知られてはいけない(扉イズ版)
オマケ:報復
「……いい、夢だと思う」
そう告げて抱きしめる腕に力を込める。
やさしい声色で扉間は「そうか」と言いながら俺の身体をゆっくりと傾けて畳に降ろした。
……え、これは、……え?
まだ溢れる涙が顔の横に流れていくのを扉間が舐める。上半身を上げて服を脱ぎ始めた柱間の意図が分かって慌ててその服を引っ張った。
「まっ、ま、て、いま、か、ら?」
「愛の結晶を作るのだろう。」
上半身が裸になった扉間は俺の腰の帯に手を伸ばした。
「きっ、急っ、すぎる、頭が、追いつかない」
ついさっきまで死んでたと思ってた扉間が生きてたのを理解するのにも俺の頭はぐちゃぐちゃだったのにいきなりそれ!?
「善は急げだ。」
「でもっ、俺、……発情期じゃ……」
扉間は優しい笑顔で淡々と俺の服を脱がしながら「愛の結晶を作るために愛を育まなければな。」とやっぱり優しい声で言う。
上の服を脱がされて下の方にもまた手を伸ばし始めた。
「だ、だからって、そんな……い、今?」
「ああ、今だ。」
俺はまだ涙が止まらないのになんでこいつこんなに平然としながら服脱がせてるんだ。
すっかり全部剥かれてしまい扉間も下履きを脱ぐ。
こいつやる気だ、ええと、俺はどんな気持ちでいたら、涙でよく見えなかったその胸と腹に、傷があるのが見えて罪悪感が頭を覆う。
「待て、待って、き、気持ちのっ、せいりっ……!」
脱ぎ終わった扉間は俺に折り重なりながらその下半身を擦り付ける。肌が、温かい……扉間の熱くて硬いものがっ……じゃない、ちょっと、ちょっと待って。
慌てる俺の顔を見て、少しいたずらっぽく笑った扉間は額に唇を落とした。
「俺はイズナを振り回したい。イズナには散々振り回されたからな。」
そう言いながら唇を奪われて舌が絡み始めて扉間が言った意味を薬でぼけた頭を回転させて考えた。
……もしかして、戦場で散々俺が煽ったの、根に持ってる……?
手が股の隙間から尻の裂け目に入って指が孔にぬぷ、と入っていく。
「っん……、ぁ、」
ぬ、れてる。
中に入った指は優しくその内壁をなぞる。
「は、……っあ、んっ……」
散々、振り回した……確かに、それは、間違いない。かなり酷い事、した。……てゆうか心臓に刀、刺してるし。
「……んっ、あ、ぁっ、」
「相変わらず可愛い声だ。」
指が中で感じるところばかりなぞる、散々まぐわって扉間は俺の身体のことも知り尽くしてる。でもまぐわいでこんなに心臓がバクバクしたことなんてない。こんな体温の上がり方したことない。
「……っいつもと、ちがっ……! まっ、て」
こんなに体温が上がっていたら、顔がっ……赤く、
「いや待たない。イズナ、俺に振り回されろ。」
やっぱり意地悪そうな顔してる……絶対に根に持ってる……けど反論、できな、い。
降参するしかない、……こんなの、狡い……と思いかけて、自分がした事をまた思い出して、何も言えなくなってしまう。
「……なら、早くもっと、振り回せ、ば、いいだろ……」
「それは、俺のを早く挿れて欲しいという意味で合っているか?」
分かってるくせに確認するな……!!
「分析……」
「それはなしだ。きちんと言ってくれ。」
こいつわざと……ああ、もうっ! 勝てない……くそぉ……っ!
「……早く……挿れて……欲しい……」
顔に熱が集まる、こんな身体の反応知らない、なんで今急に!
指が抜けていって、扉間のそれがあてがわれて、また心臓が高鳴った。
また、扉間と、こんな、
「っ、あっ、ぁ、あっ、」
ゆっくりと入ってくる。触れ合う肌の温かさ、熱くて硬い塊、扉間から甘い匂いがする……これ、アルファの……
また涙が溢れてきた。
また、こんなふうに、扉間を感じられる日が来るなんて。ほんのさっきまで死んだと思ってた扉間が今俺の中に……っ。
「……泣かないでくれ、何故泣くんだ。」
やさしい声、幻聴でも夢でもない。……泣くに決まってんだろばか。
そう言いながらゆっくりと腰を動かし始める。子宮に当たる感覚に、そっか今妊娠してないから、と思ったけどだからどうなるなんていう想像まではできなかった。
腰つきがどんどん早くなって奥を突かれるたびに喉が震えてじんと広がる快感がどんどん頭をバカにしていく。
「あっ! あ、ぅあっ! あ゛っ! ぁああっ!」
激しくなる動きに、もう喘ぐばかりになった。その動きが、突然止まる。
「……っく、」
涙目で扉間を見ると、胸の傷に手を当てて顔を歪めていた。
「とっ、扉間傷が!!」
上半身を起こして傷を覆う手を握り締める。急にこんな激しい事するから心臓に負担がかかったんだこのばか……!!
扉間を見上げたら、そこにはまたあの悪戯っぽい顔がある。……え? 傷は?
「……イズナも俺の演技に騙されるんだな。」
……騙された? 演技?
「言ったはずだ、イズナを振り回したいと。」
パチュンっと奥を突かれて身体がのけぞった。また始まった激しい動きに翻弄されて、騙されたのに何故か悔しくはなくて、散々喘がされて一番奥で熱いものが広がるのを感じながら、荒い息を吐き扉間の身体を抱き寄せる。
「休憩のつもりか?」
え? ……どういう、いみ
「あ゛っ! え、んぅっ! とびっ、」
「それだけフェロモンを出しておいて一回で終わると思うな。」
「ひぁっ、ああ゛っ! はげっ、あぅっ!」
声が枯れるまでまぐわいは続いて、くたくたになった俺は手足に力が入らなくなっていた。
「イズナ、愛している。」
唇に触れるだけの口づけ……。いつの間にか涙も引っ込んでいた。
「……少しは振り回されてくれたか?」
「う……」
「きちんとイズナの言葉で言ってくれ。」
「……されたけど……どうせ、まだ気は晴れてないんだろ……。」
「流石だな、読み通りだ。」
……しばらく? ずっと?
これからは、扉間に振り回されるらしい……。
でもそれも、悪くはない気がした。
扉間の愛は確かに感じるから。
この肌の温かさを感じられるだけでも今は、幸せなんだと思う。
