攻略対象の難易度がSSS+でした

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柱マダ,成人向,長編,原作軸,完結済みラブコメ,ギャグ,エロ描写有,オリジナル設定有,ほのぼの,平和IF

もしかして

 マダラがオレのまぐわいたいという言葉を覚えていてそれを叶えたいとあれこれ調べてくれていたのは嬉しいし、言葉の端々からマダラのオレへの愛情をこんなにも感じるのに、相思相愛とまで認識しているのに、何故だマダラ……。何故そこで医学書とエロ本30冊を選んだ……!
 書店を巡ってみたが夫婦間のまぐわいに関する本は驚くほどない。それもそうだ、恋愛はすれ違いやら好かれる努力やらであれこれすったもんだするが夫婦になった後の物語にはそれがない。というか夫婦を前提としたエロは不倫とかの方向性に行ってしまう。
 もうマダラに夫婦間の愛について学ばせるにはこれしか……。
「赤ちゃんが産まれるまで〜十月十日の過ごし方〜」
 ……ちゃんと夫婦の間の愛の結晶として子が存在する旨の記述はある。残りは腹の中での成長段階をひたすら追っていく内容だが父として、母としての心構えにも言及されている。
 しかしこれを読んでマダラが夫婦の間にも愛があると学んだところでだ。また「のように」がつくのは目に見えておる。単に知識をつけるだけではいかん。あとエロ小説読みすぎでまぐわいでの快感に関して過剰な知識を持ってしまっている可能性も否定できない。
 いざまぐわいに漕ぎつけても「ん? この程度か?」と思われても困る。もっと現実的なエロ知識を持ってもらわねば……。
 
 まとめると問題点は三点だ。
 その一、マダラがオレに向ける感情についてマダラが納得するような言葉がないかを探す。
 その二、正しい性知識を身につけて貰う。
 その三、マダラとオレの認識が一致した上でまぐわう。
 ……その一からして難儀ぞ……。恋、恋仲、愛、……この辺りは「のようだ」に沈んでいる。夫婦はその間に愛が存在すると知れば可能性はあるがこれもまた「のようだ」になる可能性が高い……。親密で性的な対象となりうる関係……愛人、はオレが嫌ぞ。愛する人、字面は良いだけに残念だが。他には……対等であって愛が伴い……互いに己の半身のような……ん、半身……は良いかもしれんな、しかし一人だと半人前のような語感が気になる。伴侶は夫婦と同じ意味だろうし、……関係性を表すというと微妙だが運命共同体……? いや、何か違うな。友情に寄るならば刎頸の友がぴたりと合うがまぐわう関係となるとやはりこれも違う……。
 うう、妙案が出てこん! まあ良い今思いついたもの片っ端からぶつけてみよう。一旦その一はそれで良いとしてその二ぞ。何やら変なエロ本ばかり読んで意識が飛ぶほどの快感などと言っておったがそれを期待されてまぐわうのはあまりに目標が高すぎるからして、最初からそんなに気持ちよくなるわけではないという現実を……あ、最初の男色の本……あれが一番現実的かつ具体的ではないか!
 マダラならば内容を覚えておるだろうが念のためもう一度渡してみるか。
 その三……。マダラはオレの望みを叶えたいとまぐわいの勉強をしてくれていたが、それはそれとしてものすごく嬉しい気持ちはあるがやはり互いにきちんと恋愛や愛情の意で好きだという認識の中でまぐわいたい……などとは贅沢な悩みなのだろうか……。
 もしかしたらオレが恋愛という言葉にこだわりすぎているのか? マダラがオレのことを愛……と同じかそれ以上の気持ちを持ってくれているのはわかっておるのだから恋仲という関係にこだわる必要はないのかもしれん。……しれんがやはりオレはマダラとは互いに睦み合う愛情でもってまぐわいたいっ……!!
 どうした柱間当初の勢いはどこへ行った柱間……!
「兄者、悩みか?」
「ヒェッ」
 頭を抱えていたらいつの間にか目の前に扉間がいた。
「オレの前くらいは気配を消すのをやめろ、ビックリするではないか……。」
「いや珍しく考え込んでいたからな。まあどうせマダラのことだろう。」
「……扉間お前頭の中が読め」
「兄者を支え続けてきたワシがわからんわけがないであろうが。男色だの卑猥な本だのをマダラに読ませたのもどうせ奴とどうこうしたかったからだろう。」
「……そこまで悟られておったとは、恥ずかしい限りだが……その通りぞ……しかし何ひとつ思うようにいかん……。」
「落ち込む兄者はあまり見たくはないが、ワシも恋愛経験はない。出来る事なら助言したいところだが、ちなみにどういう状況だ。」
 ううっ、相談したい……相談したいがマダラのあの態度や言葉はオレの前でこそ見せてくれるもので扉間がそれを知るのはやってはならんことのような気がする……。
 しかし翻訳能力が突出しておる扉間ならば何かいい案をくれそうな気もするしどうするべきぞ……。
「……察するに兄者はまぐわいたいがマダラは兄者をそういう目では見ておらんと言ったところか。」
「……何故そうと……?」
「男色やら卑猥な本やらを見せて興味を引こうとした結果マダラはあのように暴走した訳だろう、奴の頭のネジはどうも斜めに刺さっておるようだ。想像はつく。どのように働きかけてもマダラは兄者の真意をわからん、で今悩んでおる。違うか。」
 扉間は本当に頭の中を覗けるのでは……? 何故そんなにピタリと言い当てることが出来るのだ?
「仮にそうだとした場合扉間ならばどうする……?」
「ふむ、重要なのは相手の知識レベルに合わせて会話を進める事と考えるが、その知識レベルのすり合わせは……しておるようだな。ならばマダラに伝わりやすい言葉を探すのが先決。」
「いやそれが試みておるのだが……」
「兄者、マダラの言葉を本当に聞いておるか。」
「……と言うと?」
「マダラはどのように言っている。単純に断られたという話ではなさそうだ。マダラの言葉を一度頭でよく考えてその意味を理解してから次に進まねば伝わるものも伝わらん。」
 ……マダラはオレとの関係を表す言葉がないと言っておった。……ないならば作ればいいのか? 既存の関係性や定義を当てはめるのがマダラにはそもそも不向きだったのか?
「扉間、お前火影になれ。」
「は?」
「オレは人ひとり理解することすら出来ぬ半端者ぞ……そんなので里の統治など……お前の方が適任……違うか……?」
「……そこまで落ち込んどるのか……兄者、ここは兄者が作った里だ。火影は兄者しかおらん。」
「……ちがう扉間。オレと、マダラとで共に作ったんぞ。オレの隣に居るべきは扉間ではなくマダラだ、里の長よりもマダラと共に居る方がオレは良いんぞ!」
「……兄者、急に駄々をこねるのはやめてくれ……。」
「嫌ぞ、オレはマダラの隣へ行く!!」
 ガタンと椅子から立ち上がり執務室を後にした。マダラに会いたい、マダラの声が聞きたい、マダラの顔が見たい、マダラのあの笑顔をもっと見たい! 里の中にチャクラを巡らせてマダラのチャクラを探し当てて大股歩きで一直線にそこへ向かう。うちはの修練場に居るマダラの元へ。
 
 土煙が立つ中にマダラは一人立っていた。周りには十数人もの若者が尻をついている。
「……すまんなお前ら、急用ができた。続きはまた今度だ。……去れ。」
 若者達が慌ててその広間から立ち去っていく。……マダラは機嫌が悪いのか……?
「で、よくここへ来たな柱間ァ……何をする場所か知っての事だろう。少し付き合え。」
「あ、いやそういうつもりで」
 瞬時に目の前、いや屈んだマダラの腕が引かれたのを見て上半身をのけぞらせると拳が空を切る。マダラのその目は遊び相手を見つけた子どもが如く輝いていた。
 左足を下げて体勢を立て直し右の拳をその腹にめり込ませたかと思うとすっと左脇を開けられる。拳が脇の下で腕に挟まれそのまま前腕を掴まれ折られると察知し、力づくで引き抜くと勢いのまま再度頭部を目掛けて拳を振り上げた。
「やはりお前でないとなっ!」
「今日はそういうつもりではっ」
 言い合いながら互いに死角から来る拳と蹴りをかわし合い一息もつけぬ攻防はその勢いだけで周囲の木々をゆらし土煙が立ち込める。
 手合いなど想定していなかったオレは草履でどうにか相手をしていたがやはり草履、そして土の地面、ずりっと足元が滑って身体が反転した。
「ぬおっ!」
 その身体を支えたのはマダラだった。……え、マダラに、支えられて……?
「……悪かった、昂っている時に柱間が来てつい嬉しくなってしまった。本当に手合わせに来たわけではないようだな。」
 体勢を立て直し、乱れた衣服を整える。
「やっとわかってくれたか、……全く戦でも手合わせでもその顔をするのは変わらんのだな。」
「最も強い男を前にして興奮しない方がどうにかしている……。」
 いやそれはマダラだけぞ……。
「……腕が鈍ったと思われんかっただけ良しとするか……。で用事があってきたんだが……どうやら忙しいようだの……。邪魔をして悪かった。」
 夕方ごろにまた来るとするか……マダラは戦モードのようだし勢いのまま手ぶらで来てしまった。
「いや、もう忙しくはない。聞いていなかったか? “急用ができた"と。つまり今は柱間との時間だ、手合わせを続けるなら着替えてくれ。そうでないなら……何の用だ?」
「……いや、マダラの顔を見たくなった。……声を聞きたくなった。……それだけぞ! 用事というわけではない。だから、若者の相手に戻ってくれて構わん。」
 マダラに顔を覗き込まれる。なんぞ変な顔をしていただろうか。
「……ほう、奇遇だな。俺も柱間の顔が見たかったところだ。」
 修練真っ只中だったのにそんなことはあるまい、これは気遣いぞ。……己の願望のためにマダラの邪魔をしてしまった。それは良いことではない。
「無理をしてオレに合わせてくれんでも大丈夫ぞ? また夕刻に来る!」
「いいや、俺もちょうど柱間の声をもっと聞きたくなってきた。……場所を移すか、柱間もそうしたいのだろう。」
 ううっ、マダラの優しさに甘えてしまいたいがっ! オレは火影ぞ、少なくとも昼間は。昼間からマダラのことばかり頭に浮かんで離れないなど……。
「おお、そういえば忘れておった! 手土産に本を持ってくるつもりが、うっかりしておった! そういうわけだ、邪魔をしたばかりか気を遣わせてすまんな、また本を持って夕刻に来る!」
 左右に道が分かれる路地で、マダラの屋敷とは反対方向の執務棟の方へ足を向けた。
「……柱間、……何か隠していないか?」
「何も隠しとらんぞ? 忘れ物は本当の事だ。読ませたい本がまだあるからのう。」
「そうか。……ならまた後で……俺の屋敷でいいか?」
「うむ、待っていてく……」
 マダラが歩み寄ってその顔が目の前に来る。
 ち、近い、ちょいまっ
 ふわっと柔らかいものが唇に触れたような気がした。気がした? かもしれない? そのくらいに一瞬でほんの少し触れる程度の。
 マダラの顔が離れていくのを呆然と見つめる。
 今何が起きた? どういうことぞ?
 ふわりと優しい笑顔を見せて、マダラは踵を返し右手を挙げて反対側の道へ歩み始めた。
 俺はその場に固まったまま何が起きたのか何故それが起きたのか全く理解できず、子ども達が笑いながら駆けていく声で我に返り顔面が熱くなる。
 ……接吻……だった……よな? マダラから? 恋仲ではないとあんなに言っていたが? まさかあの後また何か本を読んだ? しかし何故マダラは何も言わなかった?
 自分で自分の唇に触れてみる。感触は違うが確かに唇が何らかの触感を覚えていた、そして目の前にマダラの顔があって。
 ……やはり接吻? ……接吻なのか……!? マダラがオレに接吻をしたと、そういうことなのかっ!!?
 途方もないほど嬉しい、嬉しいが、嬉しいのに……! はじめての! 接吻は! オレからしたかったァーー!!
 だってそんなあのマダラが自分からそんなそんなことするなんて想像も出来んだろう!?
 これは今夜、もしかしたらもしかする展開になったりするのか!?
 執務棟に置きっ放しの本を取りにとりあえず向かう。頭の中は接吻のことでいっぱいでもはや何をしにマダラを訪ねたのかすら忘れた。
 だがこれは決して悪いことではない、良いこと!! ……オレがリードする予定だったのに……はそれはそれとして、マダラの方も「のように」ではなくやっと恋仲という関係を己とオレの間に見出してくれたかもしれない証拠ぞ!!
 執務室の机の影に隠してあった本を手に取る。これをマダラに読ませればそれはもうその先には虹色の……!
 紙で巻いて表紙を見えなくした男色の本をよく見たらその巻いた紙の縁が擦り切れていた。
 ……ちゃんと新品の紙を使ったはずだったが……いや、ちょい待ち。
 本のページをめくる。……見つけた。開き癖があるページ……そこに書かれていたのは、受け入れる準備を解説する内容だった。