価値

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2025年1月14日成人向,中編,原作軸,完結済み,カカサス小説エロ,シリアス,モブサス

未知の知

 キツネに手を引かれ歩いていくと、「屋敷」と表現してもいい洋風の大きな家に辿り着いた。カランと鈴を鳴らすと扉が開いて使用人が頭を下げる。
「こっちだよ、おいで。」
 キツネはサスケの手を引きながら二階への階段を上り、廊下の突き当たりにある部屋の扉を開いてサスケに中に入るよう促した。
 寝室……のようだった。広くてトイレやシャワー室もあるが、ベッドが置いてあるということは、寝室なんだろう。
 キツネがベッドに向かって行き腰を下ろしたのを見て、サスケもベッドサイドに向かう。
「来てくれてありがとう。成長したね。少し筋肉がついたようだ。君の身体をもっと見せてくれないかな。」
 あの場所でしていたのと同じように服をすべて脱ぎさろうとすると、その手を止められる。
「足と手につけてるそれを外してくれるだけでいいよ。」
 サスケはアームウォーマーと足のバンテージを外して、床に置いた。
 キツネはうっとりしたような顔で両手をサスケに向けて伸ばす。抱きしめるときの合図。サスケがその腕の中に入りキツネの体を抱きしめると、キツネもまたサスケを抱きしめた。抱きしめながら、キツネはサスケの身体を確かめるように手を滑らせた後、お尻を支えて立ち上がり、ベッドの上にサスケを移動させた。
 なんで、いつもと、違う
 戸惑うサスケの頬をすっと撫でてから、シャツを捲り上げて鎖骨、脇、胸と舌で舐め始める。その舌が乳首を舐め始めて、サスケはなんだかよく分からない小さな刺激を感じた。
 乳首、なんか変な、気のせい? いや、やっぱり何かが
 キツネはサスケの顔を見上げて、胸から口を離した。
「やっぱり未開発だね。はじめての子を開発するの、好きなんだよねぇ……。」
 開発、って何のことだ。何言ってるんだろうこいつ。
 嬉しそうに笑ってまた乳首を舐め始める。ねっとりと舐めたり、舌で押しつぶすようにしたり、チロチロと先端を舐めたり。その都度、あの何かわからない刺激を感じる。
 たっぷり時間をかけて舐めた後、キツネは乳首を指でクリクリとなぞってから、ピンと弾いた。
「っ……、?」
 身体がピク、と反応していた。なんだ今の感覚。
 満足気に目を細めたキツネはサスケのズボンと下着を片方だけ脱がせる。そして自身は膝立ちになってサスケに指でちょいちょい、と起き上がるように指示を出した。
「僕のを脱がせずに出せるかな? 出せたら次にすることはわかるね?」
 サスケは頷いてキツネの股間に手を伸ばす。
 ファスナーを下ろして、パンツの隙間からしっかり勃ち上がったそれを出すと、口を大きく開けてしゃぶり始めた。口をすぼめて頭を上下に動かしたり、裏筋を唾液がたっぷりついた舌で舐め上げたりしていると、しょっぱいものが先端から溢れてくる。その先端の穴を舌で刺激して、手も使いながら上下の刺激を続けていると、肩に手を置かれる。
「ありがとう、上手になったね。イキそうになっちゃった。次は僕の番……仰向けに寝てごらん。」
 サスケはそのまま後ろに身体を倒すと、キツネは半分脱げて露出しているサスケのそれをれろっと舐めてから口に含んだ。自分がされるのははじめてだった。自分で触ったこともなかった。未知の感覚にどうしたらいいかわからない。胸がドキドキして思わずはぁっと息がこぼれる。
「……っ、……ぁ、……それっ、なんか、……っ、」
 今まで自分がしてきたとき、相手はこんな感覚だったのだろうか? ムズムズというか、どう表現したらいいのかわからない感覚。それがどんどん高まっていき、ビク、と腰に力が入る。
「っは、……え? ……はぁっ、いま、なに……」
「精通はまだなんだね、これからが楽しみだ……何が起きたかって? ふふ、君は今、気持ちよくてイっちゃったんだよ。」
 気持ちいい……さっきの感覚は、気持ちよかった、という事なのか?
「後ろもいってみようか、足を上げて手で抱えてごらん。」
 キツネに言われた通りに足を手で抱えると、お尻が丸出しになる。キツネは何かしているようだがよく見えなくなってしまった。
「少しずついこうね」
 後ろの穴にぬるりとした温かいものが触れたと思ったら、それが穴の中にゆっくりと入ってくる。キツネの指だろう。
 それ自体は、何度も経験してきた。けれどその指がある一点をぐに、と押すと、また経験したことのない感覚が、背筋を走り抜ける。
「ここ、気持ちいいでしょ? どう?」
 ぐに、ぐに、とマッサージするように刺激されるたびにたまらない何かが込み上げる。
「っあ、……っ、あっ、なにっ、っあ、」
「これが気持ちいい、っていう感覚。覚えてね。」
 気持ち、いい、気持ちいい、今までこんな事なかったのになんで今日は。
 にゅる、と指が抜けて2本に増えてまた入ってくる。今度はマッサージではなく、そこをぐりっとなぞりながら奥までの抜き差し。でも指が増えた分、気持ちよさもまた変わっていた。ぬちゅ、ぬちゅ、と湿った音を立てながら出入りする指。布団のシーツを握りしめる。なぞられるたびに情けない声が出てしまう。指2本でこんなに気持ちいいなら、さっきしゃぶったあれを入れたとき一体どうなってしまうんだろう。
 声が出てしまうのを我慢していたけれど3本に増えたらもうだめだった。何が起きているのかわからないくらいに気持ちよくてそこをなぞられるたびに高い声が出る。キツネの顔を見る余裕もなかった。そんな俺を見てキツネがささやく。
「気持ちいい? ……もっと気持ちよくなろうね。」
 もっと? これ以上?
 指が抜けて息を整えようとしたらキツネはそこに熱いものをあてがっていて、あ、と思った瞬間ゆっくりと中にそれが入ってきた。
「っあ、だ、だめ、っあ、あ、あっ」
 ぐりっとそこをなぞりながら奥までおさまって、俺は短く息をしながら、あの苦しい圧迫感を今までよりも感じていないことに気がついた。ただそこにあるのは気持ちいい感覚だけ。キツネは奥に入れたままグッ、グッ、と小さく動いて奥を刺激する。その刺激があそこをなぞられたときとはまた違う痺れるような気持ちよさを生んでいた。
「待っ、こんっ、あ、知らない、あっ、っ! や、めっ……!」
「知らない……うん、そうだろうね。はじめて感じる気持ちよさが怖くなったかな? 感じてくれて嬉しいなぁ……もっと、気持ちよくなろうね。」
 奥をぐりぐりと刺激していたそれはずるるっと抜けてずちゅん! と一気に奥まで入ってくる。もちろんあそこをなぞりながら。ゆっくりだった動きはパン、パン、と肌がぶつかる音がするほど激しくなって俺はわけがわからず高い声で喘いでいた。抽送のたびに感度が高まっていく性感帯。気持ちいい、もっと、そんなことすら考えて、キツネの腰の動きにすっかり翻弄されていた。
「ああ……いい声、もっと聞かせて、ね」
 パンッパンッパンッパンッ
 早くなった動きにもう何も考えられず俺は身体が感じるままに喘ぐだけだった。気持ちよくてどうにかなりそうで、その気持ちよさをもっと貪ろうと無意識に自ら腰を振っていた。
 キツネが何かを囁いた、聞いている余裕もなかった。ひときわ奥にぐっと押し込んで動きが止まり、ビクビクと震えるような感覚とともに奥にじわっと何かが広がる。キツネはまたぐ、ぐ、と奥を刺激してビクビクと震えながら喘ぐ俺をしばらく見てから、それをずるるっと抜いた。
「ぅあっ!」
 はーっ、はーっ、と荒く息をする俺、キツネもまた荒い息で俺の隣に横向きで寝そべる。
「ありがとう、楽しかったよ……君はどうかな?」
「わか、らな、……」
「覚えているだろうか……お互いに満足出来るようにする、と言ったのを。試してみて、君は満足できたかな?」
 満足……心地よい疲労感と、充足感を、確かに感じる。何よりも、経験したことのない気持ちよさで、これは本来こういう行為だったのかと、衝撃で頭を殴られたようにチカチカする。
「どうかな、これからも時々……今日のような時間を一緒に過ごしてくれないだろうか。もちろんおこづかいも渡すよ。」
 俺は、頷いていた。
 こんなにも魅力的な待遇を断る理由がなかった。
 時間した手を両手で包み込まれる。
「契約、成立だね。」
 キツネの顔に目を向ける。
 満足気に笑みを湛えて、細い目で俺を見ていた。
 
 落ち着いて、シャワーを浴びてから向かい合わせにテーブルにつく。2枚の紙。契約書と書かれている。
 契約の始期は今日から。次の条件を満たした場合に契約は終了する。
 1.下記の全てを満たしたとき
 ・声変わりが完全に終わったとき
 ・二次性徴が完全に終わったとき
 ・身長が165センチを超えたとき
 2.両者もしくは甲乙いずれかが契約の終了を宣言したとき
 つまり、俺はいつでもこの契約を破棄出来るし、成長期が終わっても契約は終わる。この男は小児性愛者なんだろう。それでも構わない、その間に稼げるだけ稼いで今後の生活の足しにできる。1回につき30万円。
 会うときの合図は誰かから「今日、遊ぼうよ」と声をかけられたとき。都合が悪ければ「また今度ね」と返し、会えるときは「またあとでね」と返す。誰から声がかけられるかはわからない。キツネも慎重なんだろう。俺だって誰にも悟られたくはない、その条件で血判を押した。
 
 カカシに同居の話の断りを入れて、家に帰る。これからは現金手渡しではリスクがある、と言われ、銀行口座に振り込まれることになった。大金を持ち歩いているのを見つかるわけにはいかないから快諾した。
 キツネはあの行為のことをセックスと呼んだ。セックス、といえば男女が子供を作るときにするあれのことか、とアカデミーで習ったことを思い出す。子どもを作る以外にも、ただ愛し合うとき、己の欲求を発散させるとき、そして快楽を求めるときにするものだよ、と落ち着いた口調でキツネは言った。
 快楽を求める、俺がセックスに応じた動機はこれで、キツネが俺にセックスを求めるのは己の欲求を発散させるとき、らしい。
 あんた一体何人の子どもをこうしてきたんだ。
 そう尋ねたら、数えるのが大変だからまた今度と言われた。
 細かいことはこの際どうだっていい、これで金に困ることはなくなるし、その対価も決して悪いものじゃない。むしろ、またしたいと感じるくらいだ。
 
 家に帰るサスケをカカシは屋根の上から見守っていた。
「……んー、どうも何かあったねぇ。さて……。」
 もう夜の街には行かない、給料でなんとかすると俺の家に来てサスケは申し出た。その心変わりを訝しむと、あのやり方は確かにいい方法じゃなかったと反省しているように下を向く。
 そういうことなら……ただ本当に困ったときは遠慮なく頼るんだよ、とだけ声をかけて、立ち去るサスケを尾行した。
 サスケはまっすぐ家に帰って、なんら問題は感じなかった。けれど何だろう、変な違和感、というか不自然さ、嫌な予感がする。ただの予感であればいいんだけど、それがわかるまで少し調査をした方がよさそうだ。
 とりあえずは、アカデミー時代のサスケの護衛任務の記録を読んでおくか。
 立ち上がって、里の中枢に向かった。
 
 次の機会は案外早かった。子どもたちが笑いながら駆け寄ってきて、「今日、遊ぼうよ」とあのキーワードを口にした。俺は「また、あとでね」と伝えると、子どもたちはまたどこかへ駆けて行った。
 あの子たちはキツネに飼われているのだろうか、それともたまたま伝令役を頼まれてこづかいを渡されたのだろうか。
 俺は家に帰ってシャワーを浴びてから、服を着てあの屋敷に向かう。誰かに見られるのは都合が悪いと思い、途中狭い路地に入って適当な大人に変化してから屋敷の玄関に立つと、キツネが扉を開いて「待っていたよ」と中に入るように促す。
 その様子をカカシに観察されている事を知らずに。
「今日もあの屋敷、ねぇ。」
 屋敷の主人の身辺調査は終えていた。ごく普通の、商人として多少金を持っている男だ。悪い話も聞かないし、商売自体も真っ当で問題は見当たらない。
 中で何が行われているのか……そこまでは調べられそうになかった。屋敷には5人、それなりの手練の忍が護衛と監視をしていて、中を伺う隙がなかった。
 大体2時間ほどでサスケは屋敷から出てくる。
 2時間、商人の男、護衛のいる屋敷、決まった日や曜日にというわけではない。何が行われているのか……これだけでは特定できない。
 調査してもわからなければ、本人に直接尋問するのが定石だ。あまりやりたくはなかったけれど、怪しい行動をしている以上、上司としては明らかにしておかなければならない。
 
 翌日、任務を終えたあとサスケに着いてくるように伝えた。サスケは「わかった」と素直に後ろに続く。
 30分後、里の中枢のやや北にある尋問棟の一室に二人で入って鍵をかけ、どかっと腰を下ろす。サスケにも座るように促して、話を切り出した。

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