例のあの部屋
気がついたら、四角く真っ白な部屋の壁にもたれかかっていた。部屋の中央には大きめのベッドと棚、の上に何かのボトルと巻物が置いてあるのが見える。
ここはどこだ、夢でもみているのだろうか。
立ち上がって改めて部屋の中を見回すと、ベッドの向こう側にサスケが横になっているのが見えた。
「サスケ?」
駆け寄ってみるが眠っているだけらしい、外傷も見当たらない。ナルトやサクラはいないようだった。なぜ俺とサスケだけが?
サスケの方を譲って声をかける。
「サスケ、起きろ。……あまり良くはなさそうな状況だ。」
薄く目を開いたサスケの瞳孔が動く。
「ここは……?」
「わからない。罠かもしれないし試練かもしれないし。」
サスケにもここまでどのようにして運び込まれたのか記憶はないらしかった。
中央のベッドが気になるが、部屋ということは壁があってその向こうは外、のはずだ。
右手にチャクラを集中させて写輪眼で壁の薄そうなところを探すが均一で抜け道のようなものはなさそうだ。
であれば目の前の壁を突き破るのみ。
閃光が走って鈍い音を立てる。その感触に突く腕の力を引いた。この壁の向こう、空間がない。すなわち、普段の勢いで千鳥を使っていたら恐らく手の骨がぐちゃぐちゃに折れていた。岩の中なのか、それとも地中深い場所なのか、この部屋には入り口も出口も何もない。
一体どうやってこんな場所に俺たち2人が閉じ込められているんだ。
立ち上がったサスケが中央のベッド横の棚に置いてある巻物に手を伸ばしていた。しかし、怪訝な顔をしている。
「何かわかった?」
「……いや、これ……何も書かれていない。真っ白だ。」
白紙の巻物……?
唯一この部屋の謎のヒントになりそうなものなのにそんなことがあるだろうか。恐らく何らかの方法で隠されているだけだ。火で炙るか、水で濡らすか、チャクラを練り込むか……。
「……あ、」
サスケが何かに気づいたらしい。その顔を見ると目が赤い。……写輪眼で読めるのか、もしかして。
額当てを上げて左眼を開けた。すると巻物にぼんやりと文字が映し出される。
〝性行為をしなければこの部屋からは出られない〟
……は? なんだこれ。……まさかサスケと、しろということなのか。
巻物と一緒に置いてあったボトルにはご丁寧にローションと書かれていた。更に謎の小瓶が2つ。加えてダブルサイズほどのこのベッド。ヤれと言わんばっかりだがサスケは男だしまだ子供だ、無理に決まっている。
他に何かないのかと巻物を広げるが、それ以上の情報はなかった。
外に出る手段がここに書かれていることしかヒントがない以上、検討に入れるしかない。けど相手はサスケだ。
コンクリートの壁なら土遁で何とかならないだろうか。印を組んでチャクラを込めるが、やはりびくともしない。
通気口も見当たらないことを考えると、長居すればするほど酸素が減って最悪二人とも倒れてジ・エンド……となるとあの巻物に書いてあることをする以外、脱出するヒントは何もない。
「カカシ、見ろ。」
ベッド近辺を調べていたサスケが何かに気づいたらしい。その隣に行くと、巻物に文字が増えていた。
時間の経過によってヒントが増える……ということだろうか。増えた文字を読む。
「いざというときには薬を飲め」
ローションの隣にあるふたつの小瓶に視線を向ける。薬、というとそれらしいものはこれしかない。
「……飲む、か?」
「いや……どんな成分なのかも分からないものを口にするのはリスクが高すぎる。」
蓋を開けて臭いを嗅いでみるが無臭だ、何の薬なのか全く分からない。これは本当にどうしようもなくなったときに飲む事にして……。
「あとこれ、ここだ。」
サスケが身をかがめたテーブルの天板の裏側を指差す。小さくて黒い四角いものが見えた。これは……。
「監視カメラ、だと思う。ただ、配線が何もない。これだけだと電力供給も通信も出来ないはずだ。」
サスケの言う通り、電源が内臓されているには小さすぎるし、これ単体では映像を撮影出来たとしてもデータの送信はできない。
しかし、こんな場所に俺たちを入れることが出来る奴が相手だから、俺たちの想像を超えてくるかもしれない。これは動作していて俺たちは監視されていると思ったほうがよさそうだ。
恐らくは巻物を用意した人物と同じ。ということは必然的にうちは一族の誰かで、しかしサスケ以外のうちは一族の生き残りといえばイタチだけ。イタチがこんな事をするとも思えない。
「薬、試しに俺が少し飲んでみる。何かあったときにはあんたが対処してくれ。」
いつの間にかサスケは蓋を開けた小瓶を持っていて、俺を見上げていた。
「待て、サスケ」
止めようとしたときにはその薬の三分の一ほどを口に注いでいた。
蓋を閉めて小瓶をテーブルに戻しながら、サスケは額に手を当てている。
「身体はどうだ」
しゃがんでその顔を覗き込むと、荒く息をしながら頬を染めている。
「額当て……取る、頭が……少しふらつく。呼吸と心拍数が、上がって……。」
額当ての結び目を解くと、それを机に置いた。顔がどんどん赤くなっていく。
兵糧丸……にしては呼吸も早まるのはおかしい。効果が出る早さを考えると発熱を促すものでもなさそうだ。
膝をついて真っ赤な顔ではぁっ、はぁっ、と息をするサスケ、あの巻物の記述、そして薬……これは、催淫剤か……?
「……カカシ悪い、ベッド……横になる……。」
息が上がったサスケがベッドに手をついてそのまま身体をごろっと布団の上に乗せる。股間のあたりを見てみると膨らんでいた。やっぱりこの薬は……。
飲んでしまったものは効果が切れるまで時間が経つのを待つ以外にないが、それまでこの部屋の中の酸素が持つだろうか。それまでにこの部屋を出るための方策を捻り出さなければいけないが、千鳥もだめ、土遁も効果がない、火遁なんて使ったらそれこそ酸欠になるし蒸される。水遁も部屋に隙間がないか調べるにはいいがサスケがこの状態ではベッドの下までしか水で満たすのは無理だ。
木遁でも使えれば酸素を作れるし部屋の破壊も期待できるが木遁は血系限界だから俺には無理だ。
つまり試せる方法はもうあらかた試したからここからは頭脳で勝負……巻物にはセックスをしたら……とあったがそれを何で判断するのか。サスケが見つけたあの隠しカメラのようなもの、しかない。であれば、あれを壊せば部屋の主が様子を見に何らかの方法で近くに来る可能性はある。しかしその逆、つまり俺たちが例えセックスをしようが出られなくなる可能性もある。却下だ。
影分身と変化で俺とサスケを作ってセックスヲしているように見せかける……これはあり、だ。サスケの身体……というより淫部だけ女性のそれに変化させればそんなに抵抗もなくできるだろう。ただ、ベッドの上にいるサスケを自然に入れ替えさせる必要がある。
一時的にカメラを布団で隠す……それなら出来そうだ。問題は両方とも俺なわけで……俺が俺をヤる、という心理的抵抗だけどここは腹を括るしかない。
机の位置を変えてふたつある枕のひとつを机に立てかける。これでカメラの画角には何も映らなくなったはず。静かに影分身を作って変化させて適当な会話をさせながら、俺はサスケを抱えてカメラの反対側の床に寝かせた。
「こうなったらもう……するしかないよね、その、巻物の……」
「……よく、わからねえけど、それしかないなら……。」
作った影分身がベッドに上がって枕を元の位置に戻す。ベッドに仰向けになるサスケのズボンを下ろして、机のローションを使って陰部に指を入れてサスケの方はそれっぽい反応をさせた。
「痛くないようにはするから、ごめんけど我慢してね。」
「……なんか、変な感じが、する……っ」
両方とも俺なのが何とも複雑だ。
本物のサスケは相変わらず真っ赤な顔で横に……俺に背中を向けて横向きになった。
どうしたのか様子を見ようとしたら、左手でストップ、と示される。ゴソゴソと手を動かしている様子に、我慢できずに自慰を始めるのだろうと思い至ってベッドの方を向き直した。
ベッドの上では俺による愛撫が続いていて時々サスケが反応する、というのを繰り返している。何も起きていないということはこの方法でうまく騙せている、と捉えていいのだろうか。
と思った瞬間に、どこからか巻物が落ちてきた。天井には穴もない。何もない空間から突然巻物が現れてポト、と落ちた。口寄せみたいな原理なのか、それとも時空間を操る忍術……?
その落ちた巻き物を拾って中身を確かめる。真っ白の白紙の巻物……やはり写輪眼でないと読めないようだった。左眼を開けてその巻き物を覗き込んだ瞬間、俺の意識は一瞬途絶えた。
ゴクリ、と喉が鳴った音でハッとする。手にはあの催淫剤の小瓶、振り向くとあの巻物が落ちている。……やられた、幻術か何かが仕込まれていた……!
遠目からその巻物に書かれている文字を読み取ってみる。
『愚かな抵抗は時間稼ぎ以外にしかならない』
……つまりベッドの上の茶番は見抜かれていた、ということか。
しかし……三分の一でサスケはあの状態で、今俺は全量飲んでしまっている。どれだけの作用が出るのか全く読めない。次第に早くなる胸の鼓動。チャクラの無駄だとベッドの上の影分身を消した。
……強い作用が現れたら、我を忘れるくらいに……つまりその間の記憶を残さない、可能性がある。
俺はあらゆる薬の耐性が一応はある。サスケにはまだそれがない。……こうなったらもう、残されている方法は……。
サスケは自慰をした痕跡がある床でぼんやりとしていた。そのサスケをまた抱き上げてベッドに横たえる。
「これ、飲んで。」
三分のニ残っている薬を、サスケの口の中に流し込んだ。喉仏が上下に動いたのを確認して、薬が十分に回るのを待つ間に、自分自身の身体の変化も感じる。
こういう系統の薬の耐性はあるはず、なのに……飲んだ量が多かったのか。シンプルにそれしか考えられない。となるとどこまで効果が出てくるやら……俺まで我を失ってはいけない。水で薬を薄めようにも水もない。
そうこうしていくうちにサスケがベッドの上で身悶え始めた。股間をギュッと手で握って我慢している様子だ。まだ自我を失うほどではなさそうだ。するしかないのであれば、せめて記憶に残らないようにしてやりたい。
監視カメラは机だけではないんだろう、おそらく部屋の隅のどこかにもあの小さな機械がある。机に気を取られていたけど壁に設置されていれば電源も通信も問題なくできるだろう。
そこまでして俺たちにセックスをさせたいなんて一体どこのどいつだ……。わからないことだらけで指示通りに動くしかないなんて負けもいいところだ。
くそ、まだ時間は少しある。やらずに済む方法は何かないか考える余地は……。
幻術で騙せるのは生身の人間だけだ、機械には意味がない。カメラの位置を特定するにもだいぶ薬が回ってきている今は難しい。
……視界がぼやけてきた。頭も少しずつ思考力が奪われているのがわかる。心臓と肺は呼吸法でどうにかしてきたがそのうち焼け石に水になるだろう。
「……あつい……、もう、……むり……」
ベッドの上のサスケが服を脱ぎ始めた。露出した肌はピンク色で体温も上がっているようだ。脱ぎ散らかして裸になると虚ろな目を俺に向ける。そして俺に隠そうともせず、その下腹部に手を伸ばした。
……多分もう、ほとんど頭は回ってない。……来るところまで来た、やるしか……。
そうだ……やるしかない、それ以外に方法がないんだから、仕方がない、そうだろ……相手が誰だろうと……。
ベストを脱いでインナーも脱ぎ去った。バンテージも解いてズボンを脱ぎ、サスケと同じように裸になってベッドの上に上がる。荒い息で自慰に耽るサスケの膝に舌をそわせるとサスケは「っあ」と眉頭を上げた。身体のラインを手で撫でながらキスをしたり舐めたりしながら少しずつ上半身に口を移していく。その度にサスケは小さく喘ぎ震えながら潤んだ目で俺のそれを見つめていた。
「サスケ……キス……」
言いながら唇を塞いで口内に舌をそわせてサスケのそれと絡ませ唾液のやりとりをする。サスケの局部に自分のそれを擦り付けてその熱さを感じ合いながら頭の中がセックスをする事でいっぱいになっていく。
唇を離してローションに手を伸ばし手のひらいっぱいに垂らしたそれをお互いの暗部に垂らして孔に指をぬる、と差し込むと本来内容物を出すための扇動運動をしているそこはすっかり弛緩しきっていて柔らかかった。サスケの身体に触れるたびに、キスをするたびに小さく喘ぐその声が愛おしく感じてローションまみれのサスケの中心に手を添えただけでそこは呆気なく吐精した。それでも硬さを失わないのは薬のせいだろう。
……薬、そうだ、俺も薬を飲んで、……我を忘れるところだった。孔の中の指はサスケが少しでも痛みを感じないようにじっくりとほぐしていく。その度に「っぁ」と震えながら声を上げるサスケはすっかり薬で意識が飛んでいるようだった。
今のうちに終わらせるから、薬切れるなよ……!
自身のそれもギンギンに勃っていて、確実に薬のせいなんだけどサスケの反応があまりにエロくて、サスケってこんな高い声で喘ぐのか、とかこんな表情するんだ、とか思い始めると絶対に薬のせいなんだけどムラムラしてしまう。正直早く挿れてガンガン腰振りたいし催淫剤で恐らく感度が上がっているサスケが喘ぐ声が聞きたい、けどこれは薬のせい!
そんな本能のままに行動していたらこれを仕組んだ趣味の悪い奴の思うがままだ、くっそしっかりしろ俺!
指2本がスムーズに出入りするようになって、自分のそれと指の太さを見比べてもう1本はやっておこうと指3本で中を慣らす。とはいえ括約筋は弛緩しているし入り口……本来は出口だけど……のあたりをしっかりほぐせばよさそうだった。ローションも十分な量中まで入っているからもうすぐ挿れられる。やっと、やっとサスケの中に俺のものを……。
、指を抜いてローションを自分のそれに垂らす。手で満遍なく塗り広げてさっきまで指を入れていたそこにあてがうと、ゆっくりと中に挿れていく。
「あ、あっ、……はぁっ、っん! ……ひ、あ、」
痛がるどころか快感に染まったサスケの顔を見て、プツンと思考が途絶えた。
「あっ! あ、あああっ!!」
一気に奥まで入れて始めた抽送、奥をつくたびに高い声で喘ぐサスケの朱に染まった顔に本能が暴走していく。
「きもちっ、い゛っ! あっ! あ、っああ!」
お腹に何か温かいものが飛び散る。サスケの先端から出た精液。唇を舐めて腰の動きを早めるとそれに応えてサスケも喘いだ。
10回も往復していないところで俺もサスケの中に精を流し込む。それでも衰えることのないそれでサスケの中を突き続けた。
セックスに夢中で俺たちは気が付かなかった。巻物の字が消えて、代わりに「合格」という文字に変わったことを。
「あっ! きもち、いっ! っあぅ、は、あっん!!」
はぁっ、はぁっ、と興奮で荒くなる息、腰を打ちつけるたびに上がる高い声、イッてるのか柔らかかった腸壁はぎゅう、ぎゅう、とそれを締め付けてたまらない快感に夢中で腰を動かす。
ああ、こんなにも気持ち良いのならさっさとやってしまえばよかった。サスケも気持ちよさそうに喘いでいる。もっと鳴かせたい、よがらせたい、俺のものに夢中になっている様を見たい。
何度目かの射精をしてもなお硬さは衰えず、精液でぐちょぐちょになった中はこれ以上ないくらいに気持ちいい。
もっと、もっと……それしかなかった頭にアラームのけたたましい音が響いてハッとなった。
景色が違う。見慣れた自分の寝室。ベッドサイドの目覚まし時計が鳴り続けている朝の6時。あの部屋は? 俺は一体。
眼下では動きを止めた俺に潤んだ目を向けるサスケが俺のそれを受け入れている。
……薬に、持っていかれていた……!
もっと強い快感を求める脳内から無理矢理意識を逸らしてそれを抜くと、何回出したのか白いどろっとしたものがごぼ、と溢れ出てくる。
抜いた刺激にすら感じながらサスケは状況を理解できていないようだった。それもそうだろう、薬の耐性もない子どもにこんなにも強く作用する薬を全て飲ませたのだから。
「もっと……早くっ、挿れてぐちゃぐちゃにして、くれ、それを挿れて……」
興奮した頭を落ち着かせようと深呼吸する。
何物の仕業なのかはわからないが、条件を満たしたから俺たちはあそこから出ることができたんだろう。
「サスケ、少し休みなさい。」
左眼を開いて幻術をかけると、サスケはゆっくりと目を閉じて眠り始めた。
それを確認して、リビングに向かい中和剤を探す。
それにしても一体誰が、何の目的であんな部屋に俺たちを……。時空間忍術、としか思えないがこの左眼で扱える神威だって自分一人を時空間に行かせるので精一杯だ。もし両眼とも写輪眼で同じことができる奴がいるとしたら話は別だが、記録の中にはうちは一族の抜け忍はいない、可能性があるとすれば俺のように写輪眼を移植した者……怪しいのは大蛇丸くらい、だけど奴にはそんなことをする動機がない。道楽なんかよりも研究を好む奴だ。ただ、悪趣味という点ではやっぱり大蛇丸くらいしか思い当たらない。
中和剤を見つけて左腕に注射器の針を刺す。飲むよりも直接血液に流したほうが効きは早いだろう。
問題はサスケの記憶に残っていないか、だが……残っていないことを祈るしかない。少し時間をおいてサスケにも中和剤を注射しよう。
ローションやら精液でドロドロの身体を流しにシャワーに入ってから、腰にタオルを巻いてサスケの様子を見に行く。
同じようにローションやら何やらでぐちゃぐちゃなその身体を温かいタオルで綺麗に拭いて、中和剤を打って服を着せた。
数時間後、目を覚ましたサスケがリビングまでやってきた。
「おはよ、身体の調子はどう?」
「身体は問題ない……が、俺はなんであんたの家にいるんだ?」
「任務でちょっとしくじってね、腰の痛みは大丈夫?」
「任務で……? 覚えてないな、何があったんだ?」
本当のことを言うわけにはいかない、さてどうするか。
「ま、おいおい話すよ。身体が大丈夫ならよかった。」
にこっと笑いかけるが、サスケは真剣な顔つきなままだ。
「……変な夢見て、その夢の中で俺……」
まさか覚えてるのか、それは……まずい。
「夢は夢でしょ、気にすることないよ。」
「……そう、だな。」
納得がいっていない顔だけど、たぶんセーフだ。たぶん。
「けど、ちょっと忘れられない夢だった。また夢の中みたいにあんたと……いや、何でもない。」
セーフ……なのかそれ、いやこっちから深掘りしてはだめだ。
「俺と? 修行でもしてた? 修行ならいつでも見てやるよ。」
「あ、いや……それも嬉しいんだが、……やっぱりいい。たぶんただの変な夢だ。任務でしくじったんだよな、俺。面倒かけて悪かった。」
サスケはリビングを突っ切って玄関に向かい靴を履き始めた。どうにか誤魔化せた。変な部屋に閉じ込められた挙句セックスしたなんてとても言えない。
「今日は帰ってゆっくり休みな。」
先生の顔を崩さないままサスケに笑いかける。サスケは「お邪魔しました」と言って出て行った。
言えるわけがない。
変な部屋に閉じ込められてカカシとセックスをしてそれがめちゃくちゃ気持ちよかった夢だなんて。その夢みたいにセックスをしたいだなんて。
夢の中の感覚を思い出しただけで顔に熱が集まる。
夢は夢、なんだけどどうしてそんな夢を見てしまったんだろう。俺は自分で気がつかないうちにカカシをそういう目で見てしまっていたんだろうか。
カカシとサスケ、それぞれに疑問を残したあの部屋の主は、その二人の様子を見て笑った。


