耐薬訓練

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2026年9月8日カカサス,成人向,中編,原作軸,完結済み,小説エロ,お付き合いしてるふたり,自慰

調査開始

 気持ち緊張している、という面持ちを作ってその店の扉を開けた。中はカウンター席とボックス席がある、割と小さな店だ。入ってすぐ右手のレジカウンターの男性から声がかかる。
「はじめてですか?」
「……あ、はい……」
 男性は何やら見開きの……メニュー?を渡してきた。受け取り読むが、カタカナばかりで何なのかよく分からないが、飲み物らしい。ページをめくると、やはり飲み物。最後のページに、甘味系のメニューが6個だけあった。
「ワンドリンク制で、女性は500円です。お一人の間は、2杯目以降も500円になります。」
 ……つまり、何かは絶対飲む形なわけか。
「すみません……こういうの、よくわからなくて、お酒じゃないもので、炭酸系のものはありますか?」
 男性は目を細めて笑顔を作った。
「では、見繕ってお出ししますね。」
 カウンター席には4人、女性二人を男性二人が挟むように座っている。ただ、一人でボックス席というのも気が引けて、カウンターの1番隅に座った。バッグを膝の上に置くと、目の前に青い炭酸の液体とストローがスッと出される。青い……例のやつ、か?
 カカシが来るまでは店をキョロキョロ見ながら、その青い液体を少しずつストローで飲んで待つことにした。カウンターの向こうにスタッフが一人、そして入り口に一人。……このカウンターの向こうにある空間が例のトイレに向かう廊下だな。
 一口ずつそれを口に含んで飲み込む。味はなんてことないサイダーだ。特にこれといった変化は今の所ない。……もう少し多めに飲んでみるか。
「緊張なさってます?」
 急にカウンター越しに声がかかって、びっくりした風を装った。
「あ、こういうお店って、はじめてで……」
「誰にでも最初はあります。ドリンクはお口に合いませんでしたか?」
「いえ、緊張しちゃって……すみません」
「構いませんよ、このお店のことはどちらで?」
「以前から、あることは知っていて……今、仕事の関係で引っ越して独り身なので……ちょっと覗いてみようかな、なんて」
「……そうでしたか。いい出会いがありますように。」
 怪しまれてはいない。演技はうまくいっている。ストローに口をつけて、さっきよりも多めに口に含んで飲み込む。……現時点変化がないのは濃度が薄いせいなのか、催淫剤とは別系統のものなのか、それとも一杯目は普通の飲み物なのか。
 少し警戒しすぎていたかもしれない。もうすぐカカシも入ってくる手筈だ。ペースを上げて飲んでみるか。
 扉が開く音がした。振り返ると、そこにいたのはカカシじゃない。別の男性……と、目が合ったかと思ったら、その口角が上がるのが見えた。
 ……カカシじゃない奴に目つけられた場合、どうする?
 オーダーを済ませたその男性は迷わず俺の隣に腰掛ける。
「初顔だね、俺はよく来るんだ。タヌキって呼ばれてる。ここでは本名はみんな名乗らないんだ。嬢ちゃんはどんな名前にする?」
 なるほど、本名を言わなくてもいいのは逆に楽だな。
「ええと、じゃあ……ネコ」
「ネコちゃんね! 見た目にぴったりの可愛い名前だ。出会いを探してるの?」
 ……馴れ馴れしい奴だな。しかし常連って事はこの店の事をよく知っている……失踪にも関わっている可能性が高い。
「どんな所かなって、ちょっと興味本位で……」
「そっか! 俺がついたから二杯目以降はタダだし、もっと飲んでいいんだよ、そんなちびちび飲まずにさ!」
 ……この男……俺が入店したのに合わせて入ってきたのか? 店にとって都合が良すぎる。一杯目は普通のジュース、この男がついた上で二杯目、そっちが本命っぽいな。
「ヤクさん、彼女にあれを!」
 カウンターの中の男が目を細める。
 俺の立てた説は濃そうだな。ならこのジュースは早めに飲み切るか。
「あれ、って、何ですか……?」
「メニューにないスペシャルカクテル、俺だけが注文できる特別なやつだ! きっと気にいるよ」
 ……かなり濃厚になってきたな。つまり店だけではなく、客を装っているこいつもグル、ないしこいつの方が黒幕に近いかもしれない。
 しかし、カカシはまだなのか。もう10分は経ってるはずだ。
 青色の液体が注がれたグラスが目の前に置かれた。ソーダの方はタヌキが手に取って勝手に飲み干す。
 これを飲めって事だろう。ストローはついてない。直接いくか。最初は味見程度で、二口目から大きく行こう。
「これが特別な……?」
「ああ、ぐいっといっても少しずつ味わいながらでも。俺の自慢の一品でね! レシピを提供したのは俺なんだ。だから俺だけの特別な一杯ってわけ」
 グラスに口をつけて傾ける。味見程度でまたグラスを戻した……が、この少量でこの身体の反応……胸がドキドキし始めている。この程度だと、そういう異常ではなく恋心と間違いそうな……。
 タヌキの方を見ると、笑顔だがその目の奥は冷静に俺を観察している色が見える。
 頬が紅潮し始めた……二口目を飲むか。これでハッキリする。
 ごくりと喉が動く。胃の中に落ちていく液体が熱く感じる。胃に落ちたら今度はそこを中心に身体が熱くなってくる。心拍の上昇に呼吸数も。訓練の時と同じだ。一口でこの効果、……仮にこれを全部飲んだとしたら……3錠分、ぐらいか。耐えられるが、普通の女性で3錠なら……前後不覚くらいだな。全部飲み切る前に自力で歩行できる程度で抑えて一度トイレに……。待て、カカシが来てない。……いいのか、このまま進めても。待つべきか、いや、変に引き伸ばすのは不自然だ。カカシが入ってきたとして、多分この男はどかない。カカシがどういうつもりかは分からないが、状況的に俺の判断でやるしかない。であれば、なるべく薬の影響が少ない今のうちだ。
「……すみません、お手洗い行きますね」
「あ、場所わかる? ちょっと奥まった所だから案内するよ」
 椅子から降りると少しふらつく、のを少し大袈裟にしておでこに手を当てた。
「あれ……おかしいな、お酒じゃ、ないんですよね?」
「大丈夫? もしかして気分悪い? トイレこっちだから、ほら」
 手を握られてゾクっとした。カカシ以外にこんな握り方をされたのははじめてだ。……さて、無事にトイレに誘導されるのか、失踪ルートに行くのか……。
 カウンターの先はやっぱりトイレに続く廊下だった。ただ、途中に扉がある。何も書かれていない。……これは。
 その扉を見ていることに気がついたタヌキは足を止めた。
「こっちが気になる?」
「あ……えっと……なんの部屋なのかな……と……」
「合意したら入れるけど、まだ合意じゃないだろ?」
「ごうい……?」
 カップルが成立した時に入る場所か。こっちも見ておきたいが今はトイレだ。
「よくわかんなくて……すみません、あそこですよね、トイレ……もう行けるので……」
「大丈夫? 気をつけて」
 ふらつくふりをしながら天井、壁、床を確認するが、この廊下自体には仕掛けはなさそうだ。なら、トイレの中か。
 しかしあの男、実行犯の線が濃い。多分もっと飲んだ状態で一緒にトイレに行くのがトリガーだ。トイレの戸を開けて中に入るが、見た所普通のトイレ……いや、壁に細工があるな。向こう側に開くようになっているが、支えにするふりをして少し押してみても動かない。やっぱりトイレの中まで手引きして、この戸の向こう側に連れ出すのが失踪ルート。
 手を洗ってから戻ると、ボックス席に顔を晒したカカシの姿があった。……今まで何してたんだウスラトンカチ……!
 タヌキは当然のように隣に座るよう視線を向けてくる。カカシは俺に向かって笑顔で手をひらりとさせた。その様子を見ながら、カウンター席に戻る。
「……あの人も、よく来る人……ですか?」
「いや、初顔だね。女性が少ないからモテちゃうのは仕方ないよ。」
「そーそー、女性一人に男性二人になるのもしょーがないよねぇ」
 タヌキの反対側に、カカシが肘をついた。椅子もないのに来るなんてどんな度胸だ。
 青い液体を飲みながら、両側を交互に見て戸惑いを装う。
「にーちゃん、いい度胸だな? 俺が最初に目つけた子なんだが?」
「いい相手を選ぶのに最初とか最後とか関係なくない? ね、彼女。」
 ニコッと笑うカカシにも少し戸惑ってしまう。カカシが普通にナンパをしたら、こんなふうに……と思うと複雑な気持ちになる。
「ええと……ネコ、です。ここでは」
「……あー、そういう? なら俺はイヌでいいや。で、ネコちゃん的にどうなの、そっちのと俺、好みで言うとどっち?」
「……呆れたな、ナンパ師かよ。俺は真面目に色々教えてるってのに……」
 カカシの方を向いて、口を動かす。
『さん』
 カカシはその唇を読んで、首を傾げた。
「どっちとか……会ったばかりで、その、……」
「あー、可愛い今の。もっとネコちゃんと話がしたいけど、向こうの彼は許してくれるかな?」
 タヌキの方に顔を向けると、肩をすくめて椅子から降りていった。どうやらカカシの押しに負けて譲ったらしい。
「んじゃ、ボックスの方行こうよ。カウンターあんまり好きじゃないからさ。あー、それあとちょっとだから飲み干しといたら?」
 カカシがいる、それだけでこんなにも安心感が違うなんて。
 例のものを飲み干して、ふらつく身体をカカシに支えられながら、ボックス席に二人並んで座った。
 カカシにもたれかかるような格好で他の人に聞こえるか聞こえないかくらいの会話をしながら、その中に得た情報を入れ込む。
「タヌキさん……さっきの、常連の人で……トイレの場所も教えてくれて。でもトイレでもふらついて、思わず右の壁にもたれかかっちゃって……」
「あらー、なんか悪いことしちゃった? 後でそのタヌキさんに謝らなきゃな。でもお酒飲んでないのにそんなフラフラになっちゃったの?」
「はい……何でだろ……タヌキさんの特別なレシピのカクテルを……頂いて……それから……ええと……」
 瞼を少しずつ落としていく。呼吸の荒さと身体の熱さはそのままに。
「あらら、大丈夫?」
 カカシが肩を揺するままに頭を揺らす。……見られてるな、油断できない。どこからだ。タヌキの姿がない。どこかに覗き穴でもあるのか。
 カカシがカウンターの方へ手を挙げる。
「すみませーん、ちょっとこの子休ませてあげたほうがいいみたい。奥に部屋、……あるんでしょ? 使っていい?」
 ここはカカシに任せよう。……なんだか妙に慣れてる感じが嫌だけど、きっと演技だ。……多分。
 レジにいた男がボックス席の隣に立つ。
「ご案内します、こちらへ。」
 カカシに抱き上げられて身体が浮く。ゆらゆらと揺られて、あのトイレの途中の扉が開かれた。簡素に区切られた3つの個室、そのうちのひとつからは女性の喘ぎ声が聞こえてくる。……最初にいた女性客のどちらかだろうか?
 2番目の部屋に入ってマットレスの上に下ろされた。扉は閉められている。防音されているんだろう、この部屋の声は喫茶店スペースには届かない。とはいえ、監視カメラや盗聴器はあってもおかしくない。目を開けて、カカシに唇だけで『遅い』と文句を言う。キスで誤魔化そうとしたって……だめだ、今は薬が、
「っん、ぁ、はぁっ」
 キスに、夢中で応えてしまう。このままここで作戦会議ってわけじゃなさそうだ。……え、もしかして、やるのか? 女に変化したまま……?
『カカシ』
 唇だけで言ってもどこ吹く風でカカシは服を脱ぎ始めている。
『一回、しといたほうが自然だ』
 唇を読むのに少しかかってしまった。確かに、その為にここに来たとは思うけど、調査はどうやるつもりなんだ。
「ネコちゃん? わかる?」
 ……いや、今は演技だ。
「んぅ……? られ……」
「……いい感じに出来上がっちゃって。」
 服が脱がされていく、カカシは普段はない乳房を揉みながら後ろの穴に指を伸ばす。でもそこまで女性を再現できてるわけじゃない。
「かわいいね、この中に入れたらどんな声が出ちゃうかな?」
 ……やっぱり演技とはいえ、こんなこと言うカカシは嫌だ……。カカシがこの任務に俺を同行させたかった理由がなんとなくわかった気がした。
「っあ、んんっ、っあ!」
 ローションいつつけた? ぬるりと入ってきた指に身体が歓喜する。この刺激を待っていたと。乳房の中心を口に含まれてビリビリとした快感に中の直接的な刺激、耐性をつけたとはいえ薬が効いている身体にそれは……!
「あっ、あ、んっ! あ、もっと、……っあ!」
 カカシが顔を上げて耳元で囁く。
「激しいのが好き? ゆっくり愛撫されたい……?」
 ああもうその低い声は、……反則……っ!
「ぁ、は、げしく……っ!」
「……俺もそっちが好き。」
 俺に向けて言ってるのに、なんでこんなに嫌な感じがするんだろう。カカシが俺なしでこの任務につきたくない理由は分かったけど、カカシのこんな姿、こんな言葉、聞くのがつらい。ならもうこの先は一旦何もかも置いておいて、薬のままに思考を明け渡したほうが。
 そう思うまでもなく、カカシの指が激しく動いてあまりの快感に頭が真っ白になっていく。

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