遊びじゃない

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成人向,短編,僧侶パロ,カカサス小説エロ,ほのぼの,やおい

「……ん、ふっ、……んぅ、」
 自分の声で目が覚めて、またか、と思う日常。
「ッカカシ、っあ! わざと……っん、……あっ」
 俺が寝ている背後でごそ、と手を動かす……師匠にあたる人物は、毎晩のように寝ている俺で遊びやがる。
「寝てるときにするのは俺の趣味だから諦めて?」
 お尻の中でうごめく指が、俺の敏感なところを撫でつけて、そのたびに声が漏れることにもう恥ずかしいとかそういう感情を抱かなくなった。
「はぁ……っ! あ、あっ、あ、や、やめっ、あっ!」
「あ、出そう? いいよ出して。シーツ洗うのはお前だけど。」
 いちいちイラっとくる事を言うのもわざとなんだろうか。それでいてこの寺で二番目に偉い僧侶だなんてとても信じ難い。
「だからやめっあぅ! やっ、あっ! あ、あっ、~~っ! っぁああ!!」
 ご丁寧に寝間着の前まではだかれていて、カカシの思惑通りに布団のシーツに俺の精が飛び散る。
「〝あぁ、気持ちよかった。次はまぐわいたいものだ〟……似てる?」
「……あんまりふざけが過ぎるともうあんたの稚児を辞めるぞ」
「「まあ、俺ぐらいしかあんたの相手してやる奴なんかいねえだろうけど」」
 全く同じ台詞を同時に喋られて俺はまたむっとする。
「はっ、相変わらずプライドたっか。……そこが可愛いんだけどね。ほら、尻出してよ。」
 こいつくらい身分が高いと、それなりの稚児しかつくことができない。そのそれなりの稚児が今この寺には俺ぐらいしかいない。だからこいつも、俺から本当に見限られたら世話をする稚児がいなくなって困るといえば困るのだ。
 だから俺が心の底から嫌がるようなことは基本的にはしてこない。まぐわうことにも慣れて……まあ、気持ちがいいのは確かだし、今はむしろ満更でもないくらいだし。
 望み通りに尻を後ろに向けてやったら、すぐに熱くて硬い感触がそこをグッと押す。今は通和散の用意でもしているのだろう、押されるたびにこれが中に入ると思うとうずうずする。
 ぬるりとした感触に変わっていよいよずぷぷと中に入ってきて、いつもながら子どもに入れる大きさじゃないと思いながら息を吐いて収まるのを待つ。
「うん、良い具合だ。」
 満足気に腰を揺らしながら、カカシは体制を変えて俺をうつ伏せに転がしその上に覆い被さった。
「あっ、あ、それだ、めっ! あっ! 当たるからっ、やめっ、ああっ! あっ!」
 尻が締まって具合がいいのか、俺のことなど無視してカカシはまぐわいに励む。ちょうど敏感なところを抉るように奥まで突かれるこの対位のままでは敷布団のシーツまで汚してしまう。
「何がだめ? これ気持ちいいでしょ、ほらちょうど当たって。」
「ひぁっ! あっ! やっ、っあ!」
 気持ちいいのは確かに気持ちいい、だからこそ問題なんだと言っているのにどこ吹く風で腰の動きを早めていく。くっそ、気持ちいい、むかつくけど気持ちいい……!!
 このまま達したい気持ちとシーツを洗う面倒臭さを天秤にかけて、俺は己のものの根本を手でギュッと握った。同時に尻が緊張したらしい、中のものの形がくっきりわかって、背後からはふっと笑う息遣いが聞こえた。
 かくしたことで俺の敏感なところは余計に強くえぐられるようになりすぐにでも達してしまいそうになるが、汚すまいと己のものを握って耐えているとだんだん身体が火照り始める。得体の知れぬ感覚にとうとう泣き言を漏らしてしまった。
「あ゛っ! だめ、だっ、なんかくるっ、っあ゛! やめ、こわいっ、やめ、あっ、あ、やっ、あっ! っあぁ!!」
「……ふぅん? 可愛い事を言ってくれる事もあるんだねぇ。」
 カカシはそう言いながら緩めるどころか腰の動きを早くする。俺はもう限界だった。
「っあああああ!!」
 ビクビク、と下腹部を中心に痙攣してぎゅううと力が入る。握りしめていたそこからは精は出なかった。しかし突かれるたびに痙攣し声を上げて目の前はチカチカしるし頭は真っ白で何が起きているのか見当もつかない。
「あー……良い締め付け、最高。」
 いつの間にかそれは終わっていて、我を取り戻すのにいくらか時間がかかっていたらしい。気がつけばカカシは寝間着を整えてさっさと寝ようとしていて、俺は寝間着を乱したまま蹲っていた。
 掛け布団が汚れている事を思い出して、押し入れから別の布団を出して整える。
 それを見届けて布団を捲り、枕をふたつ並べてカカシは隣に来いとばかりにこちらを見る。寝たところでまたまぐわうんじゃないだろうなと疑いながら、背を向けて寝ると尻を弄ばれることはわかっているから仰向けに布団に入るとカカシの手が伸びてきて肩を引き寄せて向かい合わせにさせられた。
 俺はこうしてカカシの顔を見ながら、そして俺の顔を見られながら眠るのは苦手だった。やることはやるくせにこうして向かい合わせるのは妙に気恥ずかしい。
 以前、よくもそんなに欲情できるなと嫌味を言った際に『お前だからだよ』と言われたのがどうにも引っかかる。俺だから欲情するのであれば単に性欲処理としか思えない行為も別の意味があるような気がしてしまう。……まあ、この男のことだからそんなに深い意味はなさそうだが。
 
 翌朝眠い目を擦りながらカカシの朝の身支度を終えて朝食をとり、俺は洗濯に走った。
 カカシはその間朝のお勤めだ。弟子に混ざって聞きたい気持ちはあれど、上稚児とはいえまだ稚児の身分だから自分の役割を果たさなければいけない。
 洗濯物を干して部屋を箒で掃き掃除しているとカカシが戻ってきた。
「今日は上に呼び出されているから身を清めにいくよ。」
 面倒臭そうにため息を吐くカカシを横目に行水の準備をして斜め後ろに立った。
 カカシが行くという事は俺も行くことになるだろうけど、『上』というのは耳で聞いたことがあるだけでどんな場所なのかは知らない。多分この寺よりも立派で大きいところなんだろう、程度だ。
 行水所まできて服を脱ぎ、桶に湯を汲んでいると肩に手を置かれ、振り向いたら接吻が待っていた。おい身を清める場所でまさかするつもりなのか。胸の突起を摘まれて思わずぴく、と肩が揺れた。
「煩悩を削ぎ落としておかないとね」
 ……物は言いようだな。
 口元に指がきてその指を舐めると次は頭を下に押されてもうしっかり勃っているそれが目の前に来る。それもまた唾液をたっぷり溜めてから舐めているとさっきの指が後ろの孔に入ってきていた。少し緊張していたそこも中を撫で回されて次第に力が抜けていく。
「相変わらず口淫は下手くそだなぁ」
 ならばやらせなければいいものを。大体こんなでかいもの俺の口に入り切らないとわかっているくせに。
 もういいと判断したのか指が抜かれて、俺は脇を支えられて座るカカシの股の上に膝立ちにさせられた。
「自分で挿れて」
 カカシの顔を目の前で見ながら自ら腰を落とすのは抵抗があったが言われたからにはやるしかない。ふう、と息を吐きながらそれを中に埋めていくとどうしようもなく中が疼いて、奥まで入ると俺は自ら腰を揺らした。
「……っあ、んっ、あ……、あっ」
 ……恥ずかしい、自ら動きながらその気持ちよさに喘ぐのを目の前でまじまじと見られることがこんなに恥ずかしいとは。俺は目をギュッと瞑ってせめてカカシの顔が目に入らないようにした。そうしながら気持ちいい腰の動かし方を探して、じくじくと疼く中を慰めようとする。
 カカシはそれを見るのに飽きたのか、もどかしくなったのか、俺の動きに合わせて下から突き始めた。
「あ゛っ! あ、っぅあ! あ゛っ!」
 突然始まったそれは奥まで届いて疼くところをガンガン刺激する。これが欲しかったとばかりに夢中でそれを貪っていると顎に手を添えられて上を向かされ、目を開いたら間近にカカシの目があって唇が合わさった。
 舌で口の中を蹂躙しながら手で胸の突起を弄られて下からは突かれてここがどこなのかも忘れてそのすべてに夢中になった。
 唇が離れて「出すよ」と言われたのもよく聞こえず、激しくなる突き上げが奥で止まったとき俺は身体をこわばらせて精を放っていた。奥の方でもじわっと温かいものが広がって、はぁっ、はぁっ、と息をしながら俺はカカシの首にしがみついていた。
 少しして、俺はそれに気がついて慌てて手を引っ込めようとするがカカシは逆に俺の背に腕を回して引き寄せる。状況がわからないまま、ただその背に回された俺を引き寄せる腕が心地良かった。
「……さて、煩悩も消えたことだし身を清めるか。」
 その言葉にここがどこで何をする場所なのか思い出し、立ちあがろうと腰を上げたらずちゅ、と中からそれが抜ける感覚に震えて、冷めてしまった桶の湯を捨ててもう一度湯を汲み手拭いを浸す。
 絞った手拭いをカカシに渡して、その腹が己の精で汚れていることに気がついて、軽く濡らした手拭いでそれを拭き取り洗ってから自分の分の手拭いを濡らして絞った。
 自分の身を清めながらカカシが行う様を見て、やっぱり何をしていてもこの男の所作、は美しいと感じる。
 例え煩悩にまみれていようがカカシは上位の僧侶であることに変わりはない。今煩悩を削ぎ落として身を清めている訳だから多分『上』までの道中は平穏であろうと思うと安心する反面少し残念に思う自分がいて、俺は煩悩を落としきれていない自分が恥ずかしくなった。
 
 法衣を纏って車に乗るカカシに続いて俺も車に乗り込む。道中は結構長いがその間何もされないと思うとその時間をどう有効利用するか悩む。本の一冊でも持ってくれば良かったなと思っていたら脇に手を差し込まれて持ち上げられカカシの膝の上に載せられた。その股間に硬いものを感じておいおいまさかとカカシを振り返る。
「何のために身を清めたと思っている」
「あんなものはね、単なるアリバイのひとつだよ。」
 ごり、と俺の股にそれを押し付けられて期待に興奮する頭とそんな自分を恥じ入る頭とで俺は俯いた。
 綺麗に整えた法衣をまたはだけて、自らの衣も臀部が露出するように捲り上げて、それが終わるとまた脇の下を持ち上げられてそれの上に孔をあてがわれ、さっきしたばかりのそこは重力に従ってずぶぶ、とそれを受け入れた。
 あとはいつも通りに車が揺れるたびに奥に入ったり、時折腰を突き上げられたりしてその度に食んでいる手拭いを強く噛んで声が出ないように耐え続ける。
 後ろから抱き寄せられてグッと中に入り込みその感覚に震えながらカカシはどんな顔でこんなことをしているのだろうかと興味が湧いた。涼しい顔をしているのか、それとも夜のように情欲に満ちた目をしているのか、はたまた楽しんでいるのか。
 生殺しの状態のまましばらくして、前に手をつくように言われてやっと終わると思うと共に激しく揺さぶられる期待にドキドキしながら、俺は前屈みに手をついてカカシに尻を向けた。すぐに腰を手で支えられて剛直に貫かれ出そうになる声を手拭いを噛み締めて耐える。何度か激しく突かれた後、グッと奥で温かいものが爆ぜた。
 ドク、ドク、と何度か鼓動を感じたかと思うとすぐに引き抜かれて俺は膝を折り、手拭いを口から落としてぜえぜえと息をする。そこに後ろからカカシの声が聞こえてきた。
「もう敷地に入ってるから早くした方がいいよ。」
 こいつもしかして敷地の中に入ってから出したのか。
 信じられないと思いながら慌てて股に手拭いを挟んで衣服を整え、口に咥えていたのをくちゃくちゃに丸めて荷物の奥に入れ風呂敷を結んだ。
 カカシの隣に座って息を整えているとガタンと車が止まる。少ししてその戸が開くと、立派な門構えの前だった。
「一応説明すると、うちの宗派の本山にあたるところ。俺と同じかそれより上の位の僧侶が多いから、まあサスケなら大丈夫だと思うけどそれなりに気をつけてね。」
 そんなところから呼び出されるなんて、ついさっきまであんな事をしていたくせにやっぱりそれなりの地位の僧侶なんだと改めて思う。
 カカシの真似をして一礼してから門をくぐると、しっかりと手入れされた庭園の先には大きな建物が見えた。
 しかしそちらではなく右手に向かい、大きな建物に連なる建物の玄関の戸を叩いてその戸が開かれるのを待ち、中に入った。
 カカシは我が家のようにその建物の廊下を進んでいき、いくつあるかわからない部屋のうちのひとつの前に正座し、襖に向け声を出す。
「はたけカカシが参りました。」
 すぐに部屋の中から落ち着いた声が返ってきた。
「入りなさい」
 カカシは襖を開けると、頭を下げる。俺も同時に頭を下げた。
「堅苦しいのはいい、早く入れ。」
 何だかカカシに少し似ている気がする。表を上げるとそこにいたのはカカシと同じ銀髪の、ただ少し歳を召した方だった。
 カカシは立ち上がり部屋の中に入っていく。その後ろについて入り、襖を閉めた。
 相対するふたりの斜め後ろで様子を見守る。
「手短に済ませよう。大名達からお前の説法を望む声が日に日に増している。」
「何度でも申し上げますが私は民衆以外に説法をするつもりはありません。」
「だがな、立場を考えてくれ。大名は寺にとって大きな資金源だ。その声を無視し続けるわけにもいかない。」
「では別の僧侶を向かわせればよいでしょう。」
「お前をわざわざ指名しておるのにそれは出来ん。」
「では民衆のふりをして紛れ込めとでも申し上げてください。私は大名相手に発する言葉は持ち合わせておりませんので。」
「そんな事が言えるわけないだろう……何故そうも頑なに民衆にこだわるのだ。」
「寺も、大名も、幕府も、支えているのは大勢の民草です。それを忘れがちなお偉い様なぞ興味はありません。」
「忘れていなければ検討の余地はあるのだな?」
「私に直々に恋文でも届けば読みはしましょう。返答をするかは約束できませんが。」
「全く……頑固だな、相変わらず。」
「其方も大変ですね、中間管理職というやつですか。」
 場の緊張感がなんとなく解けたような気がした。どうも既知の仲で、ふたりの関係は悪くはないらしい。というより、この銀髪にこの声、目元、もしかしたらこの人はカカシの血縁者……ではなかろうか。
「ま、ともかく民衆以外はお断りです。わざわざ呼び立てて用件はそれだけですか。」
「久々に顔を見たくなってね、お前も弟子を大勢抱えるようになったろう。そこの童も。苦労話のひとつやふたつあるんじゃないのか?」
「ああ……弟子ね。俺のいる寺の弟子は阿呆揃いで手を焼いていますよ。見込みがあるのはここにいる稚児のサスケくらいです。」
 俺の名前が出て、思わず背筋を正す。見込みがあると言われたのは嬉しいけど、この場ではなるべく名前は出して欲しくなかった。
 その僧侶は顎に手を添えて俺の方へ目を向ける。俺は手を揃えて頭を下げた。
「ふむ、カカシが見込みがあると言うのは珍しいな。サスケとやら、早く僧侶になりたいか?」
「……そのように日々励んでいるところにございます。」
「であれば、カカシではなく俺の傍につかないか。1年後には僧侶になれる事を約束しよう。」
 カカシではなく?
 思いもよらない提案に気持ちが揺れる。確かに、今の寺はレベルが低いというと何だが、尊敬できる人は少ないし、僧侶の身分のくせにそんなことも知らないのか、という質の悪い奴らばかりだ。唯一カカシは僧侶としては尊敬できるが、僧侶の衣を脱いだ途端に煩悩まみれの男と化す。
 この人であれば、この環境であれば確かに僧侶への道は近くなりそうだった。
 しかし、それはカカシと離れて、見知らぬ場所、見知らぬ人々の中に放り込まれることとなる。
「……大変光栄で有難いお話にも関わらず恐縮ではございますが、少々考える時間を頂きたく存じます……。」
 カカシは少し苛立ちながら語気を強めた。
「うちの子勝手に勧誘しないでくれる? 結構大事に育ててるんだけど。父さんがそう言うなら俺もサスケを1年後に僧侶にしてみせる。サスケ、検討してやる余地もないよ。断りなさい。」
 父さん? つまりこのふたり、親子……? どうりで似ているわけだ。
 しかし俺はどう答えればいいのだろうか。親子間の会話とはいえ相手はカカシよりも位が高い。その人からの申し出を断るのはすごく失礼だ。しかしカカシは断れと……。
「ははは、お前がそこまで執着するのも珍しいな。サスケとやら、面を上げなさい。今のは戯れだ。今後もカカシについて励むと良い。」
 その言葉にほっとして、恐る恐る顔を上げた。
 カカシよりも優しい笑顔のその人は、黒の法衣……つまり大僧正に次ぐ位の法衣を纏いながらも、人の良さそうな朗らかな顔で俺を見ている。
「それにしても、あのカカシが稚児をつけたか。どうだ、カカシはいい師匠か?」
「はい、お傍につかせて頂いているだけでも勉強になります。その上で、様々な事を更にご教示頂いております。」
「……良い事だ、カカシにとっても良い経験となろう。1年後を楽しみにしているぞ。なあカカシ。」
「それはもう立派な僧侶にして見せますよ。で、話はそれだけですか?」
「……焦るな、折角久々に顔を合わせたのだから、父と子として語りたい。今日は泊まって行かんか。」
「大変残念ですが、明日も朝から用事がありますので。」
 その人は笑いながら、頭を掻いた。
「振られてしまったか、俺もまだまだ徳が足りんようだ。……ではもう良い、帰りなさい。」
 その言葉を待っていたかのように「では、」とカカシは立ち上がり、襖を開ける。俺も立ち上がってその後に続いた。
 部屋から出たカカシが襖を閉めようとして、ふと手が止まる。
「父さん、飲み過ぎじゃないの。肝臓が悪そうな顔色だ、節制してよ。」
「お前こそ、遊びは程々にな。大事な稚児をあまり困らせるな。」
 遊び? 何のことだろう、と考えて、まさかまぐわいの事ではと思い至り顔が熱くなる。
「ほれ、困っているじゃないか。」
「それは遺伝だから仕方ない。ではお元気で。」
 今度こそ襖を閉めて、また廊下を歩きだした。
 俺は顔が熱いままその後をついていき、門を出て車に乗り込んだところでようやくほっと息をつく。
 車の戸が閉まると、早速カカシに引き寄せられて唇が合わさった。
「……遊びは程々にって言われたじゃねえか。」
「俺のこれは遊びじゃないから関係ないよ。」
 それってどういう意味、と聞く前に口内に舌が差し込まれる。遊びじゃないなら、なんなんだ。
 帰りの車でもやっぱりそれが始まって、『お前だからだよ』『遊びじゃないから』という言葉の意味を考えながら、手拭いを食んで声を殺した。