攻略対象の難易度がSSS+でした

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柱マダ,成人向,長編,原作軸,完結済みラブコメ,ギャグ,エロ描写有,オリジナル設定有,ほのぼの,平和IF

純真と邪心

 なかなか前に進まない、何故ぞ……マダラからのオレへの愛は確かに存分に感じるのに、恋仲という言葉まで辿り着いたのに何故そこから恋愛の方向に話が進まないのだ……?
「……のう、マダラ、先ほど恋仲と……いう話をしたな。」
「ああ、勿論覚えている。俺たちは恋仲のように互いに深い愛情があると。」
 ……のように……!? そうか、恋仲という言葉こそ出たがマダラの中では恋仲そのものではなく恋仲を例に出してそれと同じぐらいに、という文脈で使っていたわけか!
 ……ちょい待ち、それではマダラがオレ達の関係を真の恋仲と認識するまでに相当苦労するのではないか?
 というかそういう方面に考えが傾かない可能性すら高い。
 では次に取るべき手はなんぞ。マダラの認識を「オレ達は恋仲」とすることはもうはっきり諦めた方がいい。全てのやり取りにおいてマダラの中では「のよう」がついてしまう恐れがある。これは認識の齟齬が生じるはずだ。マダラはオレに対してだけなのかそれとも根っからなのか、こと恋愛に関しての当事者意識が低すぎる!
 低いならば低いで仕方がない、全くのゼロではないと信じてその低い当事者意識をオレに向かせなければなるまい。
 もうここははっきりバッサリと接吻……は失敗したから直接的にまぐわいたいと、そう言うのが一番伝わりやすいのではないか!? マダラの知識の中では男女の恋仲同士がまぐわうものだという知識はあるはずぞ。エロ本をきちんと読んでくれていたならばそのまぐわいには愛情の確認という高尚な理由があることもまた知識としてはあるはず。
 つまり当事者意識から攻めるのではなくこういう事をしたいくらい好きで、その関係性は友人や相棒ではなく恋仲のそれそのものである、という別角度からの攻めに持っていき方を変えるべき……!
 ……ただしかし問題は連日の研究でオレもなかなかに疲れている、今日は今日で一応戦果はあった。体調を整えて執務を片付けた上で、次回こそマダラとまぐわう! 今はそれで良い。
 決意を胸に、マダラも疲れがあるだろうからそろそろ暇するかと声をかける。
「マダラと過ごす時間は本当に好きだ。一生共にいたいと思うほどにオレはマダラのことが好きらしい。だが今夜はこの辺にしておくか、明日からまた忙しくなるだろう、」
「ならうちに泊まって行け、酒が入っているとはいえ夜風の中帰っては寝付けるまで時間がかかるだろう。」
 !!
「マダラの屋敷はよく知っているが客間の布団の場所まではわからん、客間にわざわざ布団を出してもらうのも悪い。」
「ん? そういや一緒に寝るには布団一つじゃあ狭いか。」
 !!
「いや! 大丈夫だ問題ない狭くてもオレは気にしないし寝相もいい方だわざわざもう一組布団を出す必要はない共に一緒の布団で寝ようぞ!」
 まさかの、まさかの添い寝! それもマダラからの提案! 受けないわけにはいかん! え、ちょい待ちこれはもしかしていわゆるその、据え膳……という状況なのか!? 待て待てそれなら話は変わるぞ寝ぼけていると見せかけて好きだ愛していると囁きながら抱きしめ愛撫を始めればマダラも男色本やエロ本の知識からこれはまぐわいだと勘付くかもしれない!! この状況逃してなるものか……!
「そうか? なら布団に移るか。掛け布団は横にするか、どちらかに寄って片方の腹が冷えたらいかんからな。」
「すまんな、好意に甘えさせてもらう。」
 マダラが布団を動かして敷き直す。冬だったならこうは展開しなかっただろう。オレは運がいい。風が来ている!
 部屋の明かりが消されて月明かりに頼るだけとなった室内、マダラが先に布団に入り、その横にポンと手を置く。
 ああマダラと添い寝なんて……! こんなにも嬉しいことが起こるとは……!
 などとは顔に出さずつとめて穏やかな笑顔でそのマダラの隣に、布団の上に横になった。狭い、しかしむしろこの密着度が良い!
「まあ、我慢できない狭さではないな。柱間、おやすみ。」
「ああ、おやすみマダラ。」
 同じ布団でおやすみと言い交わすなどもうそれ夫婦! 同じぞ夫婦と!
 よし、次は寝たと見せかけて寝言を装い愛の言葉を囁く事からぞ……規則正しい寝息を演出してもう寝ましたよと30分ほど様子を見て、いよいよ……その時……っ!
「んん……マダラ……愛してるんぞ……」
 反応がないが寝言だと思ってくれているのだろ……ん、ちょい待ち?
 マダラの方からも規則正しい寝息が聞こえてくる。
「マダラ……?」
 まさか、まさかこれは。身を起こしてマダラの顔を覗き見る。寝ている。完全に寝ている。熟睡している。
 それもそうだ、そもそもマダラは寝る支度を済ませていたわけで早めに寝ようと思っていたという訳だから当然疲れている。それは寝る。
 据え膳……食う場面ではなかった。読み間違えた。
 まあ、でも……マダラと同じ布団で眠る贅沢を享受出来るだけで幸せの絶頂ぞ……。このままオレも寝るとしよう……。
 マダラの身体に身を寄せて目を閉じると、疲れのせいかすぐに睡魔が頭を覆っていった。
 
 翌る日、マダラに叩き起こされて顔を洗い、朝食を共にした。……これはもうどう考えても恋仲を通り越して夫婦のそれにしか思えないが当然マダラにはそういう認識はない。
「仕事頑張れよ、相棒」
 とマダラに見送られながら自分の屋敷に向かい、着替えてから執務室に行くと机の上には書類の山が聳え立っていた。
 その書類を運んでくる扉間に声をかける。
「扉間、この書類の山はどこから湧いて出た。」
「机の上に収まらんかったから倉庫に置いてあった。研究も一区切りついたのだから溜まっていた分を片付けねばな。」
 ……倉庫に残りどれだけあるのかは聞かないことにしよう。マダラの予言通りとんでもない数の仕事ぞ……。
 腕を捲って山の上の書類を取る。嘆願と要望がこの山か、こちらは請求関係。請求が優先だの。
 昼休みも忘れて深夜まで書類の山と格闘し、疲れ果てて眠った翌日扉間がさらに運んできた書類で山の高さが昨日と同じになっている。
 ……これはちと本気を出さねば。
 先月末までの請求書は処理したから次は嘆願と要望を。また一日中ひたすら内容を読んで承認と不承認をまず分けていく。不承認の書類は定期的に扉間がどこかへ持っていく。山はどんどん小さくなっていったが翌日にはまた高く聳え立つ。
 ひたすら処理をしていたら執務室にマダラがやって来た。席を立って迎え入れたかったが書類を読んでいる最中だ。
「すまないマダラ、ちと待っていてくれ。」
「遊びに来た訳じゃない、陣中見舞いだ。」
 机の上に置かれたのは軽食だった。
「想像していたよりも随分な量だな、何日かかりそうだ?」
「それがまだ見当もつかん。せっかく来てくれたのに悪い。」
 マダラが書類の山から一枚取って眺める。
「俺の方はひと段落ついた、少し手伝おう。この山もらうぞ。」
「それは助かる! すまんが頼んでも良いか。」
 確かその山は出席依頼の文だった。後回しにしていたが重要なものが混ざっていては困る。
 マダラは一枚一枚手に取りながら足元に用意していた不承認箱に次々と放り込んでいく。
 少しだけ不安を感じてマダラの方を伺うと、それに気づいたマダラがオレに視線を向けた。
「大名風情が火影を列席させようなどと立場をわかっておらんな。火の国の長との謁見以外は行く価値はない。」
「だが大名は俺たちの雇い主ぞ、問題ないのか。」
「火影が出張る必要はない、扉間で十分だ。お前は何でも一人で抱え込みすぎる。」
 言葉の端々からマダラのオレへの気遣いを感じて胸が熱く……なっている場合ではない、マダラも手伝ってくれているのだからオレも早く片付けていかんと。

 それから三日経って研究で先延ばしにしていた書類の山はようやくなくなった。マダラの手伝いのおかげだ。扉間の補佐も頼もしかった。力を合わせて難敵を攻略したかのように清々しい、が、連日の書類仕事での疲労は休みを取らねば癒えまい。肩をぐりぐりと手で押しながら俯き気味に屋敷まで歩く。
 欲を言えばマダラを抱きしめてマダラの匂いをかぎながら眠りたいところだがそんなに都合よく行くわけがないと自分でもわかっている。わかっ
「柱間、遅かったな。」
 ちょええ——!? マダラが屋敷の前に!? えっ運命!?
「マダラから来てくれるなんて嬉しいぞ! しかし言ってくれたら帰りに酒のつまみを買って帰ったのに……。」
 屋敷の扉を開けながら、仏頂面のお外モードが少しずつ剥がれていつもの優しいマダラの顔になっていく。
「急に悪かった。疲れているだろうと思ってな。按摩でもしてやるかと先刻思い立った。」
「……マダラっ、オレは今めちゃくちゃ嬉しいっ……!」
 思わず涙が出そうになる。扉間はそういう気遣いまでしてくれんから長らくこんな風にオレを気遣ってくれる者がいないままだった……もはやこれは夫婦……夫婦以外に形容し難い……!
 部屋に着いたらマダラは押し入れを開けて敷布団を取り出して部屋の中央に敷いた。
「その装束ではやりづらい、脱ぐか浴衣を羽織ってくれ。帯はいらん。」
「そうだなっ! ちょい、待っててくれ。」
 羽織を脱いで袴をバサリと落とし合わせを開きながら、ほぼ全裸の上にゆるりと浴衣を羽織るだけの状態でマダラからあちこちを按摩してもらうという事!? と思うと緊張すると共に変な場所が期待し始めてしまう。
 う、うつ伏せ、でいいよな? 立派に勃ったものを見られてはなんか変な雰囲気になりかねん……あっいやむしろ今こそ告白チャンス到来!?
 浴衣を羽織って前を気持ち隠しながら、マダラが敷いてくれた敷布団にうつ伏せになる。その上に跨ったマダラが柔らかい親指でぐりぐりと肩を指圧し始めた。
「おーおー、ずいぶん固いな。これは揉みがいがある。」
「そうなんぞ〜ずっと書類仕事だったからの……」
 はぁぁ気持ちいい……筋肉の厚さに負けない指の力強さ……身体がポカポカしてきて血行が悪かったのだなぁと感じる。
「デコ少し支えるぞ。」
 マダラの指が額を優しく包み首筋をグッ、グッ、とまた指圧する。なんぞこれは……天国か……?
「あ゛ぁ……ぎも゛ち゛い゛い゛……マダラがオレが疲れているだろうと考えあっそこ……あ゛あ゛……考えてくれたと知ったときはまるで夫婦のようだと……あ゛あ゛ァ」
「ふむ、成程夫婦か。……相棒よりもしっくりくる気がするな。確かに、熟練夫婦のそれと近いものがある。何せ、柱間のことは知り尽くしているからな。」
 いや一番大事なとこ抜けてるんぞ。
「オレもマダラのことはよーっくわかるぞ……そこああぁ……」
 しかしこのままではまた夫婦「のようだ」になるのは目に見えておる……この状況をどうにか利用してマダラに対して本当に恋仲として、本当の恋愛感情としてオレが好きであることを伝えると共にマダラからもその認識を引っ張り出さねばならない。
 三度目の正直ぞ柱間! 成功させるぞ柱間!
 もう性的な意味でマダラが好きだという主張をしてしまおう。マダラが全身揉みほぐしてくれた後にオレが交代だとマダラを寝かせて、揉みほぐすと見せかけながらマダラの魔羅もしっかりと……して後ろの穴に指を添えれば流石のマダラでも最初の男色の本を思い出すだろう。
 きちんとあの苦労して作った性器保護具もいくつか用意はしてある。マダラとまぐわいたいのだと告げればさすがに、さすがのマダラでもオレがマダラと性的な関係になりたいことが伝わり、そこから恋仲に知識が接続されていくはずぞ!
「ぁあ゛っ……マダラは、んっ、按摩が上手いの……っ!」
「そいつは良かった。筋肉のつき方はよくわかっているからな。しっかりと少しずつほぐれてきている。俺に任せておけ。」
 ……言葉だけ聞くとまるでオレが抱かれているようなふうに聞こえなくもないが気のせいだろう。
「あぁぁそこ凝っておる……」
「もっと強い方がいいか?」
「あ゛〜、そう、そう、そこをつよあ゛っ」
 くぅっ、何と気持ちいいんぞ……思わず変な声が出てしまう……。しかし! これが終わったら次はオレがマダラに声を出させる番ぞ!
 嗚呼、マダラはどんな風に声を上げるだろうか……やはり普段よりも少し高い声になるだろうか……上下入れ替わった後が楽しみぞ……。
 最初は普通にうつ伏せで按摩を始めてそれとなく尻を揉んだりしてみるところから、仰向けにさせてからは大胆に行くとしよう、マダラがそういう事かと理解した瞬間に今度こそ意図が伝わるように告白をするんぞ!
「しかし特に肩周りがガチガチだな、火影の執務ご苦労さん。」
「お、おうとも、だがマダラのおかげでだいぶ、あ゛ぁ……」
 ……こんなに純粋なマダラを前にすると己の考えが浅ましく思えてきてしまうがっ! マダラはオレを好き! それは間違いないから多分大丈夫ぞ! ……多分!