秘密の関係

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2024年7月6日成人向,長編,現代パロ,連載中,カカサス小説エロ,やおい,変態,玩具,自慰

体験入部

 翌日、部室には2人の女子がやってきていた。サクラとヒナタだ。
「サスケくーん! さっそくだけど、英語一緒にやらない?」
 サスケにかけよるさくらをはたけ先生が手で制する。
「体験入部の2人はこっち来て座って。」
「何ですか……?」
 ふたりは教壇のすぐ前の席に座らされ、一枚のプリントが手渡された。サクラは手に取ってまじまじと見つめる。
「テスト……?」
「これ、入部試験だから入部したかったら正答すること。多少難しいけど学年首位のお前らなら大丈夫でしょ。体験したいだけなら自由にやってていいよ。ただし、俺とサスケの研究の邪魔はしないでね。入部希望ならそのプリントを最終日に提出。以上。」
 サクラがすかさずはい! と手を上げる。
「先生! 先生とサスケ君の研究って何ですか?」
「あー、科学部の大会に向けた研究。本当は自由に過ごしてほしかったんだけどね、上がうるさくて参加せざるを得なくなったの。で、参加するからには賞取りたいから、ふたりで結構真面目に取り組んでるわけ。ああ、ふたりは入部したとしても自由に過ごしてていいよ。入部したとしても、ね。」
 話しながらはたけ先生は後ろの方の席でノートを広げているサスケの方へ歩いて行く。
(何だか……引っかかる言い方が多いわね……。)
 まるで自分とサスケの邪魔をするなと言いたげな。サスケに話しかけるなとでも言いたげな。そして入部させたくないような言いたげな。そしてサスケに対する呼び方。いくら同じ部活で1カ月以上一緒に過ごしているとはいえ、下の名前を呼び捨てにしているなんて。
 渡されたプリントを見返す。物理のテストらしい。まあ、物理の先生だからそれは分かる。分かるけれど……。
「先生、この試験1年生の私たちが解けるんですか?」
 見たことのない単語や単位。最後に証明せよ、とあるから証明問題なのだけは分かるが、問題文自体何が書いてあるのか全然わからない。
「学年一位じゃなかった? 二位のサスケはとっくに2年の範囲も勉強して3年の範囲に入ってるよ。そのくらいこなせるでしょ。」
 はたけ先生は振り返りもせずサスケの隣の席に座って、身体をサスケの方へ向けて机に肘をつきノートを覗き込んだ。
「どこまで進んだ? サスケ。」
 そのふたりの距離の近さにサクラは思わず「えっ?」と声が出てしまう。顔と顔の距離が近すぎる。サスケが顔を上げたらすぐキスが出来るくらいの距離で、ふたりはノートを見ながら話し合っている。
 
 体験入部のプリントを出しに行ったとき、あれだけ嫌そうな顔をしたのは、もしかしてサスケ君とふたりきりの状況を壊したくないから? はたけ先生はサスケ君をそんなにひいきしている? というよりも……気に入っている? そうであればこの試験は、「入部させないための試験」。でもサスケ君はそんな科学部に私たちを誘った……サスケ君は今の状況を嫌がってる? 嫌がっていてもおかしくはない。何しろはたけ先生のサスケ君に対する距離は異常……と思えるくらい近い。……それなら、何としてでも入部して先生とサスケ君の間に割り入らないと。
「ヒナタ、試験頑張ろう。」
「うん……出来ることはやってみる。」
 何はともあれ物理の教科書だ。サクラはまだ習っていない部分をパラパラとめくり始めた。
 これは入部させないためのテストなんだ、ということは、恐らく1年で習う範囲ではないのだろう。でも物理は知識を積み上げていかないと先に進めない。いきなり3年の教科書を開いたところで意味が分からないだろう。今やるべきことは、ともかく早急に1年の物理をマスターすること。
 もう一度後ろの席をチラ見する。何やら会話しているが聞こえない。それにやっぱり距離が近すぎる。まるで恋人同士みたいな……絶対に邪魔してやるんだから!
 サクラがノートにメモを取りながら教科書を丸暗記に近いかたちで頭に入れていくと、ふいに後方のふたりが立ち上がって教室の左前にある準備室に連れ立って入って行った。
 ……準備室で何するんだろう……。いやいや、今はまず勉強!
 気にはなりつつ、サクラはノートにペンを走らせた。
 
 カカシとサスケが準備室に入って鍵を閉めると、すぐキスが始まった。「ちょ……」と言いかけるサスケにカカシが「シー……」と人差し指を唇の前で示す。
「さすがに今日はしないだろ?」
「しないっていうか出来ないよね。あんまり長く準備室にもいられないし、どうしようか。」
「どうもこうも……ふたりがいる間は我慢するしか。」
 カカシは腕を組んではぁ、とため息をつく。
「まあったく、誰のおかげでこんなめんどくさい事に……。」
「元はと言えばあんたが変態淫行教師なのが……むぐ」
「あんまり大きな声出さないの。ま、3日間は我慢するしかないねぇ。」
「キス……も、だめか。」
「だってキスしたらサスケの顔真っ赤になるもん。だめだめ。」
 言われて、サスケは自分の頬を両手で触る。
「い、今は? さっきキス……」
「今は大丈夫だよ。一瞬しかキスしてないし。」
 ほっと胸をなでおろして、静かに扉の鍵を開ける。
「3日間の我慢、だな。」
「3日間ね。」
 連れ立って準備室から出て、また後ろの席に戻って行く。前の席のふたりは熱心に勉強していた。途中、サクラが席を立って「図書館行ってきます!」と早足で部室から出ていき、しばらくしてから教科書を2冊抱えて戻ってくる。1年の教科書を読み終えて2年、3年の教科書を借りに行ったんだろう。でもどれだけ高校の物理を勉強してもあの問題は解けない。何しろカカシ自身が大学生の時に出されて唯一正答出来なかったという問題らしい。
「俺も頭は良い方だったんだけどね、あれだけは解けなくて悔しかったから問題文暗記するくらい勉強してようやく解けたのよ。」
 そんな問題を解くためにサクラは高校の物理の教科書をどんどん頭に入れていく。
 そうこうしている内に、部活が終わる時間を伝えるチャイムが鳴り響いた。
「もうそんな時間!?」
 サクラは悔しそうに机に突っ伏す。
 カカシはサスケに「サスケは片付け手伝ってくれる?」と声をかけて「体験の2人は早く帰んな」と視線すら向けずに、教壇の下に置いてあったカバンを持って準備室に入って行った。
 サスケは「サクラ、ヒナタ、試験頑張れよ。」と言い残してカカシの後を追って準備室に入って行った。
 
 サスケが準備室に入って鍵をかけるとカカシはもうマスクを外していて抱きしめられる。顔を上げると始まるキス。教室のふたりがガタンと椅子から立ち上がる音、そして部室の入り口に向かって行って、扉が開き、閉まった。
「やっぱ我慢できない。早く終わらせるからしよ。」
 キスをしながらズボンが脱がされる。サスケもカカシのベルトに手をかけてズボンのチャックを下ろしてそれを撫でるともう膨らんでいる。
 唇が離れて奥のデスクまで移動すると、そのままデスクに手をついてカカシにお尻を向けた。するとすぐにローションがついた指が入ってくる。
「っは、……っあ、カ、カシ、聞きたい、ことが……」
 指を挿れながらカカシが「何?」とサスケに尋ねる。
「昨日っ、あんなにセックスしても、オナニー、しても、中の疼きが、ぁっ、おさまら、なくてっ」
「ああ、トンカチオナニー?」
「んっ、……どうしたら、おさまる? っはぁ、あっ、」
「欲求不満……? んー、むしろあれだけしたから刺激されることに慣れちゃったのかなぁ。」
 今も中が疼いて、指でなぞられるたびにもっとと言わんばかりに疼きが大きくなっていく。
 早く終わらせる、と言いながらカカシは指で慣らすのだけはいつもゆっくりと時間をかける。それがもどかしい反面、いざセックスとなった時にサスケが苦しかったり痛かったりせず気持ちよくなれるような配慮だと知っているから、じんわりと嬉しさが込み上げる。
 じっくり慣らして3本の指がスムーズに出入りするようになると、カカシは指を抜いて自身のそれをあてがった。少しずつ出入りを繰り返しながら腰を奥に進めていく。待ち望んでいたその大きさにサスケの中は歓喜で震える。抽送が始まるとカカシは「念のため、静かにね」と声をかけた。
 予告通りにセックスは10分足らずで終わった。セックスをした満足感はあるのに、やっぱり中の疼きはおさまらない。ズボンを履きながら今日もオナニー……と考えていると、サスケの肩にカカシの手が置かれた。振り返ると、紙袋をサスケに差し出している。中を覗くと、中身がわからない箱と、封の切られていないローションが入っていた。
「今日もオナニーするんでしょ? これ使いな。玩具。」
 紙袋から箱を出して中を覗くと、極太ディルド……といってもカカシと同じくらいの大きさだからサスケには極太だとは感じなかったが、それが入っている。胸が高鳴るのを感じる。
「トンカチオナニーも見てみたかったけど、今日はそれ使ってオナニーしてるとこ動画に撮ってよ。」
「……わかった。」
 サスケは箱を戻して紙袋に入れ、準備室を出て教室の後ろの席にある自分のカバンにその紙袋を押し込んだ。
 すると、部室の扉の向こうから女子ふたりの会話が聞こえてくる。
「……声、おさえといて良かったでしょ。」
「あんたほんと……慣れてるよな、そういう……。」
 こそこそと話しながら出入り口まで一緒に歩いて、扉を開けるとサクラとヒナタが待っていた。
「サスケ君! 一緒に帰ろ? それにしても片付け、ずいぶん時間がかかったわねー。」
「いつものことだ。カ……先生は基本散らかしっぱなしだから、いつも手伝ってる。」
 カカシが科学室の鍵を閉めると、サスケの肩に手を置いた。
「ほら、もう帰んなさい。早くしないと鍵当番の先生に閉じ込められるよ。」
 ぽん、ぽん、と肩を叩いて、女子ふたりには目もくれず職員室に向かって行くカカシを見送り、昇降口まで3人で歩いて行くと、サクラはサスケに話しかけた。
「サスケ君、その……私たちを誘ってくれた理由、もしかして一緒に勉強したい以外に、何かあったりする? 例えばはたけ先生との関係とか……。」
「いや? 先生は勉強も教えてくれるし、研究も手伝ってくれるし、俺は結構好きだけど。ただ体験入部のことを話したときには、最初から科学部……はたけ先生を選んだ俺は気に入られてるみたいだけど、後になってやっぱり興味あるって言う生徒は、いまいち気に入らないらしくて。……なんか悪いな、せっかく体験来てくれたのに、先生があんな感じで。」
「好き……なんだ。ふぅん……。あ! そうそう、連絡先、交換しない? テスト週間とか、部活がない日に一緒に勉強したいな、なんて……。」
「ああ、わかった。これ、俺のQRコード。ヒナタも。前回の試験は、あの猿飛先生の問題だけ解けなくて……サクラは解けたから一位になれたんだろ? 俺はあの問題以外全問正解してたから。」
「意地悪な問題だったわよね~! 私もあの問題はすっごく苦労したの! 次の試験は3人で全教科満点目指しましょ!」
「いいな、それ。先生驚かそうぜ、3人で。」
「わ、私も……がんばるね……!」
 3人で固い握手を結ぶと、校門まで一緒に歩く。
「サスケ君家左? 右?」
「右だな。で西田の交差点で左。」
「えー、残念。私左。一緒に帰りたかったなー。」
「私……右だから、西田の交差点まで一緒に帰ろう?」
「いいなあ、ヒナタ」
「ん、わかった。」
 人一人通れるくらいしか開いていない校門を一人ずつ出て行く。サクラは校門を出て左側に行き、サスケとヒナタに向けて手を振った。
「また明日ね!」
 サスケも軽く手を上げて応えると、右側の道を進む。
 
 サクラと違ってヒナタは物静かだった。けれど何か……もじもじしながら、何か言いたそうにしているようにも見える。
「……ヒナタ、何か言いたいことでもあるのか?」
 ビクッと肩を震わせて、ヒナタは顔を伏せた。
「えっと……その……。私見ちゃって……サスケ君と、……先生が、……キスしてるところ。」
 サスケの足が止まる。
「キス? いつ?」
「えっと……昨日、科学室で……少しだけ覗いて。見間違いかなって思ったんだけど、今日のふたりの様子見たら、やっぱりキスだったんだ、って……」
 まずいな、どう言い訳する?
 それとも認めた上で黙っておいてもらうか? 幸いヒナタは言いふらすようなタイプではない。
「サスケ君と先生、付き合ってるの……?」
 こうなったら打ち明けるしかない。けどどこまで言うべきだ。
「……昨日、告白されて。戸惑ったけど、先生ならと思って。……このことは他の人に……」
「言わないよ! 言えないっていうか……。」
「……ありがとう、そうしてくれ。」
 それからは無言で交差点まで歩いた。
 気まずい雰囲気を感じながら。

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