秘密の関係

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2024年7月6日成人向,長編,現代パロ,連載中,カカサス小説エロ,やおい,変態,玩具,自慰

自分の部屋で

 カカシの車に揺られながら、サスケは試験管で自慰をした感覚が忘れられないでいた。カカシがいなくても気持ちよくなれる……その事実はそれなりに衝撃的だったし、またやってみたくもなる。カカシの顔を伺った。
「カカシ、あのさ……。」
 運転をしながら、カカシは視線だけサスケに向ける。
「ん、どうしたの。」
 それを言うのはサスケにとって勇気のいることだった。でも好奇心という誘惑には勝てない。
「あの……動画、俺にも、送ってくれないか。」
 予想通りにカカシは目を見開いた。サスケを脅しに使ったあの動画を、サスケ自身が欲しいと言うのだから。
「……オナニーにでも使うの?」
 図星をつかれて、思わず俯く。やっぱり恥ずかしい、言わなかったことにしよう。
「いや、やっぱりいい、変なこと言って悪い。」
「後で送ってあげるよ。でもあんまり変なものお尻に挿れちゃダメだよ。」
 カカシの顔を見上げると、正面を向きながら涼し気な目をしている。その口元は笑っているんだろうか。マスクをしているから見ることはできない。
 あれだけたくさんしたっていうのに、サスケの中はまだ僅かな疼きが残っていて、穴もヒクヒクと動いているのを感じていた。あの狂おしい程の快感を、もしも自分の手で生み出すことが出来るのなら。試してみたいと思うのは、この年頃なんだから仕方がない。
 サスケのアパートの前で車が止まって、カカシがシートベルトを外して外に出る。サスケもシートベルトを外してドアを開けると、カカシが手を差し出していた。足を車の外に出して、その手を握るとぐっと引っ張られる。勢い余ってカカシの胸に顔が埋まって、胸がドキンと高まった。
「ほら、肩。」
 胸から顔を離して左腕をカカシの肩に回すと、カカシは左手でしっかりとその腕を掴んでゆっくり歩を進めて車のドアをバタンと閉じた。
「二階だっけ?」
「203」
 肩を支えられ、腰に手を添えられながらアパートの外階段を上がっていく。203号室の扉の前に来ると、ポケットから鍵を出して鍵穴に差し込んでカカシを見上げる。
「ここまででいい、助かった……っても元はあんたのせいだけど。」
「うん、ま、ゆっくり休みな。また明日。」
 カカシは肩からサスケの腕を下ろして、玄関に入っていくのを見守ってから、また階段を降りていった。
 
 家の中に入ったサスケは鍵を閉めると、壁を伝ってどうにかリビングまでたどり着く。そしてぐるりとあたりを見回して、ちょうど良いものが何かないか探した。棒状で……指2~3本くらいの太さで……。ふと目に着いたのが、工具箱。蓋を開けると、プラスドライバーがまず目に入る。……指3本分くらい……でも、短い。ドライバーを工具箱に戻すと、次に目に入ってきたのがトンカチ。柄の部分は指2本……3本分くらいだろうか。長さは十分だし、角も丸いから痛くはないだろう。サスケはトンカチを持って工具箱の蓋を閉め、また壁を伝いながら自分の部屋に入るとカバンを机の上に置いてベッドに倒れ込む。
「ああ……すごい日だった……。」
 保健室でして、準備室、職員室前のトイレ、でまた準備室……その上イキまくってもう本当にどうにかなるかと思った。それなのに。それなのに今サスケはトンカチを手にベッドに横たわっている。時間は17時半、兄さんが帰って来るまで1時間ある。十分だ。ベルトを外してズボンと下着を脱ぎ捨てる。仰向けになって足を開き、穴に中指を入れてみると中はまだ緩んでいてローションも多少残っているのかあまり抵抗感は感じなかった。……いける。
 壁を背に座り直した。足は開いたまま、指2本しっかり舐めて唾液をつけてから穴に埋めていく。スムーズに中に入っていくのを確認して、あの場所に指を伸ばすがやはり届ききらない。トンカチを見つめて、その柄を口に含んだ。たっぷりと唾液を絡ませて、口に入りきらなかったところも舐めしゃぶり、息を呑みながらそこにあてがうと、ゆっくりと挿れていく。
「もうちょっと……内側……っあ」
 ……とど、いた。
 慣らすようにゆっくりと抜き差しを繰り返しながら、もう一方の手で前を扱く。
「……っあ、あ」
 そこに、ピロンとスマホが通知音を鳴らす。
 兄さんからかもしれない。
 ズボンのポケットからスマホを取り出してロックを解除すると、それはカカシからのメッセージと動画だった。例のやつだ。ベッドに座り直して、動画を再生しながらさっきと同じ体勢になってまたトンカチの柄を挿れながら前を扱く。
「あっ、あ、これっ、やばっ……! は、止まらなっ……!」
 動画の中のサスケは抵抗しながらカカシの指を受け入れていた。あの時の感覚を思い出しながらトンカチを動かしていく。そこに当たるように。どんどん手の動きが早くなっていく。
「あっ、あ、気持ちいっ、んっ、っあ、あっ!」
 ぐり、と強く擦るとビクンと背をのけぞらせた。気持ちいい、もっと、もっと強く。動画の中の自分の眉がどんどん下がっていく。潤ませながら薄目を開いてだらしなく口を開けて……俺いつもこんな顔してるのか? ……今の俺も?
 カカシが挿入していよいよセックスが始まると、トンカチの柄を限界まで中に押し込んだ。奥まで届いたものの、やっぱりなんだかカカシのものとは違う。何度か奥まで抜き差ししてみて、これは違うなと判断し、再びあそこに当たるように戻すと突く度にズンと快感が駆け上がる。
「あっ、あ、あっ! だめ、だめ、あぅっ! はぁっ、あっ! ぁあっ!」
 突くたびに次の刺激をと疼く中、どんどん強く早くしていくと当然のように高まっていく快感。動画の中の俺が喘ぎ始めて、ハンカチ取ったんだなとぼんやり思いながら腱鞘炎になるんじゃないかというくらいにトンカチを動かし続ける。身体をのけぞらせながら次第に抜き差しではなくそこをひたすら突くだけの動きに変わって、俺は喘ぎというよりは悲鳴のような声を上げていた。
「あああああっ!! あっ、あ、あああああっ!! いっ、だめいくいくああああっ!!」
 気づいた時には射精していた。でもそんなことどうでもいいくらい中イキし続けていた。ズンズン突き続ける限りイクのが止まらないんじゃないか、どこかで止めないと、止めれない、気持ちいいなんて言葉で言い表せない絶頂の連続。動画はとっくに終わっていた。俺は最後にゴリィッとそこを抉ると声にならない叫びを上げて、くたっと全身の力を抜いた。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ、っぁ、っまだ……」
 これだけイったのにまだ中が疼いている。一体どうしたらこの疼きはおさまるんだ。中に入ったままのトンカチを少しだけそこに押し当てる。
「あ……気持ちいい……」
 ぐり、ぐり、ぐり、と絶頂の余韻に浸りながら甘い快感に浸っていると、スマホがピロンと通知音を鳴らす。
 ロックを解除すると兄さんからだった。
『今日の晩ごはん何にした?』
 ……しまった、ごはん当番の日だった。でも腰が立たなくて……というより今は全身に力が入らなくてとても調理なんてできないしもう時間もない。
『伝えるの遅くなってごめん、腰やっちゃってまともに立てなくて作れなかった。』
 ピロン
『腰? 大丈夫か? 怪我か? 大丈夫だ、コンビニで何か買ってくる。何が食べたい?』
『じゃあ、……親子丼』
 ピロン
『サスケー? 動画見た?』
 ピロン
『わかった、とりあえず俺が帰るまでベッドで横になってなさい。』
 ピロン
『見た』
『ありがとう兄さん、そうしてる。』
 ピロン
『エロかったでしょ。シコった?』
 ピロン
『湿布も買っていくから、帰ったら貼ってやるからな。』
『シコっ……た』
『ありがとう、兄さん』
 ピロン
『何その含みのある言い方』
『いや、中も……』
 ピロン
『へぇ? 指で弄った? 何か入れたの?』
『トンカチで……』
 ピロン
『動画見ながらケツオナしたんだ? 今度それ動画に撮ってよ。』
『それどうするつもりだよ』
 ピロン
『二人でそれ見ながらセックスする。』
 ピロン
『買ってきた。あと10分くらいで帰るからな。』
『動画のデータは渡さねえぞ。』
 あ、やばい間違えた。
 ピロン
『動画のデータ? 何の話だ?』
 どうしよう、ていうかあと10分? 早くこれ片付けないと! って兄さんにどう言えば良いんだ。ああもうやっちまった!
『ごめん、友達と間違えて送った。』
 ピロン
『別に良いよ、新しい動画また撮るから』
 ああもうカカシはいい! 兄さんだ、とりあえずトンカチ抜い、て……。
 ぬるっと濡れたトンカチの柄が中から少しずつ出てくるのを見て思わず「エロ……」と呟いてしまった。え? 俺ってもしかしてエロいのか?
 ピロン
『間違いか、でも一体何の動画の話なんだ?』
 兄さんに返信……いや今は片付けが先だ。ティッシュに手を伸ばしてシャツに飛び散った精液を拭うと脱ぎ捨てたパンツとズボンを履いてトンカチを持って洗面所に向かう。シャツを脱いで洗濯機に放り込むとトンカチを水できれいに洗い流してタオルでよく拭き取り、リビングに戻しにいく時間はないと判断してタオルでくるんだまままた部屋に持ち帰る。いちいち移動に時間がかかるのがもどかしい。
 タンスの一番下の段の奥にそれを押し込むとパジャマの上を引っ張り出して羽織った。乱れた布団をふわっと掛け直して、ようやく落ち着いてベッドに横になると兄さんへの返信を考える。
 冷静に、シンプルに考えろ。変な誤魔化しは逆に不自然だ。友達とエロ動画のやり取りをしたことにしよう。……大きな嘘はついていない。
『いや、ええと……言いにくいんだけど、ちょっとエロいやつ……』
 次の通知が鳴ったのは5分後くらいだった。
『まあ、なんだ、見なかったことにしておくから気にするな。』
 兄さんなりの配慮が見て取れた。それが逆に恥ずかしい。顔を合わせづらいが、多分兄さんはなかったことのように振る舞ってくれるだろう。内心どう思われているかは……ともかくとして。
 あとは上だけ着替えてる言い訳だ。これは不自然だ。いっそ下も着替えるべきだったか。いやもう時間がない。どう言えば自然だ? いや、その場しのぎの嘘ほどバレやすいものはないからこれはもう正直に汚したと答えるしかない。その前のやり取りでエロ動画の話も出ているわけだし。
 そうこうしているうちに玄関から兄さんの声が聞こえた。
「ただいま、サスケ大丈夫か?」
 兄さんはまっすぐに俺の部屋の前まで来てノックする。
「大丈夫、なんとか……」
 そっと開いたドアの向こうには買い物袋をぶら下げたスーツ姿の兄さんが心配そうな顔をして立っていて、何とも言えない気持ちが押し寄せてくる。
「立てないくらい痛めるなんて……何があったんだ。」
 言えない……本当のことは絶対に。カカシに言われた通りに伝えるにしても「どうして」が答えられない。
「一応……部活の先生に家まで送ってもらったし、ほんとにちょっと腰痛めただけだから……」
 兄さんは腑に落ちない表情をしながら、買い物袋から湿布を取り出してパッケージを開けていく。
「貼ってあげるから、どこが痛いのか教えてくれ。」
 痛いというか……力が入らないというか……。
 兄さんがパジャマをはだけて腰に手を触れ、「このあたりはどうだ?」と聞いてくる。適当に腰の少し下あたり、お尻の上に2枚貼ってもらうと、はだけられたパジャマが戻された。
「……そういえば、なんで上だけ着替えて……」
 はた、と兄さんの言葉が、表情が止まる。数秒不自然な間が流れた。
「……いや、まあそんなことはどうでもいい。食事はどうする。ここで食べるか。」
 すっと話題を切り替えられて、ああ優しい兄さんのことだからこれは友達とやり取りしたエロ動画を見てオナニーして汚したのだと察してくれたのだろう、と思うと猛烈に恥ずかしくなってくる。
「部屋で食べるよ、シャワーは明日の朝浴びるから食べたらもう寝る。」
「そうか、なら机に置いておくから冷めない内に食べるんだぞ。」
 兄さんは机に親子丼と割り箸を置いて部屋から出て行った。
 俺は深く息を吐いて、腰に貼られた湿布の冷たさを感じながら、机まで移動して親子丼をありがたく頂いた。

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