恋人未満

34 View

2025年3月7日成人向,中編,現代パロ,連載中,カカサス小説エロ,やおい,自慰

変態

「ちゃーんともっと気持ちよくしてあげるからね。」
 嬉しそうに俺の足を持ち上げるカカシの言葉をぐったりして聞きながら、さんざん指をガシガシ入れられたんだからちんこが入ろうとそう変わらないだろうとたかを括っていた。いざそれがお尻に当たった時思っていたよりも遥かにデカくてちょっと待てと言おうとした瞬間グチュ、と中に入って来る。奥まで挿れずに浅いところで抽送が始まって、その浅いところというのがちょうどさっきまでさんざん指で突かれていた場所を亀頭が刺激する位置で、ただ抜き差しされるだけでもその圧迫感でそこが刺激されるのに、更にそこをえぐるような動きで大きさ圧迫感擦れ方全てが指とは全然違う表現し難い気持ちよさに、俺は思わず腰を浮かせてその快感に震えた。
「あ゛っ! やっ、おおき、いっ! っあ! あ、あっ!!」
 ぐっ、ぐっと中に入れられるたびに少しずつ奥に入っていく。だめだ、だめだこれ以上奥に挿れられたら……っ、怖くなって腰が引ける、本能的に察知した。このままハメられたら、俺は支配されてしまうと。
 その引けた腰をカカシが掴んで引き寄せまたググッと奥に入る。
「やめ、やっ、あっ! あっ、あっく! やめっ!!」
「怖がらなくてだいじょーぶ、俺上手いから。緊張しないで。」
 ずぷ、じゅぷ、と少しずつ奥に入っていくそれが、ついに一番奥の突き当たりまで到達した。その奥をつつくようにぐっぐっと押されてさっきまでとはまた違うじんじんとした気持ちよさを感じて背をそらせた。
「あっ! だめっ、おくっ! だめって、ぅあっ!」
 ノックするようにつついたかと思えば、ぐいっと奥に押し付けて、だんだん中がそれを受け入れていく。それと同時に、俺の思考も快感に浸食されていって、しまいにはその気持ちよさに喘ぐばかりになっていった。
「ね、ほら、気持ちいいでしょ」
「あ゛っ! あっ、あ、あっ! きもちい、っ! あ゛っ!」
「そうそう、素直な子は好きだよ?」
 唇に何か触れた、と思ったらぬるりと舌pが入ってきて、俺の舌に絡めながら、中の動きが激しくなった。
「っん! ふぁ、あ゛っ! あっ、んっ!! んっ!」
 そこをえぐりながら奥を突く激しい動きに、気持ちよさに、頭が真っ白になりそうになる。何か変な感覚が込み上げてきて、キスをするカカシの肩を押そうとしても、むしろしがみつくように手に力が入る。
「ん゛っ! あ、あっ! んん゛っ! やっ! んっ! だっ、だめっ! あ゛っ!! なん゛っ! か、くるっ、だめっ! あっ、んぁっ!!」
 唇が離れてまた腰を掴まれて一層その動きが激しくなってもうカカシ以外何も考えられなかった。変な感覚は波のように押し寄せては引いて頭がおかしくなりそうになる。その波が大きさが奥にぐっと突かれたときと同じタイミングだと気がついて、逃げるように腰を引こうとしてはカカシに引き寄せられて余計に奥まで深く入るのを繰り返しているうちに、変な感覚がどんどん大きくなって身体中が風呂上がりにのぼせたような感じになって、奥にグッと押し込まれた瞬間、俺はあまりの快感に意識が持って行かれ身体をガクガク震えさせながら声にならない声を上げていた。それで終わりじゃなく突かれるたびにそれは止まらなくて、自分をコントロールできない怖さ、それに勝る激しい快感、射精とはまた違う「イク」感覚が止まらず翻弄され続けて、カカシが腰の動きを止めてもなおしばらくの間俺は一切の考えを捨ててその非現実的な気持ちよさに心を奪われていた。
 カカシが何か言ってる、けど耳に入ってこない。もう動いてない……てことは、終わった……のか。なのに中にそれが入っているその感覚だけで、堪らない気持ちになる。カカシが腰を引いたとき、思わずカカシの腰に足を絡めて離すまいとした。
「………………でしょ?」
 またカカシが何か言ってる……。
 呆然とした頭の中まで言葉が入ってこない。もっと、まだ、この感覚に浸っていたい……。
「……りはまっちゃって」
 うるさいな……俺は今頭がいっぱいなんだよ……。
「俺とセックスしてよかったでしょ? だよね?」
 セックス……そうだ、俺カカシとセックスを…………セックスを……? え、セックス……!?
 急に頭がすうっと現実に戻ってくる。俺の尻にはカカシのそれがずっぷり入っていて、俺はカカシの背後で足を組んでいて、さっきまでのあれはカカシと、セックス、をしたから? 男同士だぞ!? 嘘だ、そんな。
 足の力を抜いてよくよく身体の感覚を確かめると、激しい運動をした後みたいに気怠くて動くのが億劫で、それでも俺はカカシの肩を手で押して「ぬ……けっ!」と尻の中のそれを出させようとした。
 暗くて表情がよく見えないカカシがクスッと笑ったのがわかった、と思ったらまた奥にぐっと押し込まれて俺は「あ゛っ!」と声を上げる。中がきゅううっとカカシのそれを締め付けているのがわかる。その快感の余韻を振り払ってなんとか声を絞り出した。
「やめ、ろ……!」
「いいじゃない、もっと感じていいんだよ? ほらっ」
「ぅあっ!」
「ね、気持ちいい。言ったでしょ、ちゃーんと気持ちよくさせるって。」
「無理矢理やっておいて……っ!」
「あれ、ちゃんと合意形成したよね?」
「あんたが指止めないから……!」
「合意は合意だよ、まあ、今日はこのへんにしようか。」
 ずるる、と抜けていく感覚に、また声が出る。
「っあぁぁ!」
「無理矢理とか、やめろとか、言うけどさーよーく思い出してみてよ。」
 ウェットティッシュを渡されて、俺は自分の腹に散々出した精液を拭き取りながら、ついさっきまでの痴態に顔が熱くなっていく。
「すっごく気持ちよかったでしょ? ナカイキ止まらなかったもんね。そんな子なかなかいないよ。サスケはもっと俺とたくさんセックスして気持ちよくなるべきじゃない?」
「っ二度とあんたの家なんか来ねえしセックスもしない!!」
「なんで? 気持ちいいことが嫌いなわけないでしょ」
「変態と一緒にするな……っ!」
「はは、じゃあサスケはその変態に同意セックスで腰がガクつくまでハメられてイカされまくった……そういう子のこと、なんて呼ぶと思う?」
「そんなの被害者……」
「い・ん・ら・ん」
 いんらん……
 淫乱……!?
「ふざけんな……!」
「ふざけてないよ真面目な話さ、俺はじめてハメられてるのにここまでイキまくる子見たことないし。もうここまでこうだと遺伝子レベルでネコと言っても過言じゃないね。それを持て余すなんて勿体無いよ?」
 カカシがようやく俺の下半身からどいて、ベッドの下に降りたと思ったら、また俺の尻に指を入れてあそこをくにくにと押す。
「っあ、それやめっ、っ! っあ!」
「ほらすぐ喘ぐじゃん? 気持ちいいからでしょ?」
 指を抜いて、ヒヤリとしたウェットティッシュで尻を拭かれる。中がまだじんじんとしている、まるでまたあの刺激を求めているように。
 そんなの認めたくない、認めてたまるか、俺はホモじゃない、変態でも淫乱でもない!
 手探りで電灯のリモコンを探して、スイッチを押した。パッと室内が明るくなって、眩しさに目を細めると、ニヤニヤ笑っているカカシの顔が一番に見えて、むかついた俺はベッドを降りて自分の服に着替えて鞄を掴んだ。その手にカカシの手が重ねられる。
「……また気持ちよくなりたかったらいつでもおいで、期待に応えてあげるから。」
 少し低いトーンで囁くように言われてなぜか胸がドキッとした。……ドキドキしてんじゃねえよ俺の胸、馬鹿か! もう二度とこんな、こんなこと、してたまるか、絶対にこんなところもう来ない。
「二度と来ないし、もう二度と俺のシフト上がりの時間に待ち伏せするな。」
 二度と顔も見たくない、と言いたかったけどせっかく始めたバイトをこんな奴のせいで辞めるのも癪だ。重ねられた手を振り払って、早足で玄関の靴を履いて、鍵を開けて部屋を出た。

 いろんな感情が頭の中にぐちゃぐちゃしていて、俺は冷静に事実だけを脳に叩き込む。
 カカシは、俺を家に連れ込んで、俺を襲った。強引にハメられた俺は、被害者。
 ……でも、指もセックスも、今までの常識が覆るほど気持ちよかった。
 ……いやいや、そんなのは関係ない、無理矢理されたんだ、俺はそんなの望んでなかった、重要なのはそこだ。俺の意思に反してあいつは……俺の意思……いや、そこは間違えちゃいけない、俺の意思に反して、だ。自ら望んでなんかじゃない。
 とっくに日付をまたいでいた。自分のアパートに辿り着いて、我が家に帰ってきてその場にしゃがみ込んだ。
 尻の中がまだ疼いてるのがわかる。カカシのせいで、こんなことに。
 そのまま玄関でぐったりと眠りたいところ、なんとかベッドまで辿り着いてごろ、と横になる。
 疲れた……何時間? いいようにされて、声も出しっぱなしだったせいか少し掠れていた。身体全体が重たい。布団……かぶらないと……。そう思いながら重い身体を動かす気力もなく、ぷつんと意識が途絶えた。
 
 目覚ましの音……うるさい……。もっと寝たいのに……。今日は……3限からか……。
 手を伸ばして目覚まし時計のスイッチを押して、またすうっと眠りに落ちた。次に気がついたのは、3限がとっくに終わっている時間。……やってしまった、と思うとともに、1コマくらいまあ、いいかと重い身体を起こす。
 シャワー……浴びないと。
 昨日の服のまま寝ていたことに気がついて、連鎖的に昨晩のことが脳裏に蘇る。蘇ったそのとき、尻の穴がきゅうっと閉まったのを感じた。
 ……悪い夢だ、悪い夢、そうだ、悪い夢だったんだ、悪い夢を見たんだ。そう言い聞かせながらシャワーを浴びていると胸に赤い痕があることに気がついた。なんだこれ、虫刺され? でも痒いわけではない。なんだろう、まあいいや。4限も間に合わないし、今日はゆっくりしてバイト行こう――。
 そう思っていた、そう思っていたはずだった、昨日のことは悪い夢だと言い聞かせていたのに、気がついたとき、俺は歯ブラシを逆に持って、これであそこを刺激してみたら気持ちいいのだろうか、と考えていた。興味、好奇心、昨日の気持ちよさの再現ができないか、恐る恐る尻の穴に歯ブラシの端をぐっと押し込んでみたけど昨日のように入らない。あれ、なんで、いやいやいや、尻は本来こういうもんだろ、出すための穴であって入れるための穴じゃないんだから当たり前じゃないか。……そうか、ローション……がないと入らない、のか、……シャンプーとかで代用出来ないだろうか。尻の穴と歯ブラシにシャンプーをつけてそっと穴に押しつけるとぬる、と中に入っていく。昨日のあそこ……少しずつ中に入れてそこを押してみる。けれど歯ブラシだから硬いせいだろうか、何かが違うのだろうか、確かに他の腸壁とは少し違う感覚はあるものの、あの気持ちよさには遠く及ばない。歯ブラシを抜いて、自分の中指にシャンプーをつけて、穴に押しつける。なぜだかさっきよりもドキドキする。もう少し、中の方、このあたり、だったよな……。恐る恐る、くにくにと指の腹で優しく押してみる。歯ブラシよりは、少しだけ昨日の感じに近くなった。けれど気持ちいいかと言われると、何かが違う。一体何が違うんだろう。指を抜いて、お尻をよく洗ったらブクブク泡立って変に笑えた。
 ……笑ってる場合かよ何やってんだよ俺は。
 歯ブラシと、シャンプーと、自分の指を見る。俺何しようとしてた。何しようとしてた。何をしようとしていた。
 はあぁ、とため息が出る。
 よりにもよって昨日と同じ感覚を求めるなんて男として終わってる。そんなんだから変態に襲われるんだ、シャキッとしろ。
 シャワーを上がって髪を拭きながら俺はまた脳に刻み込むように言い聞かせる。昨日のことは夢だった、案なのは現実じゃない。
 
 しかしバイトに行けば嫌でもカカシと顔を合わせることになる。いつもの時間にいつもと変わらない調子で肩をつついて「レジ、いい?」と笑う顔は普段となにひとつ変わらない、本当に昨日のことは夢だったんだと片付けたくなるくらい普通の、本当に普通の背が高くてちょっといい人、のカカシなのだ。
 いつものように弁当のバーコードをスキャンして袋に詰めていつものように差し出す。カカシはいつものように「ありがとね」と微笑んでレジ袋を持って立ち去ろうとする、足を止めて、何かを思い出したかのように鞄の中から紙袋を出して俺の方へ手を伸ばした。
 思わず受け取ったら、「必要でしょ?」といつもの笑顔のまま今度こそ立ち去っていく。
 自動ドアが閉まってから、誰もいない店内で袋の中身を確かめたら、丸くて細長い容器? 少しだけ出してみると、それはローションだった。
 紙袋ごとぐしゃっと握りつぶす。
 夢だと思いたかった、でも夢じゃなかった。
 カカシは、変態だ。

34 View

2025年3月7日成人向,中編,現代パロ,連載中,カカサス小説エロ,やおい,自慰