蛇足の蛇足集
1,120 View
目次
サンドバッグ
「おいカカシなんかムカつくから殴らせろ」
帰るなり不機嫌そうなサスケがそう言うものだから俺は両手を広げてにこと笑った。
「どこでも好きなところにどうぞ」
サスケは体を捻って思いっきり腹のど真ん中に左ストレートを入れる。うん、なかなかの威力だ。内臓に来る。
「サスケ」
俺はサスケの腕を持って身体の向きを変えて殴る前の体制に戻す。
「ちょっと振りかぶりすぎだ、もう少し、そうこのあたりで良い。体幹のバランスはすごく良かったよ、あとは殴る時にもう少しこう拳をひねると」
「ちょっと待てあんた俺をバカにしてんのか俺はムカついてると言ったよな。」
「だからもっとこう身体を使うとより効率的に俺を痛めつけることができるよっていう」
「余計にムカついてきたからもう一発殴らせろ」
「よしこいサスケ」
今度は肘を引いて渾身のアッパー、ゴキと鈍い音がして俺の顔が完全に上を向く。
「……フン、このくらいにしてや」
「アッパーは標的を的確に捉えるのが大切だ、今のもいい当たりだったが狙うのは顎のここ、確実にここに当てるためには振りをもう少し小さく……」
「あんた俺のサンドバッグになるって言ったよな!?」
「うんサンドバッグ俺」
「サンドバッグは殴り方の指導なんかしねえよそんなもん求めてねえ!!」
「ごめんつい職業柄……」
「あんた殴っても何にも面白くねえっ!もうサンドバッグはやめだ!」
「そっか、でもそしたらムカついた時どうするの?」
「別の方法で発散する。」
その後サスケがカカシを襲う頻度が増えたとか増えてないとか。