先頭車両
電車の中で
カカシはサスケの中からそれをぬるっと抜くと、ゴムを外して結んで捨てて、ティッシュで軽く拭いた後、またゴムを着ける。
「え、もう終わって……」
「時計見てみな?」
サスケが時計を見ると、まだ一時間しか経っていない。約束したのは、二時間……つまり、まだ残り一時間カカシとラブホで過ごさなければならない。
「……っ!」
「はい、二回目いくよ?」
「……ぁ、」
カカシが後ろの穴にそれを押し付けた。
「あ、はぁっ、はぁっ、……っ」
二回目のセックスが終わり、サスケは荒い息をしながらゆっくり起き上がる。
股関節の痛み、カカシのものが抜けた喪失感、そしてじわりと残る羞恥心。
カカシはゴムを捨てるとサスケに手を差し出した。
「シャワー浴びよ? それでちょうど二時間くらいだから。」
サスケはその手を取ると、立ち上がって浴室に向かう。
「気持ちよかったでしょ、淫乱で変態のサスケ君?」
サスケの顔に熱が集まる。
「淫乱でも変態でもないっ……!」
「もっともっと、って今日何回言った? 電車でおっさんにもっと奥まで挿れて欲しかったって言ったのは誰?」
「……っ!!」
「それで淫乱でも変態でもないっての?」
「それ、は……」
「ほらシャワー、浴びるよ。」
カカシが温度を調節したシャワーヘッドを上部に引っかけた。
脱ぎ散らかされた服を着こんでいるとスマホがタイマーの音を鳴らす。
それを止めると、カカシが「ほらピッタリ」と肩に手を置いてスマホを覗き込む。
「ところでいつも何時にどこから乗るの?」
「七時半にA駅だけど……」
「じゃ、俺もその駅から乗るから。七時十五分に改札で待ち合わせね?」
「は? なんで……?」
「サスケを痴漢から守るためだよ?」
カカシがにこっと笑う。
……そういうことなら。
「わかった。七時十五分に改札だな。」
二人とも服を着こむと、部屋の外に出てカードキーで鍵を閉めた。
明くる日、サスケは少し早めに家を出た。駅に着いたのは七時ちょうど。
カカシが来るまで待とうと思っていたら、すぐにカカシもホームからやってきた。
「おはよ、サスケ。」
「おはよ。……頼んだぞ。」
「うん、けどその前に準備して行こうか。」
準備? なんの準備だ?
カカシに手を引かれて歩いていくと、そこは多目的トイレ。
「……何するつもりだ。」
「まあまあ、ほら、ズボン下げて後ろ向いて。」
そう言いながらカカシはビジネスバッグからローションを取り出して右手に垂らす。
もしかして、今からするのか?
期待してしまう自分が嫌だった。けれどドキドキしながら待つ自分がいるのは事実だ。
ズボンとパンツを下げてまたおむつ代に手をついた。
すると、カカシの指が一本ぬるりと入ってくる。
「んっ……!」
指はピンポイントでそこをしつこく撫でながら、出たり入ったりを繰り返す。
「あっ、あ、んっ! はぁっ、あっ!」
二本目。穴を拡げるような動きをしながら、そこを撫でるのはやめない。
異物感も圧迫感も感じなかった。ただ気持ちいい。もっとしてほしい。もっと指を増やしてほしい。
その願望が聞こえたのか、指が三本に増えて中を押し拡げていく。
「あ、あっ、っあ! カカっ、ぅあっ! はぁっ、」
ああ、挿れて欲しい。カカシのを。三十分に電車に乗るまでまだ時間はある。ガンガン突いて、中に出してほしい。
しかし、指が抜けていき、代わりにあてがわれたのはカカシのものではなかった。表面は少し柔らかくて、指よりも太くて、でもカカシのよりは細くて、それが中に抽送を繰り替えりながら入ってくる。
「ッカシ、何挿れ……!」
奥までそれが入ると、カカシはサスケのパンツとズボンを上げてベルトを締めた。
中に感じる異物感。カカシが目の前に小さなリモコンをみせて、「弱」までダイヤルを回すと中でそれが動き始めた。時折そこをえぐるように動いて思わずビクッと身体が震える。
「っえ? あっ、あ、っ、んっ! ……く、はぁっ、あっ……!」
カチ、とダイヤルを元に戻す。
「弱でも気持いいでしょ? これ挿れて電車乗ろうか。」
にこっと笑うカカシ。
サスケの中でうごめいていた玩具はもう異物感ではなく快感を拾うものになっていた。
「はぁっ、こ、の、まま、……!?」
「大丈夫、今日は弱までしか動かさないから。」
そういう問題じゃない。
「きっと気に入ると思うよ? 淫乱で変態な子には特に、ね。」
それが入っているだけで、じんわりと気持ちよさを感じる。なのに、リモコンまで?
カカシに背中を押されながらホームまで行くと、次に発車する時間を見てカカシはスマホに何か打ち込んでいる。
「次は各駅停車か、ちょうどいいね。」
何がちょうどいいんだ。何を考えてるんだ。
後ろに入った玩具がじんじんと気持ち良くて声が出そうになる。
リュックを背中から前に持ち帰ると、カカシがスイッチを入れて思わず前のめりになる。
「っ、はっ、ぁ、ぁ、」
ずんと襲ってくる快感の波に、身体がビク、ビク、と震える。
ホームに各駅停車の電車が滑り込んできて、カカシはスイッチを切った。いつもの先頭車両に乗り込むが、今日は壁際のポジションを取れなかい。でも代わりに、目の前にカカシがいる。痴漢に遭っても助けてくれるはずだ。変な玩具は入れられたけど……。
七時十五分発の各駅停車の電車はゆっくりと動き始めた。
電車に乗ってからしばらく、カカシがリモコンを操作する様子はなかった。けれどその存在感だけで、じんわりとした気持ち良さが頭をいっぱいにする。
次の駅に止まって人の波がドアに向かった瞬間、スイッチが入った。
「あ、あっ! は、あっ、あ、ああっ!」
前に抱いたリュックをぎゅっと抱きしめながら快感に震える。周りの人は一斉にホームに向かって行ってサスケのことなんか見ちゃいない。
新しい人波が電車の中に入ってきて、サスケとカカシは壁際に追いやられた。ただし、壁を目の前にするポジション……最初に痴漢に遭ったときと、同じ。向きを変えようとするが、スイッチの入った玩具がそこを刺激するたびに声を漏らしながら前のめりになって壁に頭をつける。
電車が動き出すと、スイッチが切られた。でもスイッチが切られた後も、その存在感に頭が侵されていく。
疼く快感を荒い息で堪えていると、尻に誰かの手の甲が当たった。
その手はサスケの中に玩具が入っているのに気づくと、手のひらで尻を揉み始める。
「ッカシ、痴漢っ……!」
小声でカカシに訴えるが、助けるどころかカカシは玩具のスイッチを入れる。
「っぁ! はぁっ、あ、っん! あっ、」
痴漢の手がベルトに手を伸ばして取り払い、ズボンとパンツを下げるとそこに入っている玩具の形を確認する。小さな輪っかに指を通して、痴漢はスイッチが入ったままのそれを出し入れし始めた。
「っく、あぁっ! あっ、は、あ、ああっ、はぁっ、あっ!」
頭が真っ白になりそうだった。思いきり喘ぎたい。けどここは端とはいえ電車の中。守ってくれるはずのカカシも助けてくれない。なんで? これじゃ話が違う。
痴漢は玩具をぬるっと抜くと、ゴソゴソと動いた後、すぐにサスケの尻に熱くて硬いものを押し付けた。
挿れる、気だ……!
「カカシっ、おい、カカシ……!」
穴の位置を確かめて、ひくひくと疼く穴にピタと照準を合わせてぐぐっと中に沈めていく。たっぷりローションをつけた玩具を挿れていたからか、そこはぬるっとそれを受け入れた。何度か出入りしてサスケのそこを探り当てると、そこを擦りながらピストンを始める。最初にされた痴漢よりも大きくて、奥まで届きそうなところまで入っては引いていく。
「はぁっ、あっ……! あ、はぁっ、はぁっ、あっ!」
ゆっくりとした動きなのに、そこを擦られる度に声が漏れる。もっと奥、もっと早く、もっと、そう思っている自分に気がついて頭をぶんぶん振る。
「玩具より本物の方がいいだろ……?」
右耳に吐息がかかる。ぞくっと背中を駆け上がるのは嫌悪感か、快感か、もうどっちだかわからない。
「はぁっ、カシ、カカシっ、止め、あっ! はぁっ、あっ」
各駅停車の電車はすぐに次の駅に止まる。
人の波が動き始めると痴漢はその腰をぐいっと引いてサスケの奥にそれを押し付ける。
「っあ! あ、ああ、あっ、お、く……! はぁっ、あっ……!」
待ち望んでいた刺激にビクンと身体が震えて、中がきゅうきゅうと締まる。サスケは中イキしていた。
新しい人波が電車の中に入ってきてまたギュウギュウ詰めになる。
痴漢のそれはサスケの奥に入ったまま小刻みに刺激し続けた。
「やっ、あ、あっ! あ、は、ぁっ」
電車が動き始めると、また奥に届かないところでのゆっくりとしたピストンを再開する。その度にそこをえぐるように押し付けながら動いた。
「あ、はぁっ、はぁっ、んっ……! あ、はぁっ、あっ!」
サスケは震えながら小さい声で喘ぎ続ける。周りの人は気づいていなさそうなのが幸いだった。
電車が駅に止まる度に痴漢はサスケの腰を引いて奥まで突き上げ、サスケは中イキする。
気持ちいい、気持ちいい、もっと、もっと奥に、もっと早く。ゆっくりとした浅い動きではそれが叶わないもどかしさに、サスケの腰が動く。ゆっくりとしたピストンが奥に届くようになって、サスケは夢中になって腰を動かした。
「とんだ淫乱だな……話に聞いた通りだ」
また右耳に吐息がかかる。話? 何のことだ? 奥に突き上げられてその疑問もぐずぐずになる。今はもっとこの快感を感じたい。気持ちいい、もうそれしか考えられない。もっと感じたい。
痴漢の腰の動きに合わせて腰を振る。奥まで届く。もっと早く。そう思っていたらカカシが痴漢の後ろにポジションをとった。ヒソヒソ何か話したかと思うと、ぐんとピストンが早くなる。
「あっ! あ、はぁっ、あっ、あっ! ……んっ、はぁっ、ぁあっ!」
サスケもその動きに合わせて腰の動きを早くすると、一際奥に突き上げられた。
「っあ……っ!!」
またサスケがビクンと震えて中イキする。すると、中のものもビクビクと震えるのを感じる。――痴漢が、射精した――。
何度か出し入れをしてから、そこから痴漢のそれが抜けていく。代わりに玩具があてがわれて、ぐぐっと一気に奥まで挿れられた。
「あ、あ、あっ、……っ!」
思わず漏れた声に周りを伺うが、サスケに興味を持っている人はいない。よかった、聞かれてない……。
間もなく学校の最寄り駅に着くとアナウンスする声が聞こえてくる。
痴漢は玩具を中に入れたままパンツとズボンを上げて、ベルトを締めるとカカシと入れ替わった。
「っ、カカシっ! 話がちが――あっ、あ!」
スイッチを入れられると頭が真っ白になる。
最寄り駅に着いたところでまたスイッチが切られた。
降りる人波に荒い息のサスケも交じっていく。
ホームに出て人の少ない場所に行くと、後ろから着いてきていたカカシの胸ぐらをつかんだ。
「おいっ! 痴漢から守るって話は、どうなったんだよ!!」
「あー、さっきの人はね、俺の仕込み。気持ち良かったでしょ? 痴漢のちんこで何回も中イキしてほんと淫乱で変態だね?」
「は? 仕込み!?」
「何回も言ってたじゃない、サスケ。浅いのが嫌だったって。奥まで挿れて欲しかったって。実際、気持ち良かったんでしょ。」
気持ち良かった。何回も中イキした。腰を動かすと奥まで当たるのがたまらなかった。
最後ピストンが早くなって耐えられないくらい気持ち良かった。
「だからって……!!」
「それよりそれ、入れたまま学校行くの?」
カカシがまたスイッチを入れる。
「あっ、く、あ、あっ、はぁっ、あ、ああっ!」
荒い息で前のめりになるサスケの背中を押して、いつかの多目的トイレに入るとカカシは鍵を閉めてサスケのパンツとズボンを下ろす。
輪っかに指を入れて一気に抜くと、サスケはガクガクしながら「うああっ!」と喘いだ。
時間は七時四十五分。
抜けた玩具の代わりにカカシがゴムを着けた自分のそれをあてがうと、そこを擦りながら一気に奥まで貫いた。
「あああっ!! あ、あっ、」
もう声を殺す必要はない。
遠慮なしに奥までガンガン突くとサスケは応えるように喘ぐ。
「はっ、あ、あっ! っあ、はぁっ、あっ! あ、っあ!」
「さっきの人とどっちが気持ちいい? ねえ、どっち?」
「あっ! どっちもっ、あっ、あっ! どっちもっ、きもちいっ、あっ!」
「やっぱり電車の中でされるのが好きなんだ? ほんと淫乱で変態だねっ!」
奥に挿れたそれを更に奥にぐぐっと押すと、ぬるっとその奥にカカシのそれが入る。
「あ゛っ……!! や、あ、あっ、あ゛っ!」
「ああ……きもちい。S状結腸、入っちゃったねぇ?」
ぐぽ、ぐぽ、と結腸に入れたり出したりを繰り返す。
「それっ、あっ! やめ、や、あ゛っ! あ、ああっ!」
「こっちの方が好き?」
カカシはサスケの腰を掴んでそこをなぞりながらの高速ピストンに切り替える。
「あっ! 好きっ、あ、あっ、あぁっ! 好き、好きッ!!」
「じゃあこのままイクよ?」
「あっ! もっと、あ、あっ、カカっ! もっ、あっ! あ、ああっ、あっ!!」
「学校に遅れるよ? ほら、イキなっ!」
「あっ、あああっ! あ、あっ! ああっ、……っぁ!」
ビクンッとサスケの身体が震えて中がきゅうきゅうと締まる。
「あー、……気持ちいっ」
痙攣する中を何度か行き来して、カカシもドクッドクッと中に射精した。
サスケが膝を折ってはぁっ、はぁっと荒い息を繰り返す。そうしている間にカカシはゴムを捨ててウェットティッシュでそれをきれいに拭き、服を整えていた。
「サスケ? 大丈夫?」
「るせぇ……」
「で、もう一回聞くけど電車とトイレ、どっちの方が気持ちよかった?」
「答えねぇぞ……!」
「どっちも良かったんだ?」
「……っ!」
みるみるうちにサスケの顔が赤くなっていく。
「やっぱり淫乱で変態だ。」
カカシは愉しそうに笑いながらサスケを見下ろした。