金曜の約束

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成人向,中編,現代パロ,完結済み,カカサス小説エロ

共犯者

 数週間静かに過ごし、そろそろほとぼりも覚めて見張るのもやめただろう、とサスケはアプリを開いた。
『デートの相手を探しています。ホ別二万です。』
 すると、すぐに十数件のメッセージが届く。
 四十代の小太り、五十代の自称テクニシャン、……ひとつずつメッセージを読んでいくと、一件破格の条件で入ったメッセージを見つけた。
『オプション全乗せで。三十代長身細身です。二時間どうですか?』
 写真は漫画かアニメか何かのキャラクターだ。顔はわからない。
 でも、数週間収入の途絶えていたサスケにとってオプション全乗せは魅力的だった。
『十八時に、駅前の噴水で。制服と私服どちらがいいですか?』
『返信ありがとう。制服でお願いします。』
 サスケはアプリを閉じて、スマホをバッグにしまった。
 
 オプションは全部で十個ある。
 キス、ディープキス、乳首舐め、一緒にお風呂、手コキ、フェラ、ごっくん、全裸、アナル舐め、そして素股。
 デート代の二万プラスこのオプションを全乗せすると、五万になる。
 おまけに比較的若い、しかも細身の男だ。顔はわからないが少なくとも小汚いおっさんではなさそうだから嫌悪感もそんなにないだろう。
 駅前のコンビニのイートインスペースで、勉強をしながら十八時になるのを待った。
 
 ピロン
 スマホがアプリのメッセージを通知する。
『ちょっと早いけど、着きました。待ってます。』
 時間は十七時五十分。
 サスケはノートと教科書を鞄にしまうと、スマホを手にイートインスペースを後にした。
『僕ももうすぐ着きます。』
 メッセージに返信をして、足早に噴水前に向かい、長身で細身の三十代の男を探す。
「……?」
 しかし、噴水前にそれらしき姿はなかった。
『着きました。どこにいますか?』
 メッセージの送信ボタンを押そうとしたところで、サスケは制服の首根っこを掴まれる。
「⁉」
 振り向くと、そこにいたのはあの変態生徒指導の教師。
 ……三十代…長身細身……くそ、なんで気づかなかったんだ‼
 サスケが苦々しい顔をすると、変態教師ことはたけカカシは
「待ってたよ、サスケ君?」
とにっこり笑った。
「離せっ! おい!」
 サスケはジタバタ暴れながらカカシに蹴りを入れるが、スッと避けられる。
「全く……ま~だこんなことしてるの? お前。」
 呆れたようにため息をつくカカシに、サスケは知らんぷりを決め込むことにした。
「何の話だ、俺はたまたま通りかかっただけだ! 離せ!」
「君のこと見張ってるって言ったでしょ? アカウント作り直しても無駄だよ。」
「っ! だから、何の話だ! 俺はもう何もやってねえ!」
「シラ切るつもり? ふーん、そう。」
 カカシは自分のスマホを取り出すと、何やら打ち込み、トン、と画面をタップする。
 ピロン
 サスケのスマホが鳴った。
 ロック画面にメッセージが表示される。
『諦めなさい、バレバレだから』
「っ~~‼」
「はい、悪い子は先生についてきなさい」
 首根っこが解放されたかと思ったら、左手首を掴まれ、そのまま引っ張られる。
 くそ、くそ、くっそ!
 前回されたことを思い出し、サスケは思わず身震いした。
 お説教だけで済む……と良いのだが、カカシは何を考えているか全くわからない。
 手首を掴む手を離そうとするが、カカシの力が強く、それも叶わない。
「どこに行くつもりだ……! 離せ!」
「そう言われて素直に離すと思う? いいから来なさい。」
 手首を掴まれ引き摺られながら歓楽街を抜けて、たどり着いたのはラブホが立ち並ぶ静かな路地。
 ゾワッ
 前回アパートでされた記憶が蘇る。
「やめろ離せ! 誰かっ! 誰か助けてくれ‼」
 必死に周りに呼びかけるが、残念ながら厄介ごとに首を突っ込みたがる人がいるような場所柄ではない。
 サスケはいくつかあるうちの一軒のホテルに連れ込まれると、部屋に入った瞬間にようやく手首が解放された。
 扉に駆け寄るが、鍵がかかっていて開かない。
「ここ、勘定するまで開かないから無駄だよ」
 背後からかかる声はすぐ後ろに迫っていた。
 サスケの背筋に嫌な汗が流れる。
「とりあえず、先生とお話ししようか。」
 肩にぽん、と置かれた手に、身体がビクンと固まった。
「なに……もしかして緊張してるの? あのオプション全部やるつもりだったくせに?」
 嘲笑の混じった声は、学校では聞いたことのない音色。
 ――逃げられない
 サスケはすう、と息を吸うと、腹を括り、声の主に向かって振り返る。
「話って……何だよ」
 ベッドしかない部屋の中で、カカシは「まあ、座りなさい」とサスケを部屋の中心に誘った。

「で、なんで君はこういうことするわけ?」
 カカシの尋問が始まる。いつかのファミレスと同じだ。サスケは黙秘を貫く。
「お金に困ってるの? それとも単にこういうことが好きなの?」
 サスケは何も答えない。
「…また身体に聞いた方がいい? あ、もしかしてその方が好い?」
 ゾワッ
 思わず身体が震える。
「……話したら、俺に何もしないと約束しろ」
「ま、考えとくよ。」
「約束しないなら話さない」
「じゃあー身体に聞くしかないねぇ」
 カカシの手がサスケの太ももに触れる。
 ……最低だ。
「っ、わかったよ、話す。話すから俺に触るな!」
 サスケはその手をどけると、カカシに向かい合った。
「じゃあ聞くけど、何でまたこういうことしようとしたの?」
「……金がねぇんだよ」
「バイトすればいいじゃない」
「こっちの方が稼げる」
「こういうことするのが好きなの?」
「んなわけねえだろ!」
「その割には、オプション全乗せの俺に乗ってきたよねえ」
「だから、金がねえって言ってんだろ!」
「なんでそんなにお金に困ってるの?」
「……あんたも知ってるだろ、俺は両親がいない。生活保護じゃ大学に行けねぇ。」
「奨学金使えばいいじゃない。お前の頭なら学費免除になる大学はいっぱいあるよ?」
「……学費が免除でも、生活費はかかる。それに奨学金って言ったって、連帯保証人は必要だし結局借金じゃねえか。」
「へぇ……ちゃんと調べてるんだ。偉いねえ。」
 褒められたところで状況が状況だ。何も嬉しくない。
「……でも、やってることは全然偉くないよね?」
「あんたに口出しする権利があるのかよ。やめたら金くれるのか? あ?」
「……あのね、君がやってるのは完全に非行なの。で、俺は生徒指導。警察に捕まるような事じゃないのは確かだけど、でもやっちゃダメなことはダメなのよ。学校に通い続けたければね。」
「……退学にする気か」
「こういう事続けるなら、そうなるかもね。そしたら大学にも行けないよねえ。」
「じゃあどうしろってんだよ!」
「普通にバイトしなさい。うちの学校は基本禁止だけど、俺が許可出してあげるから。」
「あんた……高校生のバイトの時給知ってて言ってんのか。」
「んー、八百円くらい?」
「一日五時間、週五日、バイトしたところで月八万円。その間勉強もできねえ。その上稼いだことは役所にバレて、生活保護費が削られる、手元に残るのはせいぜい月三万程度。月百時間働いて一ヶ月で三万だぞ? 仮に三万貯め続けても、三年でたったの百万。貯めたところで貯蓄があるとみなされたら生活保護はすぐ打ち切りになる。」
「……なるほどねぇ。それでこういうことに手を出したわけ。」
「あんたにどうにかできるのか? 出来ねえだろ? 綺麗事だけじゃ、どうにもならねえことがあるんだよ!」
 カカシは顎に手を置くと、「そうかぁ……」と呟きながら考え事を始めた。
 サスケはカカシを説き伏せて、勝ち誇ったような気分で「ふん」と腕を組む。
 いっときの静寂の後、カカシがサスケを見る。
「事情はわかった。そういう事なら、俺も共犯になろう。」
「……は?」
「うちはは知らないかもしれないけど、こういう出会い系アプリを使ってやって来た子どもを誘拐し、隣国に売り飛ばす奴らがいる。まあマフィアってやつだな。このままお前がこういうことを続けてると、いつその被害者になるかわからない。」
 はじめて聞く話に、サスケは息を飲んだ。
「そうなると、大学に行くどころか生命に関わる。わかるか? だから、今後は不特定多数を相手にこういうことをするのは、一切やめなさい。」
「じゃあどうしろって……」
「まあ聞け、俺も共犯になるって言ったろ。今後はアプリじゃなくて俺を呼べ。」
 カカシはスマホを取り出し、サスケのアカウントにメッセージを送る。
「それ、俺のLINEね。登録しときな。」
 サスケはスマホを取り出すと、メッセージに書かれた文字列を見た。……kakashi_hatake……まんまじゃねーか。
 顔を上げてカカシの顔を見ると、学校で見せる笑顔を向けている。
「で、相手にするのは俺だけにしなさい。もちろんやることは全部やってもらうし、俺もその分の金は渡す。」
「……え?」
「だから今日も、きっちり二時間相手してもらうし、オプションも全部やってもらうよ。」
 サスケはカカシの言うことに頭が追いつかなかった。そうこうしている間に、カカシの顔がサスケに迫り、チュ、と触れるだけのキスをする。
「ひとつめ。ところで、オプションって何回してもいいの?」
「あ、ああ……」
 もう一度、唇が触れ合う。
 前回アパートで襲われたときとはまるで違う、まるで恋人同士のような優しいキスにサスケは戸惑った。
 その様子を見て、カカシはフッと笑い、サスケの後頭部に手をやると、ついばむようなキスから、歯列をなぞり、舌を絡め、徐々にサスケの口内を蹂躙していく。
「っん……」
 こんなキス、したことない……
「はた、んっ……」
 カカシがサスケの唇を解放し、その代わりに額と額を合わせる。
「……ふたつめ。今はカカシって呼んで、サスケ」
 顔、近っ……!
 真っ赤に染まった顔を隠すこともできず、サスケは戸惑いっぱなしだ。
「カ…カシ」
「うん、いい子」
 カカシはそう言いながら、サスケの制服のボタンを外していく。
「お、俺がっするんだ! みっつめは!」
「……そうなの? でもどうせ裸になるでしょ?」
 前をはだけて、肩からスルッとシャツを脱がす。
 サスケもカカシのワイシャツを脱がせにかかった。
 ボタンを外していると、額にチュ、とキスが降ってくる。
 おかしい。
 こんなのおかしい。
 この前は無理矢理襲ってきたのに、今日はなんでこんなに、優しく…。
 カカシのワイシャツのボタンを外し終えると、その下の肌着を捲り上げ、現れた乳首にサスケがキスをする。
 乳輪に沿って舌を這わせ、つんと立ち始めたそれを口に含み、チロチロと舐めたり、押しつぶすように舐めたりしていると、肩に手が置かれ、そっと胸から離された。
「やっぱり俺がしたいな……いい?」
 そのままトン、と肩を押され、サスケはベッドにトサ、と倒れこんだ。
「あんたが、それでいいなら……」
「ん、じゃあ、みっつめね」
 カカシはサスケの上に跨るとサスケの肌着を捲り上げて乳首を舐め始める。
 くすぐったいような、むず痒いような、妙な感覚だった。俺が今までしてきた相手もこんな感じだったんだろうか……?
 そう思いながら、カカシが乳首を舐めているのを見つめていると、甘い痺れるような刺激を感じた。
「! っん」
 思わず声が漏れたことに驚く。
 乳首だぞ? まさか、俺は乳首で感じたのか?
 カカシは声が出たところに重点的に舌を這わせる。
「……っ、」
 声が出ないよう、サスケは息を殺した。
 すると、カカシがサスケの顔を見上げる。
「……声。我慢するのやめてよ。」
「っ……! 我慢なんて、してないっ……!」
 咄嗟についてしまった嘘。
「ふぅん……まぁ、いいや。」
 カカシは上半身を上げた。
「次は、一緒にお風呂、だったっけ?」
 サスケはこくこくと頷く。
 にっこりと微笑みながら、「じゃあ、行こうか」とサスケの手を引いた。
 
 脱衣所で制服を脱ぎながら、カカシの方をチラと見ると、下半身がすでに膨らんでいるのがズボンの上からでもわかる。
 …なんでこいつ、おっ勃ててんだよ…。。
 服を脱ぎ終わり浴室に入ると、お決まりなのは洗いっこだ。
 サスケはいつものように石鹸を泡立て、手で直接カカシの肌にその泡を撫で付けていく。
「へぇ……サービスいいじゃない」
 上半身の次は、下半身……勃ち上がっているそれにも、泡をふわりとのせる。
「ねえ、ついでにいつつめもしてよ。」
 いつつめは、手淫。
 サスケはしっかりと石鹸を泡立ててそれに触れ、両手で上下に扱きはじめた。
「…はぁ、いい感じ。むっつめもできる?」
「泡、落としていいなら」
「うん、いいよ。」
 シャワーに手を伸ばし、低めの水圧でカカシの下半身を流すと、サスケは手を添えながらそれを咥える。
 丁寧に舐めしゃぶり、じゅぽ、じゅぽ、と音を立てながら上下に刺激していると、しょっぱいトロリとしたものが先端から溢れてくる。
「このままななつめ、できるよね?」
 サスケは小さく頷いた。
 いつものように裏筋、かり首を舐めながら徐々に頭の動きを早くしていく。
 その頭を、カカシが両手で掴み、更に早く動かす。
「っは、いい? …っ!」
 ひときわ喉の奥に押しつけると、濃い精液がビュルルと迸る。
「っん、……、」
 サスケは全部出きったのを確認すると、ごくりとそれを飲み込み、最後にカカシのそれを綺麗に舐め上げた。
「上手にできました。よかったよ。」
 カカシが湯船を指差す。
「入ろっか」
「……ああ。」
 カカシが先に湯船に入り、サスケを手招きする。
 サスケはカカシに向かい合うように入ろうとしたが、カカシは「こっち」と自分の上に乗るようにとサスケを誘う。
 ……ちょうど、射精したばかりのカカシのそれの上に跨る形になった。
「あったかいね」
「そう、だな。」
 後ろからぎゅっと抱きしめられ、心臓がドキリと跳ね上がる。
 ……やっぱり、今日のこいつ何かおかしい。
 これじゃあ、まるで本物の恋人みたいな……。
「!」
 カカシのそれが、また勃ち上がってくるのを感じる。
 お、かしいだろ……! 男相手に……しかも生徒相手に……何でこんなおっ勃ててるんだよこいつ……!
「っ、もう、上がるぞ」
「うん、そうだね。」
 あと残っているのは、アナル舐めと素股。
 脱衣所でささっと体の水分を拭き取ると、裸のままカカシの手を引いてベッドに戻る。
 カカシをベッドに寝かせようと振り向くが、ぐいと引っ張られてベッドに沈んだのはサスケの方だった。
「……え?」
「ここのつめも俺がしたい。いいでしょ?」
 うつ伏せのサスケの腰を、カカシが引き上げると、尻をカカシに向ける形になった。
「ちょ、」
 サスケが口を開いた時には、もうそこには舌が這っていた。くにくにと舌で穴を押したり、蟻の戸渡をつつつ、と舐めたり、サスケはもうどうにでもなれと言う気持ちでそれを受け入れる。
 穴の中に舌が入ってきた時には流石に緊張で尻に力が入った。
 いろんな男と経験してきたが、本番はあの日カカシにやられたただ一回だけだったし、ほとんどサスケが奉仕して終わりだった。
 だからされることには慣れておらず、乳首のときのように声が出ないよう枕に顔を埋める。
 そこに、カカシから声が降ってくる。
「今度は声、我慢しないでね」
「……っ」
 声を押し殺そうとしていたのがバレてる。
 だけど所詮尻だ。性感帯でも何でもない。
 前を触られない限り声は出ないだろうとたかを括っていた。
 カカシが尻をさわ……と撫でるまでは。
「っぁ」
 嘘だろ、嘘だ、こんなことで声が出るなんて!
「尻には、触んなっ……! アナルだけだ……!」
「えぇー、ダメなの?」
「だめだ!」
 つまらなさそうに、カカシがサスケの腰から手を離す。
「じゃ、最後ね。じゅっこめ。」
 素股。
 ベッドに仰向けに寝転ぶカカシの上に、サスケが跨がる。カカシのそれはビンビンに勃っていて、それを太ももで挟むようにして腰を動かし、愛撫する。
「はぁっ…、挿れたい……だめ?」
「だめだ、本番はしない」
「こないだしたじゃん」
「無理矢理だったじゃねえか……っ!」
「ごめんね、お仕置きのつもりだったからさ」
「とにかく、本番はしない。なしだ。」
「……生殺しじゃん……オプションに入れてよ。」
「入れない。絶対に。」
「でも気持ちよかったでしょ?」
 ……思い出して、サスケの顔が熱くなる。
「ここでなら、サスケも思いっきり声出せるよ。」
「……しないし、オプションにも入れない。絶対に!」
「ふぅん……」
 太ももで挟んだそれからカウパーが滲み出る。
 指でくるくると亀頭になすりつけて、太ももに力を入れて腰を動かす。
「もっとさ、こう……」
 カカシがサスケの腰を掴んで、その腰を大きく動かされる。
 時折、カカシのものがサスケの穴に引っかかった。
「挿れないって、言ってんだろ……!」
「入りそうで入らないのを楽しみたいの。」
 カカシがおもむろに上半身を起こすと、サスケの唇に触れるだけのキスをする。
「……ね、お願い。挿れないから。約束する。」
 改まって言われると、無碍にもできない。
「本当に、挿れないからな。」
 カカシのギンギンに勃ったそれが、サスケのものにも当たる。悔しいかな、動くたびに反応してしまう。
「サスケの触りたい……、俺のも触ってよ」
 サスケは黙ってカカシの先端をぬるぬると指で刺激する。カカシがサスケのものに手を伸ばしたのを見て、手ではたき落とした。
「出したいでしょ? ……スッキリしたいでしょ? 一緒にいこうよ。」
「断る……!」
「は…、出そう……出すよ? …っ、」
 ビュウッ、ビュルルッ
 カカシのそれが二回目の精液を飛ばす。
 やっと、おわっ……た……。
 時間は二十時二十分、ちょうど二時間だ。
 備え付けのティッシュで汚れたカカシの腹を拭くと、サスケは脱衣所に向かっていき、服を着込み始めた。勃ち上がっている自分のそれも、ズボンの中に押し込む。
 一刻も早くここから立ち去りたい。
 カカシの服も抱えて、カカシの元に向かった。
「時間だ」
 ベッドに服を置く。
「金と、勘定。早くしてくれ。」
 カカシは渋々服を着込み始めると、ズボンの後ろのポケットから財布を取り出して、五枚のお札をサスケに渡した。
「次は本番、考えといてよね。」
「嫌だ。」
 カカシがシューターにお金を入れると、シュコ、と音がしてカプセルが消えて、そしてようやくガチャリと鍵が開いた。
「じゃあな、変態教師。」
 足早に廊下を歩き、建物の外に出る。
 サスケは深くため息をついた。
 もうわけがわからない。
 何なんだあいつは。
 一体何が目的なんだ。
 なんで今日は変に優しくするんだ。
 スマホの画面をもう一度見る。
 誘拐されるリスクや、クソみたいなキモ親父相手にするくらいなら、確かにカカシの方が遥かにマシだった。
 kakashi_hatake
 LINEに打ち込んで、少し悩んだ後、友達登録すると、サスケはスマホをカバンに放り投げた。

 

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