうにも息が整わないことには言葉にならない。サスケがようやくカカシに話しかけられたのは数十分後だった。
「いい、かげんっ、抜け、馬鹿……!」
「むり……チャクラ切れで……動けない……。」
「切れる、まで、出すな……!」
 結局サスケの中からそれが抜けたのは、更に数時間後だった。
 しかし抜けたはいいがふたりともまだ動けない。その上二人ともまだ硬さを保っていて抜いたはいいもののお互いの股間にそれが当たっており、動けなくなるほどセックスしたというのにまだ興奮してしまう。
「禁止……!! もう二度と、しねえぞ……!!」
「でもさ……サスケめちゃくちゃ……気持ち良かったでしょ。」
「チャクラ、切れるまで、やり続ける馬鹿とは、やんねえよ!」
 そのまま動けないまま眠って翌日、身体中、特に腰にずんと重いけだるさを感じながらサスケはベッドから下りた。部屋の中に充満しているチャクラを外に出そうと窓開けて風を取り込む。
 カカシは寝ぼけながら何だか身体が重いなあと上半身を起こした。布団はひどい有様だった。二人が出した精液でカピカピに汚れている。しっかり洗わないと取れそうにない。
「やっと起きたか、ウスラトンカチ。」
 窓からカカシに目線を向けて睨みつけると、カカシはどうやら昨日のことを思い出したらしい。
「えー……っと、なんか、ごめん。」
「もう一度言うぞ、もう二度としないからな、ばか。」
「たまに……も、だめ……?」
「だ、め、だ。さっさと後始末するぞ。」
 サスケが掛布団をベッドから降ろしてシーツをはぎ取り始める。ようやくカカシもベッドから降りてその作業を手伝い、風呂桶に湯を貼って洗剤を入れて漬け置き洗いをすることにした。
「ったく、今日任務だったらどうするつもりだったんだよ。」
 もう二度としないと言うサスケとは裏腹に、カカシは出すときだけチャクラを一緒に流し込むのは時々やろう……と思っていた。サスケのあのいき方が、忘れられないのだ。

 しかし、その後セックスをして……もうすぐ出る、というタイミングでサスケはカカシに釘を刺し続けた。
「チャクラ、出すなっ……!」
 さすがに出すなと言われて出すわけにはいかない。そんな日々が続いて、夏が来て、秋が来て、冬になって、そして新年を迎えてその年はじめて一緒に過ごす夜、つまり姫はじめの日、サスケはいつものその一言を言わなかった。その時カカシの脳は超回転し、つまり今日はチャクラセックスオーケーってことだな!? と念のため明日何か予定が入っていないか確認してから、貯めに貯めたチャクラを思いっきりサスケの奥に流し込んだ。
「ああああっ!! あっ、あああっ!! カ、いっ、っあああ!!」
 それは新年の始まりにふさわしいいきっぷりだった。しかしチャクラを放出していない素の状態のカカシが射精できる回数は限られている。しばし思案したのち、カカシはセックスの間ずっとチャクラを流し込み続けることにした。それでも効果は十二分にあった。カカシの予想通りサスケは夜が明けるまでいき続けた。もうすぐ朝か、と思ったところでカカシは渾身のチャクラと精液をサスケの奥に流し込み、サスケは一番大きな絶頂の中意識を手放した。

 夕方目が覚めたサスケは全身の倦怠感で起き上がることが出来なかった。当然だ、いきっぱなしで身体中が痙攣、つまり筋肉が硬直した状態が一晩続いたのだから筋肉痛にもなるだろうし疲れもするだろう。一方のカカシは念願だったチャクラセックスが出来てご満悦だった。サスケからするとそれが気に入らない。
「やっぱりセックス中にチャクラ使うのは金輪際禁止だ。金輪際だぞ。」
 不機嫌そうな恋人にカカシはチャクラを流し込みながらキスをする。するとすぐにその顔はとろんと蕩けて夢中になってキスを求めてくる。チャクラセックスはさせてくれないがサスケはこのチャクラキスは好きなようだった。そのままセックスに雪崩れ込むのもしばしば。朝まで散々したばかりでさすがにまたセックス……という雰囲気にはならなかったが、不機嫌だったサスケの機嫌は良くなったのだからちょろいものだ。……などと言うと確実にまた不機嫌になるので口が裂けても言えないが。

 それにしてもチャクラというものは実に不思議なものだ。