はじめての

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成人向,短編,原作軸,カカサス小説エロ,お付き合いしてるふたり,ほのぼの,甘々

 俺とサスケはおつきあいをしている。
 といっても手を繋ぐ程度で、一緒に過ごすことが多いだけの清い関係だ。
 そのサスケが家に泊まりに来たとき、イチャパラが置かれている机を見たサスケが、俺に向かって言った。
「あんたいつもこのエロ本読んでるけど、実際にしたいとは思わないのか?」
 俺はよく考えずに答えた。
「そりゃまあ、したいけど相手もいないしねぇ。」
「俺じゃ相手にならないってことか?」
 サスケのその言葉に、しまった、と思った。相手、いるじゃん。一応恋人のサスケが。いやでも、男だし、何よりまだ子どもだし早すぎる。
「サスケにはまだ早いよ、もう少し成長したらね。」
 と言いつつ、成長してさあやろうと言われても俺は男との経験はない。というより女ともあまり経験はない。当然かアナルセックスの経験もない。正直どうしたらいいのかわからない。
 ……まあ、その時までに勉強して臨めばいいだろう。と思っていたのは俺だけだった。
「俺は、してみたい。興味がある。駄目か。」
 ……そう、そうね、12歳、思春期だからね、興味が湧くのはわかる。わかるけどサスケの「してみたい」はどっちだ。「挿れたい」方なのか「挿れられたい」方なのか。
「してみたいっていうのは……どのあたりまで?」
「どのあたり、って……よくわからねえよ。あんたは大人なんだからわかるだろ?」
 何の知識もないらしいことを確認して、とりあえず安心する。でも興味津々のサスケには「まだ早い」は通用しなかった。ただサスケにとってまだ早いのは事実だし、俺だって色々準備をしなきゃいけないからやっぱり今すぐは無理だ。
「……わかった、ゴムとか……そういうの買わなきゃいけないから、明日、少ししてみようか。」
「少ししか、駄目なのか……最後まで、したいのに」
 ぐぅ、俺だってできることなら大好きなサスケとイチャイチャパラダイスしたい、したいところを男だし、子どもだしと思って先延ばしにしてきたというのに、サスケからそんなこと言い出すなんて反則だ。
「わかった、できるだけ最後まで、してみよう。うまくできるかはわからないから、そこは勘弁してね?」
 よくわからない顔をしながら、サスケは頷いた。
 よし、一日猶予が出来たから男色について本で調べられる。
 
 かくして、次の日の夜になった。やり方に関しては本の中身をそのまま頭にインプットしてある。ローションとゴムも買った。寝室のサイドテーブルにそれを置いて、サスケと向かい合わせで棒立ちになる。
 あ、ええと、そうか、俺がリードしなきゃいけないのか。とはいえどうしよう。
「……ともかく、服、脱ごうか。な。」
 ぎこちなくそう言って、見本を見せるように上のタートルネックを脱ぐ。それを見て、サスケも脱ぎ始めた。そしてまた、裸で向かい合わせて沈黙が流れる。あれ、女のときってどうしてたっけ。いやともかくベッド、ベッドに移動しないと。
 ベッドサイドに座って、サスケも来るようにぽんぽんと隣を手で叩く。サスケがそこに腰を下ろすと、斜めに向かい合いながら、本の内容を思い起こして、サスケのそれに手を伸ばした。サスケも俺を真似て俺のに手を伸ばす。お互いにさわって、一緒に扱き始めた。それだけじゃ何だかムードが出ないなと顔を寄せてキスをする。
 サスケの手淫はへたくそだけど、なんとなくちょっとエロい雰囲気になってきた気がして、ちょっとずつ勃ち始めた。サスケは若さもあってか、もうビンビンに勃っている。ええと次は、……口淫。キスをやめて、サスケの前にしゃがんで舌をそわせながらそれを口に入れた。先を舐め回したり、口をすぼめて吸ったり、裏筋を刺激すると、サスケはすぐにピク、と反応した。熱い吐息が聞こえてきて、そろそろだろうか、というところで口の動きを早める。
「ッカカシ、出るっ、いく、い、っく……っ!!」
 びゅう、びゅう、と勢いよく口の中になんともいえない味のドロッとしたものが飛び込んでくる。え、これどうしよう。飲む? 飲むのが正解、だよな? おいしくは、ないけど……。
 全部出終わってから、意を決してごくりと飲み込んだ。喉の奥が粘ついている感じがする。精液ってこんな感じなんだ……。正直今すぐコップで水を飲みたいところをぐっと堪える。
「カカシまさか、飲んだ? のか?」
「うん、……気持ちよかった?」
「それはその……よかった、けど。」
 サスケのその言葉に安心して、ベッドに横になるように抱き上げた。
(軽い……)
 枕の上にそっと頭を乗せて、仰向けになったサスケにキスをしながら胸を触る。当然だが豊満な脂肪の塊はない。けど男でも乳首で感じると本に書いてあったし。
 指で転がしたり、舐めたり舌で押したりしていると、頭上から「何してんだ……?」と言葉が降ってくる。どうやら、サスケは乳首で全く感じていない様子だ。この場合どうしたらいいんだ。予定では乳首で感じてまた下が固くなってくるはずだったのに。
「何も感じない?」
「いや、なんか……さわったり舐めたりしてるな、とは感じるけど……俺女じゃねえし。」
 困ったときはキスで誤魔化すしかない、サスケの口を塞いでその舌に舌を絡めながらフェザータッチで身体を撫でながら下半身に手を伸ばしてそれを優しく扱く。
 キスの合間に漏れる吐息を確認して唇を離しサスケの膝を立たせていよいよ……いよいよそこに挿れる時だ。
 便を出せるくらいだから柔軟性はある、というかアナルセックスというものがあるくらいだからそれが入るくらいの柔軟性はあるはずだ。ただ、内臓だから傷つけてはいけないし尻でもあるわけで……本には書いていなかったけど念には念を入れて指にゴムをつけた上でローションを纏わせた。
「力抜いてね、痛かったら言うんだよ。」
 サスケも覚悟をしたように頷く。
「わかった」
 そっと中指を中に挿れる。思っていたよりもぬるっと入った。けど、これは……ちょっと、あまりにも。
(せ、狭いというか、きつい……! こんな小さい穴に本当に入るのか……!? 
 ぐ、ぐ、と中に推し進めて、煽動するそこは多分本来出す器官だから俺の指を出そうと蠢いているんだろう。
 ええと、確か内側の方に前立腺の……。
 ゆっくりと抜き差しをしながら中を優しく撫でつつその場所を探る。確かくるみくらいの大きさで、少しだけぷくっとしている、……ここ、か……?
 場所的にも、感触的にも、そこっぽい。ローションのついた指でくにくに押してみたり、撫でてみたりしてサスケの反応を探る、が、むしろ眉間に皺を寄せて何かを我慢している様子だった。あれ? あ、慣らし足りない……!?
「サスケ、大丈夫?」
「問題、ない……違和感が……ちょっと大きいだけだ。」
 違和感。やっぱりもっとじっくり時間をかけて慣らさなきゃ気持ちいいどころか、ということか。まずはこの指一本に慣れて貰わなければ。お尻だけに神経が集中していたら緊張もしているかもしれない。
 俺はサスケの太もも、お腹、腰に舌を這わせて膝小僧をくすぐったり、もう片方の手でサスケのそれを扱いたりしながらひたすら指を抜き差ししながら「多分」前立腺の裏だと思われる場所を刺激し続けた。
 サスケの眉間の皺がだんだん緩んできて、ふぅ、ふぅ、と息をし始める。やっと来たか……!?
「今はどう? どんな感じ?」
「……ちょっと、なんか変な感じ……」
 ……どっちだ、気持ちいい方なのか違和感の方なのか。
「指増やしてみてよさそう……? 無理そうならやめるから、正直に言ってね。」
「だい、じょうぶ……だと、おもう」
 締め付けは最初よりだいぶよくなった、ステージ2、指2本目……うまくいってくれ。
 ゴムの中に人差し指も入れて改めてローションを纏わせる。ゆっくりと中に挿れていくと、ぎゅう、と締め付けてあからさまにサスケが尻を緊張させたのがわかった。その顔は目を強くつぶって何かに耐えている。
「ごめん、痛かった? やっぱりもう少し指1本で慣らした方が」
「ッ大丈夫……そのまま……っ」
 そのままと言われてもそんな顔をさせてしまっているのにこのまま奥まで2本挿れたらもっとしんどいんじゃ……。やっぱりセックスはまだ時期尚早だ、オーラルセックスで少しずつ慣れて行った方がいい。
「いや、もうやめよう、きついだけでしょ? ほら、セックスって本来愛の営みなわけで、そんな顔させるくらいなら……」
「続けろ、って、大丈夫、だから……!」
「でもサスケ」
「俺は、あんたと、一緒になりたい……っ」
 ええとそれはつまり、俺のを挿れるところまでやりたいと……? いや、いやいや、指2本でこんな風になってるようじゃそんなのは無理だ。
 俺は指をそっと抜いて、ゴムを捨てて、サスケのそれと俺のにローションを垂らした。肩の下に手を回してそれ同士を擦り合わせる。
「今日はこれで、っ一緒に気持ちよくなって終わりにしよ?」
 サスケが俺の顔を見上げる。
「でも、俺は大丈夫だから、っ、続けていいからっ」
 ぬちゅぬちゅとお互いに勃っているそれを刺激し合うと、俺もサスケも少しずつその感覚に意識を集めて吐息が漏れる。
「中に挿れるだけが、セックスじゃないから……ね?」
 は、はぁ、とさっきとは打って変わってサスケの頬が上気してくる。
「……っこれ、も、いいけど、俺は最後まで、平気だからっ……」
「……まだ、だーめ。今挿れたって痛いだけ、だから。」
 ……結局この日は、指1本だけで終わった。
 サスケは不満気なようだったけど、入らないものはしょうがないし、どうせならサスケも気持ちよくなって欲しい。
 
 次の日も、その次の日もせがまれて、指1本にだんだん慣れてきて、この調子なら2本いけるだろうか……? と指を増やしてみて、初日よりは随分表情も柔らかくなった。ただ、前立腺の裏に関しては、本に書いてあったようにはいかず、サスケは何とも感じていないようだった。
 変化を感じたのは1週間後。
 指は3本までいけるようになった。そして粘り強くそこを刺激し続けた成果なのか、指の数に慣れたのか、そこに触れるたびに小さな反応が返ってくるようになった。
「ここ、どんな感じする?」
「なんか……変な、感じ……。」
 これはいい変化なのではないか。俺はひたすらそこをマッサージするように撫でたり押したりしながら、指で中を押し広げていった。
 それから更に3日後。
 指1本から慣らし始めると、そこを撫でるたびにサスケがピク、と反応する。いい感じだ、いい調子だ。慣らしながら指を増やして2本でそこをくに、と押すとキスをしながらサスケは声を漏らした。
「っん……!」
 唇を離して、そこを撫でると「っ、ぁ、んっ」と今までとは全然違う甘い声を出す。
 今日、今日ならもしかしたら、最後まで……!?
「サスケ、声……気持ちいい?」
「っ、たぶ、んっ、じわって、変な感じが、っ、」
 指3本にもだいぶ慣れた、とはいえ、俺のそれは指3本よりもだいぶ大きい。
「……よし、じゃあ、今日は中で気持ちよくなれるようになろう。」
「あっ、ん……っ、はぁっ、っぁ、」
 もしも、もしも中でイケたら、次のステップに……。そう思ったけど、イクほどの快感ではないらしい。気持ちよさそうではあるものの、結局その日も指だけで終わった。ただ、確実に前進しているのは感じる。
 更に2日後。
 サスケの顔を見ながら、指を激しめに出し入れしても大丈夫そうだと判断して少しだけ指の動きを早くする。そこへの刺激はちゃんと「気持ちいい」と感じるようになってくれた。中もずいぶん柔らかくなっている。責め立てるようにそこを突くような動きに変えると、サスケは眉を垂らし目を閉じながら声が大きくなっていった。
「あ、あっ、っん、は、あっ! あっ、あ、だめ、いっ、いきそ、っあ! いくっ、い、あっ! あ、カカっ、あっ、あ……っ!!」
 ビクン、と身体がこわばって、そこからはびゅっ、びゅっ、と白濁液が飛び出していた。
 やった、ついにやった、サスケを中で気持ちよくさせられた――!!
 はぁっ、はぁっと息を吐くサスケにキスをする。
「……やっとイケたね、よかった……。」
「ッカカシ、今、なら……入るんじゃ、ないか……?」
 ……確かにイケるほど感度が高まっていて、中もかなりやわらかくなってる。
「……挿れ、てみる?」
 サスケが頷く。
 ガチガチに勃っている自分のそれにゴムをつけてたっぷりローションをつけた。穴にその先端を当ててサスケの様子を見ながらゆっくりと押し込んでいく。
 やっぱり、指なんかよりずっと大きいからか、また眉間に皺がよった。小さく出し入れを繰り返しながら、少しずつ少しずつ奥に腰を進めて、さっきイッたそこまで届いたら、まずはそこをカリがえぐるくらいの浅いところでゆっくりと腰を動かす。ゆっくりと、だんだんと、苦しそうな顔から緊張がほぐれていって、息が浅くなる。
「痛くない? ……大丈夫?」
「っん、だいっ、大丈夫……っ!」
 表情を見ながら、ゆっくりと少しずつまた奥に腰を進める。
「カカ、シ、いま、どのくらい……」
「半分、くらい。……大丈夫そう?」
「大丈夫っ……」
 ゆっくり、ゆっくり、時間をかけて、ついにサスケの一番奥……だと思う、そこまで挿れることができた。サスケは、浅く呼吸をしながら、でもまだやっぱり表情は少しつらそうだ。
「サスケ、……奥まで入ったよ、サスケ。」
 安堵したように薄く目を開く。俺はキスをしながら、その奥にぐ、と押し込んでサスケを抱きしめる。
「……感想は?」
「ひとつになれたのが、……嬉しい。俺は……カカシにも、俺の中で……気持ちよくなって、欲しい。」
 サスケから抱きしめ返されてじんとこころに響く。そうだよ、俺たちやっと今繋がれた。色々予定とは全然違う感じになったけど、こうして今ひとつになれている。……今もサスケは決して気持ちいいわけじゃないだろうと思うのに、俺のことを考えてくれているのがすごく嬉しい。嬉しくて泣けそうなくらい……。
 でも俺だけ気持ちよくなったって嬉しくない。サスケの気持ちは嬉しいけど、ここまで一緒に頑張ってきたんだから、一緒に気持ちよくなりたい。
「……ありがとう、サスケ。動くけど、つらかったらちゃんと言ってね?」
 まずはこの大きさに慣らすために、ゆっくりと出し入れをしながら、前立腺の裏はしっかり刺激する。サスケは浅い呼吸で、でも苦しそうな表情は少しずつ和らいでいった。
 サスケは俺に気持ちよくなって欲しい、と言ったけど、このきつい中を出し入れしているだけで十分に気持ちいい。だから、サスケをちゃんと気持ちよくさせてあげないと。
 中が弛んできて、少しずつピッチを上げた。奥まで入ったときに俺の背中のサスケの指に力がこもる。奥まで入ってる方が良い、んだろうと、サスケが感じられるように腰を動かした。
 
 ……セックスで、こんなにも相手のことを考えながら腰を動かすなんて、したことがなかった。一応、お付き合いの上でそういう関係になった人は過去にいたけれど、女性だったし普通にしていれば普通に濡れて普通に感じてくれていたから、何か気遣うという必要がなかった。
 サスケだから。男の子だし。子どもだし。でも恋人で、サスケが望んだから……紆余曲折はあったけどこうしてサスケの中に俺のものが入っている今が、この現実がすごく尊くて、愛するって、こういうことなんだとこの歳になってはじめて感じた。
 サスケが好きだから、サスケを抱くからには、ちゃんとサスケを気持ちよくさせてやりたい、その思いだけで俺はサスケと向き合った。
「あ……、っぅ、……カカ、シ、熱い……っ、っん! ……っあ、っ!」
「熱い……? どこが? 痛かった?」
「っちが、っあ、きもちい、いっ、カカシっ……、っ気持ちいい、っん、ぅ、……っあ、あっ、……っ!」
 俺は、キスをして、奥に入れたまま、サスケをぎゅっと抱きしめて。
「サスケ俺も、サスケの中すごく気持ちいい……」
 そう言うと、サスケはビクビク、と身体を震わせて、中がきゅうう、と締まる。
 ……え、イッた? でも射精はしていない。
「……っ悪い、なんか、ぞくぞくして、力入って、」
 それって良い方に捉えても大丈夫なの、……ああ、可愛い、サスケが愛おしい。サスケ……。
 再び腰を動かし始めて、サスケの様子を見ながら動きを早くしていった。中はすっかり馴染んでいて、そして漏れる喘ぎ声に興奮して、中がきゅうう、と少しずつ締まり始めたとき、一緒にイきたくて俺はがんがん腰を振った。
 お互いに、汗ばむ背中を抱きしめて、……セックスが愛の営みと言われる理由を真に理解した気がする。
「……愛してる……」
 こころの底からこう感じたのはたぶん、はじめてだ。
 サスケ、ありがとう。愛してる。これからもずっと。