繰り返さない
バカとアホ
2時間かけて家まで帰ってきたら、俺のアパートの前にはオビトが待っていた。
車から降りると俺とカカシはそれぞれゲンコツを喰らう。ジンジン痛む頭をおさえているとオビトは落ち着かない様子で声を荒げた。
「バカとアホが帰ってくるのをずっとここで待っていた俺の身にもなれ! あんな危険な奴に直接会いに行くなんてどんだけ思慮が浅いんだ!」
シスイから言われた通りだ、オビトは呆れと怒りを隠すことなく俺たちふたりを怒鳴りつけた。
「結果良ければ全てよし……じゃあないんだよ、頼むからこれ以上は勝手な事をするな! 大人に任せればいいんだ、わかるかサスケ!」
「……もう勝手なこともしないし大人しくする……」
「左に同じ。てかむしろ普通に過ごさせてくれる? よくわからん奴に命狙われるのは勘弁。」
「当たり前だろ! お前らふたりの生活は保証する、だから勝手な真似は……」
「もうしない」
「もうさせない」
俺たちが反省していると見たのか、オビトの怒りはおさまったようだった。腰に手を置いてため息をつく。
「命を狙うような奴がいたら排除する。ふたりともきちんと護衛兼見張りが複数ちゃんとついている。だから安心して貰っていい。普通の中学生と教師に戻れ。後のことは俺たちに任せればいい。シスイからもそれは聞いただろ。」
「ああ、しっかりしてそうな人だったし。あとはマダラと大人に任せて、俺も元の生活に戻りたい。」
「マダラは……何を考えているのかわからん。まだ警戒は続ける。だが、お前らはもう関わらなくていい。大丈夫だ、生活の安全は保証する。わかったな、くれぐれももう勝手なことはするなよ。」
オビトは俺たちの顔を確認して、そして立ち去っていった。
こんな話をアパートの前の道端で話すということは、ここが安全な場所という証拠だろう。
守られていて命を狙われる事がない、という事にとりあえず安心した。
2人で家の中に入って、ため息をつく。
「どっちがバカでどっちがアホだったんだろうな。」
「サスケがバカで俺がアホだと思うよ。」
それもそうか。何となく納得する。
「でもこれで、安心してサスケと過ごせるようになったし、結果オーライで良いんじゃない?」
「そうだな。」
顎に手が添えられて、カカシの方を向いたらキスが待っていた。……こんな小さな幸せを感じながらまた普通の中学生として暮らせるようになったんだから、バカとは言われたけど行ってよかったんだと思う。
「……っん、」
キスをしながら、カカシの手が股間を弄り始めた。足を開いて、俺もカカシの股間を撫でる。少しずつ硬くなってきて、カカシは俺を抱き上げてベッドの上に載せられた。ズボンがずり下ろされて唇が離れ、露わになった俺のそれがカカシの口内に入る。
「……っ、はぁっ、っあ……、」
蕩けるように熱い口の中、裏筋とカリを刺激する舌、気持ち良くてそこに神経が集中する。
「カカシっ、あんまり、すると……我慢できない、……っ」
「我慢しなくていいよ、飲んであげるから。」
「っぁ、そんっ……! あ、っあ、だめ、気持ちい……っ!」
じゅぷ、じゅぷ、と音を立てながら上下に頭が動く。
久しぶりにされてもう我慢しきれない。
「あっ、は、だめ、い、いく、いくからっ、カカ、っあ、あ、あっ……!!」
びく、と腰が緊張して、カカシの口の中に精液がはぜた。カカシはまだそこを舐め回しながら、最後の一滴まで出尽くすのを待って、ごくりと飲み込む。
その口から解放されて俺は、息を整えながら身体を起こしてカカシのズボンのボタンも外した。すでにしっかり勃っているそこを口に入れて丁寧に舐めていく。
ときどきカカシの顔を見上げると、頬を上気させて目を細めながら俺を見ている。それに俺は満足して、頭を揺らした。ときどき漏れるカカシの声に興奮が高まっていく。
カカシは俺の後ろの穴に指を沿わせていた。つぷ、と中に入ってきた指は中の敏感なところをくにくにと押しながらゆっくりと抜き差しされて、刺激されるたびに舐める舌が止まる。
「サスケ」
顔を離されて俺はまたベッドに背中を預けた。キスをされながら中に入る指が増える。
「っん、……ん、っ、んっ……」
ずくずくと中が疼く、今思うと記憶のカカシは強い快感をもたらすようなセックスをしていたんだなと感じる。今目の前にいるカカシは、愛しむようなセックス。唇から離れておでこ、首筋、鎖骨……キスをしたり、舌を這わせたりしながら肩、脇、前腕、指の先まで、中を優しく刺激しながら全身にキスを落としていく。つま先を口に含んで舐められるとゾワゾワしてピク、と肩が揺れた。
「そこは、汚いって……」
「汚くなんかないよ」
チロチロと指の間を舐められてまた肩が揺れた。
「足、やめっ……んっ」
「なんで?」
なおもカカシはやめない。ゾワゾワするのを堪えながら、中をぐ、と押されて言葉に詰まる。
「っは、やめ、舐めっ、んな……っ」
指にぬるぬると熱い舌がまとわりつく感覚、ゾワゾワして変な感じがする。カカシはやめようとしないどころかもう一方の足に手を伸ばしてまた舐め始めた。
「っあ、……ぅ、」
ぴく、ぴく、と身体が震える。目を閉じて耐えていると中の指の刺激がずく、と響く。
「い、い加減、っやめ、っ!」
「気持ちよさそうなのに?」
足から口が離れて、ほっと一息ついた。カカシは太ももを舐めながら指の動きを激しくし始める。
「あっ!? カッ、あ、あっ! あ、あああっ!」
思わず、カカシの頭を掴んでいた。指は敏感なところを突くように激しく出入りする。
「だめっ、っあ、あっ! だめ、だってぇっ! あっ! あ、だめまたいっ、……っ!!」
「イッてよ……もっと、サスケがイクとこ見たい。」
低い声、俺を見る目、ゾクゾクする、そんな目で見られたら……っ。
「やっ、あっ! も、うっ、っぅあ、あ、いっ、っあ、ああっ!!」
ぐっと強く押されて俺はビクビクと身体を震わせながらまたイッていた。お腹に飛び散った温かい精液、カカシは満足気に俺のおでこにキスをする。
くたっとベッドに身を預けながら、カカシがそれをそこにあてがうのを見て、その顔を見上げた。ふー、と息を吐きながら、カカシは俺の顔を見つめている。
「……いい? 挿れたい……。」
そんな目で見られたら、嫌だなんて言えない。俺を抱きたい、めちゃくちゃにしたいという目。まるで記憶のカカシのような。それでも俺に尋ねるのは、理性もあるんだろう。俺は指でぐちゃぐちゃに理性をかき乱されたのに。
「……早くしろよ、あんたが俺に夢中になってるところが見たい。」
「……見る余裕なんてなくしてやるから大丈夫。」
「っ、あ、」
ぐ、と圧がかかってぬるっと大きいそれが入ってくる。中が満たされていく感覚にうっとりしながら、敏感なところを押すように中に入ってきて息を吐いた。
「カカシ、キス……」
俺の言葉に応えてカカシがキスをしたかと思ったら、ゆっくりと押し進んでいたそれが一気に奥を突いた。
「――っ!!」
いつもは慣らしながらゆっくり奥まで挿れるのに、今日はいつもと違う。そのままの勢いで抽送が始まって、俺はキスをしながら声を漏らしていた。
「んっ! あっ、んぅっ! ぅあ、あっ! っああ!!」
唇が離れていってまた激しくなる動きに俺は喘ぎながらカカシの表情なんて見る余裕はなかった。
パンッパンっと皮膚がぶつかる音、そこをえぐるよう出入りするカカシのそれ、奥を突かれるたびに目がチカチカするような快感に夢中になって俺も腰を動かした。もっと奥を激しく突かれたい、もっと気持ちよく。
「ぁあっ! あっ! んっ、あぁっ! ッカシ、んぁっ! もっ、と、あ、あっ! きもち、ぁあっ!」
「……っ、奥がいいの、? ねぇっ、サスケ、」
「っおく、あっ! 激し、っく、あ、あっ!!」
ぐ、と奥への圧が強くなって背筋が反る。
「っあ゛! あ、あっ! ぁあ゛!! カカ、ん゛っ! あ、ぁああっ!!」
激しい快感に何も考えられない。カカシの顔を見ようとしても、突かれるたびに顔が上を向く。はぁっ、はぁっとカカシの息が荒い事に気がついて、一緒に同じように息をしているのがわかって胸が満たされていく。
見なくたってわかる、カカシが俺に夢中なのは。でもその顔を見たい。カカシがどんな顔でセックスをしているのか。
カカシの顔を掴んでいた。俺の目の前にくるように引き寄せた。その顔は獲物を前にした捕食者のような、あるいはまるで俺を孕ませようとでもしているかのような真剣な目つき。
喰われる、喰われてもいい、カカシになら。
激しく突きながらカカシは俺の足をまた掴んでいた。その足の指を口に入れてまた舐められる。ゾワゾワとする感覚は気持ちよさに変わっていた。
「ぁああっ! そ、だめっあ、あっ! ああ゛っ!!」
感じたことのない感覚が込み上げてくる。足の指を咥えられてぬるぬるする舌でしゃぶられて駆け上がる快感と激しく奥を突かれる快感とで訳がわからないまま込み上げるその感覚は、限界を超えた。
「っああああ!! っあ、あ、ああっ、っあ、」
きゅうう、と中が痙攣しているのがわかる。イッた? 射精はしてない、のに、気持ちいいのが止まらない!
「ッカシ、っあ、あ、あっ、だ、めっ、止まっ、!」
「……っ無理……このまま出す……っ」
「あ゛! あああ゛っ! カ、カ、っぅああ゛!!」
奥にぐっと押し付けられたそこはドクドクと脈動して、奥を突かれたままの俺はその間もまだ痙攣が止まらなかった。
「カカ、シ……っ、気持ちい、が、止まら、カカっ、――っ!」
奥に入れたまま、カカシはぐ、ぐ、と更に圧をかける。耐えがたい快感が止まらないまま俺は痙攣し続けて、カカシに頬を包まれてキスをするまでそれは続いた。
全力疾走したかのような激しい息をしながら、カカシのそれが抜けていくのを感じる。色んなところにキスを落としながら、カカシは右手を俺の頬に添えたまま、俺の様子を見ていた。
「カカ、シ……おれ、なんか、変、だっ、た……」
「……ナカイキ……じゃないかな」
「ナカ……?」
「ごめんね、激しくしちゃった」
「……ほんとだよ……」
「でも気持ちよかったんでしょ?」
「……」
「嫌だった?」
「……いやじゃ、ない」
「よかった……。ずっとね、我慢してたの。こういうセックスがしたかった、けどサスケは中学生だしって。」
「……? 今までは遠慮してたってことか」
「うん……サスケが嫌じゃなければ今度から今日みたいな……セックスが、したい。思いっきり気持ちよくさせたいし、したい。」
「……ウスラトンカチ」
「……ん? それなんて意味?」
「したいなら早く言えよバカ、って意味だ、ウスラトンカチ。」
「それは……良い、ってことで良いの?」
「……俺だって、そうしたかった。なんて言わせんなよ、ウスラトンカチ。」
「よかわかんないけど、ごめん。」
「わからないなら謝るな、だからオビトからアホって言われるんだぜ。」
「あー……そうかも。ごめんね?」
「……いいって、もうこの話終わり。」
起きあがろうとして、身体が重くて起き上がれなかった。肘を支えにしてゆっくりと身を起こす。
心地よい疲労感とセックスの余韻に浸りながら、脱ぎ散らかされた服を探した。
ああ、……と、シャワー浴びたほうがいいか。身体中舐められてるし。お腹についてる精液を落とさないと。
カカシはゴムを外して結んでいた。自分と比べるのは変かもしれないけど、カカシのは量が多いよなといつも思う。数日我慢して、というわけではなく元々この量なんだと夏休みに毎日やってた時に知った。
……ゴムじゃなくて、そのまま入れて欲しいんだけど。まあ、男同士だしどうしても衛生面があるから、女みたいに妊娠するわけじゃないけど、女みたいに生でするわけにはいかない。
だから生のカカシのに触れられるのはしゃぶる時くらいで、その大きさ、熱さ、形を確かめながら舐めるのは好きだった。俺がいうのもなんだけど、カカシのそれは男らしいなと思う。
「シャワー行ってくる。」
服を拾って浴室に向かうと、カカシも後ろをついてきた。
「あんたは身体きれいにする必要ないだろ?」
「……いや、お風呂場でもう一回したいなー……なんて。駄目?」
見ると、カカシのそれはまた勃っている。……そんなもの見せつけられたら、中が疼くじゃないか。
「……手早く済ませるなら。」
「ごめんそれは保証できないかも」
ウスラトンカチ、と言いかけてやめた。記憶の中のカカシも、こんな感じだったし。それにセックス自体も嫌いなわけじゃない。むしろ、カカシとなら何度でもしたい。
「わかったから、ローション持ってこいよ。」
その言葉を聞いたカカシは嬉しそうにベッドへ向かっていった。
浴室に入って俺はここでどんな風にするつもりなんだろうと期待に胸を膨らませる。
平和な、俺たちの日常が戻ってきたんだな、とも。
オビトに言われた通りに、後のことは任せよう。俺たちにはもう関係ない。卒業するまではこんな日々が続くんだと思うと、嬉しかった。


