出会いのお話

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成人向,中編,原作軸,完結済み,カカサス小説エロ描写有,オリジナル設定有,ほのぼの

指導

 説明だけでやりきった気分になっていたカカシだが、むしろ本番はここからだった。
「それで、どうやって抜くんだ?」
 心底真剣な眼差しでカカシを見上げるサスケ。心の中でうろたえながら、カカシも努めてまじめに続ける。
「まずはパンツを脱ぎます。」
「脱ぐのか」
「ちんちん出すだけでもいいけど、最初は汚れるかもしれないからね」
 サスケが決心をしたように、ズボンを脱ぎ始める。
 何か見ちゃいけないものを見るようで、カカシは今にも心臓が破裂しそうだった。
「脱いだぞ」
 果たして下半身が裸になったサスケが、次はどうしたらいいんだと目線で言ってくる。
「この紙袋の中にスケベな雑誌がたくさんあるから、好きなのを選びなさい。」
 好きなもの、と言っても……。
 ゴクリと喉がなる。が、もはやどちらの喉がなったのかわからない。
 成人向けの雑誌を先生たる自分が十二歳の教え子に見せてしまっていいのかという背徳感と、どんな娘がサスケの趣味なのかというちょっとした興味とで、相変わらずカカシの心臓は馬鹿みたいに高鳴っている。
「こういうのは……よくわかんねえから、カカシが出したやつでいい。」
 サスケはふくよかな胸があらわになったお姉さんが表紙の雑誌を手に取ると、中身をパラパラとめくり始めた。
 果たして、だんだんとサスケの顔が紅潮してくる。
「なあカカシ……」
「な、なんだねサスケ君」
「スケベな雑誌を見ると勃起する……んだよな?」
「そうだね、健全な男の子なら。」
 見ちゃいけないような気がして気をそらしていたが、サスケの困った雰囲気を察してチラリと股間を見ると、彼のおちんちんには何事も起きていなかった。
 皮を被った、少しだけ亀頭がのぞいている、年頃のおちんちんだ。
「勃起しないんだが。」
「べ、別の雑誌にしてみよう」
 ここまで順調だったのに……!
 しかしどの雑誌を手に取っても、サスケのおちんちんに変化はない。
 どうする、どうする、どうする俺。
 多分原因は緊張だ。シビアにコトを運びすぎて、サスケがやらしい気分になっていないんだ。
「なあカカシ」
「うん? 何?」
「見本を見せてくれないか……?」
 あっそうきた――!?
 心の動揺を隠し切るのはもはや難しかった。
 教え子に自分の自慰を見せる時が来ようとは、受け持った時点で誰が想像できただろうか。
 だがカカシとてこのシビアな雰囲気の中で勃起させる自信はなかった。ダメでした、じゃ済まされない。先生として、大人の男として。
「ちょっと待て、その前にもう少し試そう。」
 カカシは紙袋の中からローションを取り出す。
「これを使って扱く。多分その刺激で勃起する。」
「しごく?」
 もう説明だけでは限界だった。
「俺が最初はやったげるから、要領つかんだら自分でしてみて。」
 カカシは手袋を外し、とろりとしたローションを手のひらに落とした。
 
 ぬちゃぬちゃと音が響く。
 ローションのついた手でサスケのおちんちんをまさぐると、すぐにピクンと反応があった。
「こうやって、上下に動かす」
 徐々にサスケの顔が紅潮し始める。
「カカシっ、なんかこれ、変な感じ……」
「その調子で大丈夫。」
 皮をむくと亀頭が露出する。裏スジ、カリ首に刺激を与えると、サスケはピクッと体を震わせた。
「自分でやってごらん」
 サスケの手にもローションをたらし、手を下腹部に誘導する。カカシがしたのと同じように手を上下させると、徐々にサスケの息が荒っぽくなってきた。
「カカシ……カカシ、合ってるのか、これ。なんか、なんか変な感じが……っ」
「気持ちよくなってきた? そこまま扱き続けて……」
「……っ、んっ、ぁ……」
 感度が上がってきた。いい感じだ。ローションを持ってきてよかった。
 ドキドキ高鳴る心臓はそのままに、サスケの顔が蕩けていくのを見ていると、カカシも反応してしまう。
「カカシっなんか来る、くる、……ぁっ!」
 パタタ、と畳の上にサスケのものが弾けた。
 サスケは射精の余韻に浸っていた。
 紅潮した頬、うるんだ眼差し、少し開いた口からもれる、荒い息。
「サスケ――」
 カカシはサスケに近づくと、口布をずらし、サスケの口を自らのそれで覆った。
「んっ……んん……」
 舌を絡め、口腔をなぞり、唾液をむさぼる。
(甘い……)
 サスケはさした抵抗もしないまま、カカシのキスを受け入れた。
「んんっ……ハァッ……ぁっ……」
 自然に、カカシの手が果てたばかりのサスケのものに触れる。若いそれはまたむくむくと血流を集め、勃起し始めた。
「……ぁっ……ん……」
 サスケ自身がしごいた時よりも、慣れた手つきで行われるそれは、サスケに強い刺激を与える。
「ふ……ぅ……あっ」
 その間もキスは絶え間なく、サスケの息を支配していく。
「カ、カシ……んっ……ぁっ……あっ……!!」
 サスケがびくんと身体をのけぞらせると、勢いよく二回目の白濁液がほとばしった。
「ぁ……はぁっ、はぁっ」
 二人の荒い息がアパートに響く……。
 
(う……)
(ワアアアアア何してんの俺、俺! 俺!! 
 ほぼ無意識だった、サスケの艶っぽい吐息を、うるんだ目を、紅潮した頬を目の当たりにして、カカシはごく自然にサスケの唇を封じて、舌を差し込んだ。
(え? 俺ってそんな節操ないオトコだっけ? 教え子だよ? でもって男で、子どもだよ!? 
 先ほどとは異なる心臓の高鳴りに顔面蒼白だ。
 サスケはしばし呆然として、畳についた自分の精液を確認すると、ティッシュで拭き取った。
(ちんこしごいたのは説明つくとして、キスはどう説明すればいいんだ俺! 俺!! 
「カカシ」
「ハイ……!」
 思わず正座をして、サスケの言葉を待つ。
「二回めの……で。」
「ハイ……」
「やらしい気分ってのが、わかった気がする」
「えっ」
 いつ豪火球が飛んでくるかとヒヤヒヤしていたカカシは、サスケから飛んでくる変化球に言葉が出なかった。
「シャワー浴びてくる。」
 カカシと目線を合わせないまま、サスケは風呂場へ消えていった。
 
 ぬるめのシャワーを出してローションを落とそうとすると、乾きかけたローションが再びぬめりを取り戻していった。こすって落とそうとするが、それはまるでさきほどの行為をなぞっているようで、サスケのそれが再度硬さを取り戻していく。
(バレない……か? 
 そのまま上下に手を動かし、静かに三度目の絶頂を迎えた。
「………っ」
 カカシのキスの余韻が口腔内に残っている。
(もう一度……あの感じが欲しい……)
 無意識に唇に触れた自分に気づき、頭をブンブン振る。
(カカシは教えてくれただけだ。何期待してるんだ。)
 顔にシャワーをかけて、頬をパチンと叩く。
(これで明日は、ムセイしないはずだ。)
 キュッと蛇口をひねると、サスケは風呂場から出た。