秘密の関係

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2024年3月24日成人向,長編,現代パロ,連載中,カカサス小説エロ,やおい,変態,玩具,自慰

保健室

 2時間目が終わるチャイムが鳴って皆席を立った。俺は前の席の犬塚の肩を叩く。
「頭痛えから保健室行くって現国の先生に言っといてくれ」
 そうして予定通りカバンを持って教室の後ろの扉から廊下に出る。保健室に向かいながら胸がドキドキしてきた。これから俺は授業をサボってカカシと……。
 保健室の扉の前に立つと中から女子の声が聞こえてくる。もしかして他にも体調不良者がいるのか、と思ったらどうやら雑談をしに来ているだけらしくゲラゲラ笑っている声だった。
 扉を開けて中に入るといかにも体調が悪そうな顔を作り、椅子に座って女子の相手をしている先生に目を向ける。
「先生、頭が痛いんですが……」
 先生は俺の顔を見てから女子たちにしっしっと手を振って
「ほら病人が来たから早く帰えんなさい」
 と追い払ってから、俺に向き合ってニコッと笑った。
「とりあえず横になる? 熱計っとこうか。」
 立ち上がって、ふたつあるベッドの内のひとつをカーテンで仕切る。女子二人は「失礼しましたぁー」と言って保健室から出て行き、扉を閉めた。
 ベッドに座りながら、俺はカカシの方を見る。
「なぁ、あんた女子には興味ないのか? なんで男の俺なんだ?」
 カカシはカーテンを閉めると、ニコニコしながら答えた。
「女子は駄目だね、口が軽いから。」
 ……ということは、女子にも手を出した事があるらしい。なんて教師だ。
「今まで……何人と、その、やってきたんだよ。」
 カカシは一旦カーテンの外に出て、自分のカバンを持ってまた中に入ってきた。
「さぁて、どうだったかなぁ。」
 ……俺はたくさんいる中のひとり、に過ぎないのか。そう思うと、何だか悔しい。俺ばっかり好きになって、バカみたいじゃないか。
 俺の隣にカカシが腰を下ろすと、顎をくいと上げられる。
「でも本気で好きになったのはサスケだけだよ。」
 ……うさんくさい笑顔。
「どうせ全員にそう言ってきたんだろ。」
「ひどいなぁ、なんでそう思うの? 俺を信じてよ。」
「信じられる要素がどこに……っ」
 唇が合わさり、カカシの舌が入ってくる。そういうところだよ。そういう小慣れた感じが、信用できないんだ。キスをしながらゆっくりとベッドに上半身が沈んでいく。パリッとしたシーツと枕が、ああここは保健室なんだと思わせた。靴を脱ぐとベッドの上に上がり、少し遅れてカカシもキスをしたまま俺の上に覆いかぶさり、ベルトに手をかける。すぐにズボンと下着は取り払われて、更にシャツのボタンも外し始めた。その慣れた手つきが、今日は妙にイライラする。今まで一体何人の生徒にそうしてきたんだ。それで、今は俺で遊ぶ番か。カカシの肩を押して唇を離す。
「……なんか萎えた。やっぱりやんねぇ。」
「俺は準備万端なんだけど。」
「知るか。オナニーでもしてろよ。」
 上半身を起こしてベッドから降りようとすると、肩を抑えつけられて再び上半身がベッドに沈む。
「……言っとくけど、ここまできて逃がさないよ?」
 そう言うカカシの目は、捕食者の目だった。決して愛する人に向けるそれではない。
「いい感じに本性が出てんじゃねえか。やっぱりあんたにとって俺はただの……」
 ただの都合のいい、ヤれる生徒の内のひとり。

 膝を曲げられ、そのまま腰を折られると臀部が丸出しの状態になる。サスケに覆いかぶさるカカシはその膝を曲げたまま体重を乗せて動けないようにすると、いつの間に出したのかローションを右手に垂らして後ろの穴に指を添わせた。
「余計なことは考えずに、今はこの状況を楽しもうよ。」
「楽しめるか、……っ!」
 ぬるりと入ってきた指がぷっくりとふくれたそこをなぞる。声が出そうになるのを堪えてカカシを睨むがどこ吹く風。ボタンの外されたシャツの下の肌着をたくし上げられ、胸の突起に口をつけられると甘い痺れるような感覚が走る。なんだこれ、今までこんな事……。
「乳首もいい感じに開発出来てきてるじゃん?」
 れろ、と舐められるとピクンと反応する身体。乳首で感じてる? まさか、そんな。
「っぁ……!」
 中をぐりっと撫でられて、思わず声が漏れてしまった。
「気持ちいいときは素直に喘げばいいんだよ、うちはサスケ君。」
 指が出入りするたびにそこを強く撫でていく。加えて乳首への刺激。
「……っ、……、はぁっ、や、め……く、っ……!」
 だんだん指が中に馴染んでいくのがわかる。俺はカカシの肩を両腕で押して上半身を離す。しかし下半身は完全に抑えつけられていて動かせない。ぬるっと指が抜けて二本になって入ってきた。内壁を押し拡げられながら、着々とセックスの準備が進んでいく。
「どけ、よ、もう、あんた、とは、っ!」
「どかないし最後までするよ? ……嫌がってるのを無理やりするのも……まぁ、悪くない。」
 また中をぐりっと撫でられて肩を押す手の力が弱まる。カカシは口角を上げて俺を見下ろしながら、俺の反応を見て楽しんでいた。
「見える? 俺のちんこ。いつもは見えなかったでしょ? これを今からここに入れるんだよ。お前の中にどんどん入っていくのが今日なら見れるねぇ。」
「やっ……! め、ろ……! 大声っ出すぞ……っ!」
「……じゃあ出せないようにしちゃおうか。」
 カカシは後ろから指を抜くとカバンの中を漁り、ハンカチを取り出した。それをくしゃくしゃと丸めて、俺の口の中に突っ込むと、頭上に左手で俺の両腕を抑え込む。
「っ! んうう!!」
「ほら大声出せない。」
 ニコッと笑ういつもの笑顔。その笑顔のままで三本の指を中に挿れていく。その指を出し入れしながら、そこをなぞりながら、いつものように奥まで中を押し拡げて、俺はされるがまま成す術もない。
 こんな奴だったなんて。悔しい。俺を好きだって言ったのも全部方便で。俺は今まで食ってきた生徒の内のひとりでしかない。こんな奴を好きになっていただなんて。こんな奴にいいようにされるなんて。悔しい。悔しいのに、中は快感を拾ってしまう。きっとあのでかいので奥を突かれたら、きっと気持ち良くて頭が真っ白になってしまう。嫌だ。そんなの嫌だ。でもどうにもすることが出来ない。
 指が抜かれて、いよいよそこにカカシのものがあてがわれる。カカシは口角を上げて俺の顔を見ながらゆっくりとそれを中に沈めていく。
「ほら、入っていくよ? お前がしたくないセックスを、今からお前はされるんだよ。どんな気持ち? ……ああ、言いたくても言えないか。」
「っ……う、んぅっ……!」
 ゆっくりと時間をかけて奥まで挿れると、抽送が始まった。中のそこをなぞりながら奥まで突く、しっかりと指で慣らされたそこはぬちゅぬちゅと音を立てながら出入りを繰り返している。それを見ながら、中で感じながら、くぐもった声を出す。にじみ出てくる涙。嫌だ。こんなの嫌だ。嫌なのに気持ち良くて思考が飛びそうになる。俺の一番気持ちいい角度で、なぞり方でゆっくりと、時折気まぐれに早く繰り返される抽送。いつの間にか両腕の拘束は解かれていた。それに気がついたとき、すぐに口からハンカチを出すと喉から出てくるのは喘ぎ声。
「あっ! あ、あっ! ぅあっ! や、あぁっ! は、あっ、んぁっ!」
「そう、サスケはそれで良いんだよ。何も考えずにただ感じて、喘いで、一緒に気持ち良くなろう?」
「いや、あ、あっ! だめ、だめっ、あぅっ! あ、きもちい、い、あ、あっ、あああっ!」
 無意識の内に俺の腰も動いていた。より深くカカシのものが入るように、より気持ち良く中をなぞるように。その動きに合わせて、カカシも腰を動かしていく。
「やめっ、や、あっ! あ、ぅあっ! あ、あああっ! きもちいい、だめっ、あぁっ!!」
 やだ、いやだ、やめてくれ、そう思いながら、身体は一度覚えた快感を手放そうとしない。カカシがもたらす快感は、いつも俺をおかしくする。
「あっ、あぁん! あ、あっ、あ、カカ、あっ! いく、あっ、いく、いくっあ、あっ……!!」
 背が弓なりに反ってビクンッビクンッと身体が痙攣した。カカシもキュウキュウに締め付ける中の奥に突きつけて精を飛ばす。そのまま、奥で繋がったまま俺は荒い息を吐きながら時折ピクンと身体を揺らした。
「はぁっ、はぁっ、あ、あっ、はぁっ、」
「はぁー、はは、あはは、ねえサスケ、今俺の話聞ける?」
 奥にぐりぐりと押し付けながらカカシは俺の目を見る。頭はまだイッた余韻に浸っていた。けど目には涙がにじんでいる。したくなかった。こんなセックス。したくなかったのに。
「俺、サスケのこと好きだよ。これ本当。今までまあ……関係を持った子はいるけど、本気で好きになったのはサスケだけ。」
 嘘だ、そんな言葉、信じない。これからもこの関係を続けていくための方便に決まってる。そんなカカシとセックスなんてしたくなかったのに、したくなかったはずなのに、俺は自分から腰を振って、思いっきり喘いで、激しくイッて、まだカカシと繋がったままでいるこの現実に耐えられない。視界がじわっと滲む。
「うそ、つき……。」
 涙がこぼれそうな目を両手で隠す。それをお構いなしに、カカシは俺を抱き寄せる。
「どう言ったら伝わるかなぁ……。」
 ぎゅっと抱きしめられて、たまらない想いが溢れてくる。俺だって好きだ、好きだった、好きだったけど、俺はカカシにとってたくさんいる中のひとり。
「本当だよ、サスケ。好きだ。大好きだ。今日はちょっと意地悪してごめんね。でも本当にどうでもよかったら、ただのたくさんいる内のひとりだ ったら、萎えたって言われた時点で俺も辞めてたよ。でも俺はどうしてもサスケとしたかったの。なんでかわかる?」
「っかんねぇよ……! 信用も出来ねえ……離せよ、もう抜けよ!」
「やだ。わかってくれるまで離さない。サスケが好きだからだ。サスケが好きだからサスケとたくさんキスしたいしたくさんセックスだってしたい。本当に好きなんだ、本当に……。」
「……どうせ、全員に同じこと言ってんだろ。クズ教師……。」
「……クズなのは認めるけど、俺は嘘はつかない。お願いだから信じて。」
 押し問答だった。俺は信じられない。カカシは信じろと言う。ずっと平行線をたどっていくばかり。そんな中で、まだ中に入っているカカシのものがピクンと動いた。少しずつ大きくなっていく。
「信じてくれないなら、もう一度セックスする。何度でもする。何度でもしたいくらい好きなの、わからない?」
 全く分かんねえ! 訳わかんねえことばっかり言いやがって!
 しかし確かに俺の中でカカシのが存在を主張し始めている。何度でもしたい……というのはとりあえず嘘ではないらしい。
 ただ今の心境のまままたセックスなんてごめんだった。
「……わかったよ、言いたいことはわかった。ただあんたの言うことを信じた上で、俺がどう考えるのかは別だからな。わかったら抜け、離せ!」
 カカシの腕が緩んで股から勃起したそれもずる、と抜けていった。俺はシャツのボタンをはめてベッドの下に落ちていたズボンと下着を履くと、バサッと布団を被って横になる。
「ベッドにいられると襲いたくなるんだけど……。」
「無理やりしたことを反省する気持ちが少しでもあるならカーテン閉めて大人しく仕事してろ。」
 カカシは何とも言えない顔でカーテンを閉めると、隣のベッドのカーテンも閉めて何やらし始めた。多分シコってるんだろう。俺には気持ちの整理をする時間が必要だった。
 カカシは今までも俺以外に男女問わず手を出してきたクズ教師だ。だけどカカシ曰く好きになったのは俺だけだと。だからセックスがしたくなるんだと。それはわかる。カカシを好きな俺もカカシとはキスもしたいしセックスもしたいと思う。だけど元々がクズ教師だ。そんな奴と、俺はこれからも同じ関係を続けていくのか? ……正直なところ、嫌だった。そんな獲物を見つけては手を出してきたような人間と、今までと同じように……とは思えない。いくら俺がカカシが好きで、カカシも俺を好きであっても。いくらカカシとのセックスが気持ち良かったとしても。
 ……俺はどうしたらいい。どうするべきなんだ。
 3時間目が終わるチャイムが鳴るまで、ベッドの中で考え続けた。けれど結論は出なかった。

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